創建1300年以上 ミシュラン獲得の名刹・那谷寺
北陸新幹線延伸で注目を集めている石川県。旅行客が急増する前にぜひ行ってもらいたい加賀温泉エリアのスポットを紹介したいと思う。
石川県小松市にある那谷寺(なたでら)は、霊峰・白山を崇拝し、自然に敬意をはらう”自然智(じねんち)”の教えを今に伝える白山信仰の寺だ。717年(養老元年)に、白山を開山した泰澄が岩窟の中に千手観音を安置したのが始まりとされている。もともとは岩屋寺という名前だったが、平安時代、花山法皇により那谷寺と改名された。中世末期の一向一揆の戦乱で伽藍が焼失して荒れ果ててしまっていたが、江戸時代、三代藩主前田利常が再興した。
最近は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで1つ星の認定を受けたことで、国内外からたくさんの参拝者を集めている。
1300年もの歴史を持つ那谷寺の境内には国の指定名勝の奇岩遊仙境をはじめ、本堂、三重塔、護摩堂、鐘楼、書院といった国指定重要文化財があり、見どころが豊富。
大悲閣拝殿と唐門、本殿という3つの建物を総称して本殿と呼んでいる。岩窟内の本殿に、本尊である十一面千手観世音菩薩が安置されていて、”いわや胎内くぐり”を体験できる。洞窟を母親の胎内と見立てたもので、”胎内くぐり”によって、新たに生まれ変わり、罪が浄められると信じられてきた。鐘楼や護摩堂など、他の重要文化財も歴史を感じ、趣ある建物ばかりで見応えたっぷりだ。
雄大な自然いっぱいの寺で心身をリフレッシュ
また、境内はとても自然が多いのも特徴で、広い敷地のなか深い木々に囲まれてひっそりとたたずむ姿は、静謐で荘厳だ。道中の苔むした石畳や階段も、非常に風情がある。
そして、那谷寺のナンバーワン絶景スポットが奇岩遊仙境。このエリアは、不思議な形をした岩が数多く並んでいて、大昔の海底噴火の跡が、長い間、風や波にさらされることによって、現在のような奇岩が形成されたそう。奇岩と色鮮やかな鳥居の組み合わせもいいが、秋にはさらに紅葉が組み合わさり、自然と歴史、日本の信仰が作り出した独特の美しい景観が訪れた者の目を楽しませてくれる。
境内をゆっくり見て回ると所要時間は小一時間程度。1300年という悠久の時の流れを感じて、加賀の国で親しまれてきた白山信仰に触れれば、心身ともにリフレッシュできるはず。
通が注目! 加賀温泉エリアが今後来そう!
石川県といえば金沢観光が有名だが、金沢からちょっと足を伸ばして南加賀エリアを旅するのもオススメだ。ちなみに、金沢駅から加賀温泉駅までは特急で最短24分と思いのほか近いのも高ポイント。城下町・金沢とは異なるリッチな魅力がたくさんの加賀温泉エリア、いま注目が高まっている。
那谷寺 施設詳細
住所:石川県小松市那谷町ユ122
入場料:中学生以上600円 小学生300円 未就学児無料
営業時間:8時30分~16時45分 8時45分~16時30分(12~2月)
定休日:無休
HP http://www.natadera.com/
アクセス
JR加賀温泉駅から加賀周遊バス キャン・バス山まわり→7那谷寺バス停
JR加賀温泉駅から約8.1km
北陸自動車道 片山津ICから約12.5km
北陸自動車道 加賀ICから約14.1km