宮城県のソウルフード「しそ巻き」とは?
宮城県では、忘れられないおばあちゃんの味として知られる「しそ巻き」というソウルフードがあります。最近では家庭で作られることも少なくなってきたようですが、スーパーの地元食材コーナーや、お土産品としても人気の郷土料理です。
宮城県を出て、関東圏、東海圏に住んでいた筆者としては、東北地方以外では手に入りにくいので、思い出の味として心に強く残っていました。
今は地元の宮城県に戻ったので、生活の中でこのソウルフード「しそ巻き」を子どもと共に楽しむ毎日を送っています。
今回は、ご飯のお供にも最高な「しそ巻き」の魅力をご紹介します!
宮城県名物「しそ巻き」の歴史
宮城県は、伊達政宗公の時代からみそ作りが盛んな地域として有名です。この地域で作られているみそは「仙台みそ」という名前で、他の地域よりも大豆の比率が多いのが特徴です。
この仙台みそに、ごまやくるみを入れて練り、それを青しそで包んで揚げたのが「しそ巻き」です。お茶受けとして食べられたのがはじまりのようですが、今ではご飯のおかずとしても親しまれています。
宮城県だけでなく、東北地方では岩手県や山形県、福島県でも広く食べられている郷土料理です。
宮城県名物「しそ巻き」の中には何が入っている?
しそ巻きは、サクッと香ばしい大葉と、甘じょっぱいみそがおいしさの秘密です。みその中にはごまやくるみをベースとした食材がたっぷりと入っています。
中に入るみそには、ゴロッと大きいくるみが入っていたり、唐辛子で辛味を出したり、家庭によってさまざまで、中に入る食材の組み合わせによってかなり味が違ってくるのも特徴です。
冷蔵、または常温保存で1週間ほど保存でき、冷凍することも可能なので、常備菜としても活躍します。
作りたてはもちろん時間が経ってもおいしく食べられるので、筆者としては、お弁当のおかずや、お酒のつまみとしてもおすすめの味です。
アツアツのご飯と一緒に食べるしそ巻きは最高です! 子ども達にも大人気のおかずですよ。
宮城県名物「しそ巻き」の作り方手順
しそ巻き自体はスーパーで売っていませんが、スーパーで売っている材料で簡単に作ることができます。
しそ巻きの作り方をご紹介します。しそ巻きを作るときの大葉は、こぶしサイズくらいの少し大きめの葉っぱを使用しましょう。
お好みの食材を入れて作ったみそを大葉の上にのせます。わが家では黒ごま、くるみ、えごまの実、みそ、砂糖、米粉などを入れて作っています。米粉のかわりに薄力粉を使う家庭も多いようです。
ゆずで香りをつけたり、唐辛子で辛味をプラスしたり、砂糖を多めに入れて甘口に仕上げたりと味の変化を楽しんでもいいですね。
くるくると大葉を巻いてみそを包みます。ゆるく巻いてしまうと火を入れている間に崩れてきてしまうので、キュッと締めるように包むのがきれいに仕上げるコツです。
一般的には、お好みで3〜4本ずつ爪楊枝に刺して、まとめて加熱しますが、今回は1本ずつの状態で焼きます。おいしくて、ついついたくさん食べ過ぎてしまうので、我が家はいつも1本ずつのスタイルで作っています。
温めたフライパンに油をしき、しそ巻きを入れて両面を焼きます。一般的には、この段階で多めの油を入れて揚げ焼きの状態にしますが、我が家はヘルシーに仕上げるために油少なめで焼く方法で作っています。
焼きあがったしそ巻きは、できあがりは香ばしく、噛めば噛むほど甘じょっぱいおいしさが口に広がり、いくらでもご飯が進む味ですよ。
宮城県はみそ料理の宝庫!
日本の食生活に欠かせない「みそ」は、地域によって味の違いがあり、地域色豊かな調味料のひとつです。みその種類は、大きく分けると米みそ、麦みそ、豆みそ、合わせみその4種類がありますが、みなさん自分が生まれ育った地域のみその味には、こだわりがあるのではないでしょうか。
仙台のみそは、「なめみそ」とも呼ばれるほど、米みその中でも大豆の風味が高いのが特徴です。しそ巻き以外にも、仙台みそラーメンや、牛タンの付け合わせに欠かせないみそ南蛮、芋煮など、みそを使った郷土料理が数多く存在します。
宮城県を訪れた際には、ぜひ風味豊かな仙台みそを活かした料理を味わってみてはいかがでしょうか。
【PROFILE/さとう あい】
宮城県仙台市在住の料理家。料理教室の運営や、レシピ提案などのフードコーディネーター業をする傍ら、ライターとしても活動中。やんちゃ盛りの2児の母であり、子どもと海や川、山などアウトドアへ出かけ、休日は自然の中で遊ぶのが日課。
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※この記事は2022年の記事を再編集して再掲したものです。