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転勤で九州に惚れこみ移住し、地域おこし協力隊に/宮崎県小林市_青野さん VOL.1

今回ご紹介する移住者は、宮崎県小林市で地域おこし協力隊として活動する青野雄介さん(37歳)。2016年5月に移住し、“新たな賑わいの場やコミュニティの場を生み出すまちづくり型マルシェ”として誕生した『こばやしマルシェ』の実行委員長をつとめている。

いったいどんな物語があるのか、青野さんに経緯や思いを聞いた。


転勤生活で九州に惚れてしまった

cazual編集部(以下、C) 青野さんのご出身は千葉だとうかがいましたが、移住までの経緯を教えてください。

青野さん(以下、) 就活を東京でやって、専門商社に入ったんですけど、配属先が福岡でした。そこから3年半、宮崎、鹿児島と転勤で九州をまわりました。

C 宮崎にご縁はあったんですね。では、そのときから移住は考えたんですか?

青 当時は社会人になったばかりで、移住は考えていませんでした。そのころ知り合った会社の同期が今の奥さんなんですけど、移住とまではいかなくても、3年半で九州に惚れてしまったというのはあります。

C 奥さんは九州の方?

青 佐賀県出身で、同じ職場でした。

C 九州で3年半過ごされたあとは?

青 大阪の本社に転勤になって、奈良に住みながら会社に通っていました。

C 移住を考え始めたのは?

青 最初は移住というより転職を考えていたんです。大阪に行って6、7年経ったころですかね。32、33歳くらいかな。

C 商社の仕事をやっていくなかで働き方を変えたくなったんですか? それとも、何か新しいビジネスを見つけたとか?

青 小6くらいからずっと環境問題を解決したいと思っていました。将来の夢にも書いたくらいで。大卒時の就活ではそういう会社が全然なかったんですけど、就職した商社には環境チームのような部署があったんです。

実際、僕も仕事の中で、LEDを販売したり、多少環境に関わることもできていました。でも消費するのが前提の今の社会でそういうことをしていても、のれんに腕押しをしているような感覚が生まれてきて……。そもそもの社会の流れを変えていかないと難しいのかなと思ったのがきっかけですね。それから出社前に毎朝30分くらいカフェに行って、自分は何がしたいのか探し始めました。

環境問題に対して自分はどういう関わり方ができるんだろう

青 そのなかで「地方」というキーワードが出てきました。ちょうど地方の魅力を再認識して外に発信するっていうのが、いろいろと取り上げられ始めていた時期でした。“何かを新しく作っていくだけではなくて、今あるものをもとに発信していく”というのが環境問題を考えるうえで、すごく大切なことに思えて地方で仕事するのもいいなって思い始めました。

C それは何年前くらいですか?

青 朝活をし始めたのが2012年で、そこから1年くらいかけて考えを整理しました。

C 整理をし終えてから小林市に来るまでの経緯は?

青 その時期から地方について、いろいろ調べ始めました。あと、それまでは営業企画のような仕事をしていたんですけど、頭で企画を考えるだけでなく、実際に自分がプレイヤーとなって動いてみる、営業の経験が必要だと思ったんです。会社で手を挙げて営業部にいかせてもらって、2年間やりました。

C 決めてからの期間で自分のスキルを磨いたんですね。

青 やっぱりすごく不安だったんですよ。家族もいたし、本当に成り立つのかなって。だから自分でできることはやっておこうという気持ちでした。

C その時点で奥様には「会社を辞めて移住を考えている」とは言っていたんですか?

青 そうですね。そのへんは常にオープンな関係なんで、思いついたくらいからちょこちょこ話はしていました。具体的な話はなかったですけど。

C 奥様の反応は?

青 最初はひどかったです(笑)。「そんなのできるはずない」って。

C そこから移住の説得はどのように?

青 説得というよりは、自分のやりたいことをとにかく話し続けました。「地方では今こんな面白いことが起きている」とかを会話の中でずっとしゃべり続けて、1年くらいで折れてくれました。

小林市は霧島連山に囲まれた、鹿児島との県境に位置する山間の街だ

C 奥様が一番反対していたポイントはなんだったんですか?

