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カーミットチェア社製品は偽物に注意!見分け方を失敗談から伝授します

人気がゆえに偽物が増えているカーミットチェア社製品

まさか自分の身に起きるなんて……。つい先日、念願が叶ったと思い購入したカーミットチェアのテーブルが、じつは偽物であることが判明。ネット販売が市民権を得たことで、こういったリスクが付きまとうと考え、注意喚起と合わせて紹介する。

まずは偽物カーミットテーブルの購入経緯から

カーミットテーブルは、カーミットチェア社が手がけるアウトドア向けのローテーブルで、現在はデイトナ・インターナショナルが卸販売を行なっている。カーミットチェアが今なお人気であることからこのテーブルも注目されており、現在はオフィシャルのオンラインショップや他のアウトドアショップも完売が続いている。

高さ、デザイン、収納力。この総合面を見てとても使いやすそうと思った筆者は、様々なオンラインショップやフリマアプリなどを見ていたところ、某オークションサイトで5,000円から販売しているところを発見。「ついにきたか!」と思って無事落札することができたのだ。

落札金額+送料は21,000円ほど。定価は19,250円なのでやや高い金額になったが、購入手段がない以上これで最初は満足していた。しかし、商品が到着して「あれ、ちょっと変だな……」と思って出品者に連絡したが、1週間が経っても返事は来なかった。

偽物のカーミットテーブルを組み立ててみた

ということで、残念なことに偽物の商品を買ってしまったわけだが、とりあえずその気持ちは置いといて実際にテーブルを組み立ててみよう。部品はこちら。ここは本物と変わらない。なお、脚の先端に付いているゴムは筆者が装着したものなので購入時には付いていない。

こちらが完成した状態。サイズはW30×D30×H30cmで本物と同じ。パッと見は本物とそっくりなので、偽物との判別は難しい……。

組み立て方も本物と同じ。行程は大きく3つで、まず天板に脚上部の金具を通す。

裏返しにして天板を支える木材を脚に差し込み、あとは脚を回して4箇所を固定すれば完成。組み立て時間は1分47秒で、時間はかかるが力を入れずにできるのでそこまで苦にはならない。

ここが変だよ!偽物の商品をチェック

では、どこで偽物と判断できたのか。それは5点ある。

1つ目は収納袋で、一見本物と変わりないように見えるが、テープを固定するバックルを見てもらいたい。

こちらが本物の画像。画像出典:https://www.kermitchair.jp/?pid=78453989

バックルを見ると、2つのループにロープを通して固定する形に対し、偽物はガッチリとした部品にロープを固定する形である。本来、バックルなど部品の変更は公式ページで掲載されるはずだが、残念ながら載っていないため偽物と思われる。

2つ目は、収納袋にブランドタグが付いていない点。販売していた時期によってタグが付いていないこともあるそうだが、オークションサイトの他の投稿やフリマアプリでカーミットテーブルを見てみると、ほとんどのものにブランドタグが付いていた。

3つ目は天板の裏。

こちらが偽物で、いたってシンプルな状態。

こちらが本物。画像出典:https://www.kermitchair.jp/?pid=78453989

天板裏にブランドとロットの刻印が押されているはずだが、偽物にはどこにも見当たらない。ただ、公式ページには次のような文言がある。“天板裏に製造ロットにより刻印の有る物と、無い物がございます。”

したがって、刻印がないからと言って偽物とは判断できかねないが、公式ページや他のショップのほとんどは刻印が押されているものを掲載されており、やや疑わしい気持ちになる。

極め付けとなる4つ目は、ウレタンコーティングを施していないところ。

カーミットチェアの商品は、ダブルマリングレードポリウレタン加工を施しており、水にあたってもシミにくく、多少のキズからも木材を守ってくれる。

こちらが本物。画像出典:https://www.kermitchair.jp/?pid=78453989

ツルッとしているのがそのコーティング加工なのだが、偽物にはそのツルッとしたものがなく、切りっぱなしの木材が使われている。この段階で偽物だと明確に判断できた。

また、コーディングにより木材のササクレが起きにくくなるもの特徴なのだが、購入して脚を見ると、すでにところどころにササクレが起きており、危うく指に刺さってしまうところだった。結局自分でヤスリがけをして処理した。

5つ目は付属書類。箱を開けると保証書や取扱説明書、商品タグは付いておらず、英数字の商品コードらしき紙ペラが付いていただけだった。そのコードを検索しても何も出てこなかった。

以上のことから偽物と判断できたのだ。

疑わしいアイテムを見つけたらどうするのか?

今回の失敗を振り返り、本物と偽物とをどう判別すればいいのか、考えてみよう。

(1)収納ケースも含め、部品に違いがないか。
(2)ブランドの刻印やタグが付いているか。
(3)サイズに大きな違いはないか。
(4)コーティング加工や適切な処理はなされているか。
(5)保証書や取扱説明書など大事な書類が付いているか。
(6)出品者が「個人ではなくショップ」かどうか。

以上がチェックすべき項目である。筆者としてポイントは、個人の売り手だと並行輸入品もあるため、全商品が項目に当てはまるわけではないが、気になったら購入する前に販売者に質問し、気になったら追加写真を見せてもらうなど徹底してチェックすべきだろう。

どうしても解決できない場合は消費者センターへ相談

最終的に、ササクレがあったりコーティング加工がされていなかったりと難はあるが、使えないわけではないので、とりあえずこのまま使ってみることにした。しかし、20,000円は安い金額ではないので、自分にとっては痛い教訓となった。

人によっては、「いやいや、高い金を払って偽物を買うなんてありえない!」と感じる人もいるだろう。そんな人は、消費者センターに相談することも視野に考えてもいいだろう。必ず返品できるとは限らないが、通報しておくことで他の人が同じ手口に引っかからないように注意喚起にもなる。

近年では転売ヤーの増加により、不当な金額で商品が売買されるケースが後を絶たないが、それ以外にも今回のような偽物の販売も行われている。欲しい商品が出たからといって、むやみに手を出さないようにしよう。

消費者センター「コピー商品・偽ブランド品・偽造品に関する情報
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141016_1.html

【文/撮影】小川迪裕
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
『ロウホウ』代表。雑誌やWEBメディアの編集、ライティングを行うほか、企業やブランドのコンテンツディレクションも請け負う。得意ジャンルはキャンプ、ファッション、ガジェットで、気になったものがあれば懐具合を見ずに購入してすぐにレビューする。

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※この記事は2021年の記事を再編集して再掲したものです。


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