幻の在来種大豆「八天狗」
熊本県山都町水増(みずまさり)集落は、熊本空港から1時間ほどの山深い小さな集落です。この集落は過疎化が進み、住民の平均年齢は70歳を超え、10世帯18人が暮らしています。そんな集落で自家用としてひっそり作り続けられていた大豆が「八天狗大豆」です。
農林水産省がゲノム解析をしたところ、「八天狗」はデータベースにも記載されていなかった日本古来の”幻の在来種”であることが判明。一躍、注目を集めています。
そして、現在はこの水増集落を中心に、地域おこしの1つとして無農薬無肥料の自然栽培による作付けを増やしているのです。まだ商品化されていないため、本当に知る人ぞ知る珍しい大豆。
八天狗特設ホームページ;http://8tengu.jp/
無農薬無肥料の幻の大豆「八天狗」が東京で食べられる!
東京・渋谷ヒカリエの人気レストラン「d47食堂」で食べられます。しかも2017年2月15日までの期間限定メニューでの登場です。その名も、「熊本県水増集落 八天狗定食」。
この定食は、在来種大豆「八天狗」を中心としたメニューで、納豆を始め、地元野菜の味噌和え、熊本県の郷土料理である坐禅豆(ざぜまめ)、ハレの日に楽しまれる鶏汁などが並びます。
47の都道府県と、季節を感じる編集部による定食屋 「d47食堂」
d47食堂は、d design travel編集部が旅先で様々な食の生産者とも交流を持ち、そこで出会った方々から仕入れた四季折々の食材をつかう定食屋さん。47都道府県の「食」をテーマに、生産者や器の作り手の想いを伝え、「おいしく正しい日本のご飯」を提供しています。
また、生産者を招いてのワークショップや勉強会など、「食」に関わるイベントも開催。
まだまだ知らない食材がある日本を、月替わりで、飲み比べて、体験できる。d47食堂の定食は47都道府県のおいしい食材を選んでつくる「○○県定食」が人気。月ごとに取り上げる都道府県が変わっていくのも楽しみのひとつです。
その他、日本各地から取り寄せたクラフトビールやワイン、ジュースは飲み比べできるから楽しく食べられて、食を学べるスポットとして話題なんです。
熊本地震の復興祈願の集結
水増集落には太陽光を利用して発電するメガソーラーを設置した水増ソーラーパークがあります。この取り組みは、自然エネルギーによる発電や電気の供給を行うテイクエナジーコーポレーションが関わっています。売電収入を活用して、集落の再生を目指しているのです。その一環で「八天狗大豆」の自然栽培も積極的に進めています。
今回の「熊本県水増集落 八天狗定食」の取り組みは、熊本地震の復興を祈願して進められた企画でもあります。定食のメインである八天狗納豆を作ったマルキン食品は、熊本地震で工場が被災。自社、そして熊本の復興を祈願して納豆が作られました。そして熊本県外からは、大豆の作付け・草取り・収穫を山口県にある下関市立大学の学生が水増集落まで何度も訪れ、お手伝い。
そんな、県内外の復興への思いが集まった詰まった定食なのです。
水増ソーラーパークって?
水増ソーラーパークでは、太陽光発電事業による収益を、周辺の農業や観光といった産業への支援及び事業化が行われています。それにより、これまで太陽光発電所を作っても雇用を生まないことや立地している場所に還元されないという課題を解決しました。この取り組みは、農林水産省の農業白書にも取り上げられるなど、新た地域再生の形として、さまあまなところで評価されています。
今回の、渋谷ヒカリエd47食堂での「熊本県水増集落 八天狗定食」の提供も、この取り組みの一環です。
「八天狗定食」を食べに行くしかない!
提供期間:~2月15日(水)
場所:渋谷ヒカリエ8F d47食堂
営業時間:11:30~23:00
提供時間:ラストオーダー22:00、ティータイム14:30~18:00を除く(※なお提供期間中、無休です)
価格:1,550円(税込)
定食概要:自然あふれる水増(みずまさり)の在来種大豆「八天狗」が主役の定食。納豆を始め、地元野菜の味噌和え、熊本県の郷土料理である坐禅豆、ハレの日に楽しまれる鶏汁など。