ナンガの傑作「オーロラライト450dx」
日本が誇るシュラフメーカーの最高峰、ナンガ。ナンガの特徴といえばなんといっても、ダウン(羽毛)への強いこだわりです。
ヨーロッパの理想的な環境で飼育された水鳥のダウンのみを使い、洗浄からシュラフへの吹き込み、生地の縫製まで、すべて日本国内でおこなわれています。
また、ナンガのダウンシュラフには「永久保証」が与えられることも有名です。生地の破れなどのトラブルに対して、購入後の期間を問わず、基本的に無料で対応してくれます。
ナンガが展開するラインナップのなかでも、フラッグシップとして認知されているのが「オーロラライト」。そして今回取り上げるのが、450gのダウンが詰め込まれた「オーロラライト 450DX」。最高クラスの品質を備えており、プロの登山家も愛用するモデルです。
このコンパクトさだけでも「買ってよかった」と思えるオーロラライト450dx
高品質なダウンを使用するメリットは、シュラフ自体をコンパクトに収納できる点にあります。オーロラライト 450DXの収納時のサイズは、直径14cm、長さ30cm。容量20Lほどの、比較的コンパクトなリュックにも入ります。
テントやマットも小さいもので統一すれば、リュック1つでキャンプへ出かけることも、決して難しくはありません。バイクや自転車でキャンプへ行く人にとってはとくに、このコンパクトさが強力な武器になります。
防水性と快適性を両立した「オーロラテックス」を採用
防水性へのこだわりも、ナンガならでは。独自の機能性素材「オーロラテックス」は、外部からの水の浸入を防ぎつつ、内部の水蒸気を外に逃す機能をもっています。
試しに、ペットボトルの水をドバドバとかけてみました。
バサッと水を払えばこの通り。しっかり撥水していることがわかります。
ダウンシュラフにとって、水濡れは大敵です。なぜならどんなに性能がいいダウンシュラフでも、羽毛が濡れると膨らむことができず、たちまち機能を失ってしまうからです。ダウンシュラフを使う目的は、使用者の体のまわりに厚い空気層を確保すること。ダウンが濡れた場合、状況が状況なら低体温症に陥るリスクも生じるでしょう。
その点、高い防水性をもつオーロラライトなら安心です。雨やテント内の結露から内部のダウンを守り、機能をしっかり果たしてくれます。
高品質ダウンならではのボリューム感が魅力のオーロラライト450dx
収納袋から取り出してすぐの状態ではペタンとしていますが、時間が経つにつれ、どんどん膨らんでいきます。この膨らみこそが、保温性の肝です。首の部分はとくにボリューミー。首への密着性を高め、放熱を防いでくれます。
足もとの立体的な形状も、ナンガ特有のもの。快適性を保ちつつ、冷えやすい足先を効果的に保温します。ナンガのラインナップのなかで、オーロラライト 450DXは春・夏・秋の、“3シーズンモデル”として扱われています。
公表されているスペックによると、快適温度は0℃。つまり、気温0℃の環境下でも快適に過ごせるということです。3シーズンモデルといえど、寒冷地でなければ1年を通して使える保温性能をもっているといえます。
シュラフ特有のストレスから解放するジッパーが特徴的なオーロラライト450dx
独特な形状のジッパーは、ナンガとYKKの共同開発によるもの。
ジッパーを開閉する際にシュラフの生地が噛み込んでしまうという、シュラフにありがちなトラブルを防いでくれます。この日、試しに30回ほど、荒っぽく開け閉めしてみました。それでも噛み込むことは1度もなく、ジッパーの動きもスムーズです。
さらに蓄光素材の採用により、夜間の視認性アップも実現。実際に、夜中にトイレへ行きたくなったときに、この機能によく助けられています。ダブルジッパーのため、温度調節も簡単です。暑いと感じたらシュラフの横を開放でき、季節を問わず快適な状態を保ってくれます。
オーロラライト450dxは保管用のメッシュバッグが便利
ダウンシュラフを小さな袋に押し込んだ状態で保管していると、ダウンにクセがつき、膨らみにくくなります。家で保管する際は、なるべくダウンに負荷をかけないようにするのが理想的です。
そこで人によっては別売りのバッグを用意したり、大きめの洗濯ネットに入れたりと工夫をするのですが、オーロラライト 450DXには保管用のメッシュバッグが付属しています。これが本当に便利です。家での保管時に役立つことはもちろん、車でキャンプへ行く場合はメッシュバッグに入れた状態のまま持って行けます。
かなり大きな荷物になりますが、重量は1kgもないため、運搬に苦労することもありません。
収納するのが少し大変!それでも完璧なオーロラライト450dx
ナンガのシュラフは高品質なダウンを使用しているため、収納袋から出すとよく膨らみます。その特性により、再び収納袋へ戻すのに苦労するという側面も。専用の収納袋がタイトな作りで、慣れるまでは「これ本当に入るの?」と思うことでしょう。
しかし毎回ギチギチに詰め込む必要があるかというと、かならずしもそうではないと思います。登山で使うときは専用の収納袋に入れてコンパクトにし、車でキャンプへ行くときはメッシュバッグに入れて持ち運ぶ。このように使い分けると、収納が大変という唯一の懸念点も、もはや気にする必要がなくなります。
品質も性能もアフターフォローも完璧な、ナンガのオーロラライト 450DX。定価45,100円と、決して安い買い物ではありません。しかしまったく手が届かないというほどの金額でもなく、金額に見合ったクオリティーを実感できます。
そして魅力的なのが、やはり永久保証。「これ以上のものはそう多くない」と考えると、10年でも20年でも使い続けたくなるダウンシュラフです。
ナンガ オーロラライト 450DX 詳細
快適使用温度:0℃
下限温度:-5℃
生地:
【表地】15D オーロラテックス
【裏地】15D リップストップナイロン
ダウン:スペイン産ダックダウン90-10% (760FP)
使用時サイズ:
【ショート】 最大長203×最大肩幅80cm(身長165cmまで)
【レギュラー】最大長210×最大肩幅80cm(身長178cmまで)
【ロング】最大長228×最大肩幅85cm(身長185cmまで)
収納時サイズ:直径14×30cm
総重量:約865g
価格:45,100円(税込)
写真・文/斎藤純平
【Profile/斎藤純平】
キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。
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※この記事は2022年の記事を再編集して再掲したものです。