青 やっぱり安定した生活ではなくなることだと思います。奥さんは田舎暮らしが嫌なわけじゃないけど、都会の暮らしも好きだったので、当時は現状に不満がなかったんですよね。

C まだ小さいお子様もいらっしゃったんですよね。

青 移住してきたとき、下の子が0歳で、上が4歳でした。当時は農業をやろうと考えていたんですよ。がっつり専業というよりは、農業を軸に農家民泊とか観光農園とかに広げていって、って思っていたんですけど、やっぱり農業自体に大変そうなイメージがあったみたいです。

C 移住先を具体的に検討し始めたタイミングは?

青 2014年の終わりくらいです。移住相談会やメディアで情報集めをしました。移住先は九州しかないっていうのは最初から決めていました。

C 九州のどこに惹かれたんですか?

青 言葉にするのが難しいんですけど……、当たり障りのないことで言えば、九州は食べ物がおいしい。人が優しい。自然も観光地もいっぱい。物価が安い。でもなんというか、全体の空気感がハマったんだと思います。

宮崎牛は日本一の和牛として知られているが、小林市は県内でも有数の産地だ (画像提供:小林市)

移住して農業で生活しようと考えていたものの・・・

C 移住相談会で話を聞く際の自分の基準は何かありました?

青 地域は佐賀を軸にして九州というのはすでに決めていたので、やることの中身を重視していました。地域おこし協力隊ならそこで何をやるのか、とか。

C 小林市はいつから候補に?

青 最初は福岡の糸島を考えていたんですよ。九州に赴任していたときに行ったこともあって、すごくよいところだと知っていましたから。仕事は当時、農業を考えていたので、糸島にある農業生産法人さんにアポをとって訪ねました。そのときに、「経験もないし家族もいる。裸一貫で入っていくのはあまりにリスクが高い」とアドバイスをもらいました。そこで農業をやるにしても副収入があったほうがいいなと考え直して、それで協力隊に行きついた感じです。

C 最初は協力隊でなく、農業法人で学んでいくつもりだったんですね。

青 糸島の施設は新規就農を応援する農業法人でした。そこの方たちと一緒にやりながら、自立していければいいな、と思って行ったんですけどね。そこでリスクのことをめちゃめちゃに言われました(笑)。

C そういうところに入る方は元々農業をある程度されていることが多い?

青 何かしら副収入を持っていることが多いみたいです。特に糸島は福岡が近いので、最悪、福岡に通いながら自宅で農業をすることもできる。やっぱり未経験で移住して農業一本でやるのはリスクが高いようです。

C そこで地域おこし協力隊に。

青 もともと制度自体は知っていました。地域づくりには以前から興味がありましたし、農業とも親和性が高いと思ったので、そっちにシフトしていきました。

C 宮崎県小林市はどういった募集内容だったんですか?

青 やること自体は「移住支援」とか、けっこうざっくりしていたんですけど、小林市のルールがありました。どういうものかというと、1年目は就業時間の3割を自分の定住に向けての活動に使ってよくて、7割を地域おこしのために使う。2年目はそれが5割ずつに、3年目は逆転して7:3になるっていう。ステップを踏んで、定住に向けて準備していってくださいと。

そのときは、小林市で起業を目指す人の募集でした。就農も起業に入るので、自分で何かやりたい人向けの募集だと思い、「これだ!」って思ったんです。

青野さんが実行委員長をつとめた「こばやしマルシェ」の様子 (画像提供:小林市)

VOL.2に続く】

取材させてもらった人

青野 雄介(あおの ゆうすけ)さん

1980年、千葉県生まれ。2016年5月、地域おこし協力隊として宮崎県小林市に移住。専門商社勤務時代に転勤で来た九州に惚れこみ、移住先を決めた。環境問題や地域の課題解決に興味を持ち、地域おこし協力隊になった。

「こばやしマルシェ」情報

毎月第2日曜日開催

開催場所や時間は小林市HPをチェックしてください

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取材・文/george

【PROFILE/george】

茨城県東海村出身の33歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。5年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。現在は、アウトドを主軸にしながらも地方移住などローカルトピックにも積極的に関わっている。


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