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時代が追いついてこれないトートを誕生させたスプーンフル

ブランド設立者・椎名哲朗さんのぶっちゃけトーク(1)

アウトドアギア・アパレルの輸入代理店に長く従事し、世界の逸品をよく知る椎名哲朗さん。輸入代理店を退職し、現在はオリジナルブランドを立ち上げている。

今回ここで着目したいのは椎名さんが2016年に起こした新たなトートバッグブランド「SPOONFUL(スプーンフル)」。

数あるトートバッグの中で、これだけ異彩を放ったアイテムがあっただろうか。

そのブランド設立者・椎名さんと古くから付き合いのあるcazual編集部スタッフだからこそ聞けたスプーンフルのこと。

ぶっちゃけトークだからラフな喋り方が炸裂するけど、椎名さんらしさも表れるいい感じの会話が展開された。

 

cazual編集部(以下、c) いま椎名さんが手がけているブランドは、いくつあるんですか?

椎名さん(以下、) インガとスプーンフルの2つ。

 

c インガというブランドは、いつごろから始めたんですか?

 インガは2004年がブランドの設立。会社名はホールドオール。

2003年にインターテックっていう輸入代理店を辞めて、1年間は遊び呆けてて。

 

c 1年間遊び呆けてっていうのがいい! ところでインガはオリジナル製品ですよね。

 インポーターはもうこりごりだったのよ。

じゃあ自分でオリジナル製品を作るかって考えたとき、個人的にはアウトドアではアクティビティよりも旅の要素が強い方が好きなので、そっちのブランド設立を思い描いたんだけど、何を作るって具体的なアイデアがなかったのね。

 

c 新しいブランドを発掘して、日本で紹介してマーケットを一緒に育てたはずなのに、知名度が広がったころには大手に販売契約を持ってかれて……。椎名さんが扱ってたブランドって、伝説的なブランドばかりですもんね。

インガはクライミングアパレルですが、前の会社で扱っていたプラナの影響があったんですか?

 小山田大っていう世界的に有名なプロのフリークライマーがいるんだけど、彼との付き合いが前職時代からあって、何かの機会に偶然再開してってきっかけかな。

彼はアパレルのスポンサーが付いてなかったのね。なんでかと言えば、気に入ったのを着たいっていうのがあって。

「じゃあ、一緒に作ろうか」って話になった。彼はクライミングシーンで培ってきたウエアに必要な要素をフィードバックできる。自分には製品を売り込む得意先もあるし、ブランドを育てて行くノウハウも持ってるから。

当時、クライミングマーケットはまだ小さかったけど、プラナで作った土壌もあった。だから最初は順調。だけど、マーケットがだんだんでかくなっていった。

人口が増えれば市場も大きくなるってのは浅はかな考えで、クライミングジムではジャージを着て登る人が多くなって、逆にクライミングウエアは全然売れなくなってきちゃった。

いっときはいい調子で、これでやっていけるなんて思ったんだけどね(笑)。

c そこで、スプーンフルの誕生ですか?

 昔から考えてた旅の要素を膨らませてみようかって思い出したのが、4〜5年前。

もともとは風呂敷をベースに、それをもっと現代的な発想に置き換えてってことばっか考えてた。今どきのアウトドア製品みたいに変にテクニカルな素材を使ったものじゃなく、ローテクな雰囲気でやれるものがいいかなあって。

 

c たしかに、風呂敷って実は便利で、アウトドアでも使えそうですね。

 最初は風呂敷、風呂敷って風呂敷のことばっかり考えてた。

だから、布でどう包むのかって方向ばっかりに思考が完全に行っちゃって。正方形の生地にデイジーチェーンを対角線上に設置して、包んだら好きなところでフックするみたいなサンプル作ったり。

 

c それ売れそう!

 完全に、包むってことだけをずっと考えてた。でも結局持ち運ぶってことを考えてみると、それって不自由だなって思って。

c たしかにそうですね! 風呂敷は、単なるシンプルな布だから収まりもよくって、あれ以上いじっちゃいけない。

 じゃあ、なんかないのかなあって、また最初から考え直してたときに、たまたま目に入ったのがトートバッグだった。

L.L.ビーンのトートバックなんかもそうだけど、普通は横が縫ってあって、底になるマチを上に折り返して三角になった部分も縫ってある。

「これを縫うんじゃなくて、なんかで留めるってことができるんじゃねえ!」って思いついたの。

 

 

ついに時代が追いついてこれないトートを誕生させた瞬間だった。

スプーンフルの椎名哲朗さんインタビューは、その2

「道具を知り尽くした男の新しすぎるアイデアを詰め込んだスプーンフル」へと続く。

 

ホールドオール

神奈川県逗子市小坪6-5-2
電話 0467-33-7250

メール info@spoonful-tote.jp

スプーンフルホームページ http://www.spoonful-tote.jp

インガホームページ http://www.inga.jp

#4 Truckin’(トラッキン)

 

バッグ時寸法:W44×H38×D22(cm)
展開時寸法:W66×H100(cm)
約36ℓ

http://shop.spoonful-tote.jp/?pid=96592073

 

 

text:アマキン

【PROFILE/アマキン】

本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。

 

 

 

 

 

 

 


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