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宮城の美味しい秘伝の郷土菓子『がんづき』のレシピをご紹介!

宮城県民の超ローカルフード「がんづき」

素朴な見た目が懐かしい、宮城県民のローカルフード「がんづき」をご存知でしょうか?

最近では家庭で作られることも少なくなってきたことから、若い世代の方々は知らない場合も多いかもしれませんが、筆者にとっては思い出深い郷土菓子のひとつです。

今回は、幻の食べ物となりつつある「がんづき」についてご紹介します。

郷土菓子「がんづき」の由来

がんづきは宮城県以外にも、岩手県の県南の地域で食べられる郷土菓子です。もちもちとした食感が特徴で腹持ちがいいので、昔から農作業の合間に食べられていたようです。

筆者も幼少の頃、祖母の作るがんづきを、田んぼ作業の休憩の際に食べるのが楽しみでした。「がんづき」は、漢字では「雁月」と書きます。

名前の由来は諸説ありますが、宮城県では丸い形と表面に散らす黒ごまが、満月に向かって飛ぶ雁(がん)のようだということから名付けられたと言われています。

「がんづき」の種類

黒糖を使って作るふんわりとした食感の蒸しパンタイプと、白砂糖を使って作るもっちり食感のういろうタイプの2種類があります。

どちらも道の駅や地元のJA、個人商店などで購入できます。サランラップに包まれ、昔ながらのスタイルで販売されていることが多いのも特徴です。

味噌を入れたり、醤油を入れたり、各家庭によって様々な配合がありますが、今回は家庭で作られることが多い蒸しパンタイプのがんづきの作り方をご紹介致します。

「がんづき」の作り方

材料(21cmのパウンド型1個分)

卵(1個)
黒糖(50g)
はちみつ(大さじ2)
牛乳(100ml)
薄力粉(150g)
重曹(小さじ1)
醤油(小さじ1)
酢(大さじ1)
くるみ、黒いりごま 適量

がんづきは、一般的に蒸しパンを作る際に使われるベーキングパウダーを使用せずに作るのが特徴。酢と重曹の力を使って、昔ながらの方法で膨らませて作ります。

ベーキングパウダーで作るよりも、もっちりとした食感になりますよ。

まず、ボウルに卵(1個)と黒糖(50g)、はちみつ(大さじ2)を入れてよく混ぜます。

黒く仕上げるために黒糖が欠かせませんが、溶けにくいのでしっかり混ぜるようにしましょう。

黒糖のダマがなくなったら、牛乳(100ml)を入れて混ぜます。

薄力粉(150g)と重曹(小さじ1)を振るいながら入れてよく混ぜます。

粉っぽさがなくなったら、醤油(小さじ1)と酢(大さじ1)を入れて混ぜます。酢と重曹が混ざると、あっという間にモコモコと膨らんでいくので、手早く作業しましょう。

お好みの型にクッキングシートを敷いて、生地を流し入れます。クッキングシートは、あらかじめ型に入れてセットしておくといいでしょう。

今回は21cmのパウンド型を使用しましたが、本来がんづきは丸型を使用することが多いです。丸型の耐熱容器を使ったり、ケーキ型に変更して作ってもいいでしょう。

くるみと黒いりごまを表面に散らします。黒ごまだけを散らしたり、レーズンをのせたりしても美味しいですよ!

蒸し器にたっぷりの湯を沸かして、生地の入った容器を入れます。強火で20分加熱します。

生地がしぼんでしまうので、途中で蓋を開けないように注意しましょう。

しっかり生地が膨らんで、串を刺しても生地がついてこなければ完成です。

中心部分は特に火が入りにくいので、注意して確認しましょう。

粗熱が取れたら、お好みのサイズにカットして召し上がってください。

冷蔵で3日ほど保存ができます。冷めてももちもちした食感が続くので、手軽なおやつとして美味しく食べられますよ。

意外に簡単!もちもちがんづきをおやつに活用してみよう

各地の郷土料理は、古くからその土地の人々に愛されて伝えられてきた料理です。特に家庭で作られる郷土料理は、代々伝えていかなくては残せないものも少なくありません。

今回ご紹介した「がんづき」も、大手スーパーなどでは手に入りにくい超ローカルフードです。

2013年にユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」。地域の食文化を後世に伝えるためにも、日本の豊かな郷土料理を家庭で楽しんでみてはいかがでしょうか?

【PROFILE/さとう あい】

宮城県仙台市在住の料理家。料理教室の運営や、レシピ提案などのフードコーディネーター業をする傍ら、ライターとしても活動中。やんちゃ盛りの2児の母であり、子どもと海や川、山などアウトドアへ出かけ、休日は自然の中で遊ぶのが日課。

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