手間いらずのワンタッチテントが注目を集めている!
広げて、カチッと部品をつけて、ペグダウンするだけ。これで設営時間はたったの1分!
こんな簡単に設営できるテントが「ワンタッチテント」。すでにポールがテント本体についている状態なので、ポール部品同士を連結する必要はなく、ポールを中央のスリーブに通す手間もないのが魅力だ。
今回は、そんなワンタッチテントを主力に販売する日本のアウトドアブランド「クイックキャンプ」のソロテントを使い、その魅力や気づいたことを紹介する。
「クイックキャンプ」ってどんなブランド?
岐阜県のeSPORTSという会社が手がける、オリジナルのアウトドアブランド。手間がかからず、手軽で、しかもデザイン性もあるギアを数々輩出し、初心者を中心にファンを獲得。今では全国のアウトドアイベントに積極的に出店し、知名度もあげている。
使用したテントはこちら!
今回使ったクイックキャンプのテントは「ビートルテント1」というソロテント。耐水圧は3,000mmをマークし、ダブルウォール構造で結露による濡れを防止してくれる。
収納サイズは52×17cmで、スノーピーク「マルチコンテナS」と比べるとやや長い印象。決してコンパクトではないが、「荷台幅から左右15cm以内」というバイク積載の基準をクリアし、重量も約3kgなのでツーリングテントとしては便利そう。
実証! クイックアップテントを設営してみた
収納袋からテント本体とフロントポール、ペグを取り出す。「あれ、ポールはないの?」と思う人もいるかもしれないが、ポールはすでに本体についている状態。これが手軽さの理由だ。ただ、フロントポールのみあとに別でつける。
では、さっそく設営してみよう。最初に本体を広げる。すでについているポール2本は折りたたまれている状態で、広げていくうちにポールが伸びていく。
次に本体トップを持ち上げる。その際、「ハブ」と呼ばれる天井の収束部品をもち、押し下げてカチッと接続する(筆者は上下の部品を持ち、寄せるようにして接続)。
気をつけたいのが、フライシートのトップ部にあるフックをハブの底に引っかけること。これによってテント内の空間が広くなるのと、雨風などによる耐久性の向上になるので、忘れないように。
フロントポールを接続し、フライシートのフックをポールに引っかければ完成。最後に場所が決まったらペグダウンして固定する。
大まかな行程としては広げる→カチッとつける→フロントポールをつける→フックを引っかける→ペグダウンする、の4つ。
これで設営時間はわずか1分! いろんなテントを設営してきたが、過去最高記録かもしれない……。
ビートルテント1のディテールをチェック
ビートルテント1のサイズは、長さ約230×幅約90×高さ約90cm。出入口は1箇所のみで、フロントではなく後ろ側にあるのが特徴。ラウンド型で開け閉めが容易になっている。
ベンチレーションは全部で3箇所ついており、ガイロープを引っ張って開く構造。内側にメッシュパネルがあるので、開いた状態でも虫が中に入る心配はない。
このテントの魅力は、フライシートとインナーテントが元々ついている状態で、わざわざ取り外さなくてもそのまま設営・撤収ができるところ。
これはヒルバーグ「ソウロ」と同じ構造で(詳しくはそちらの記事を参照)、両者をくっつける時間が省けるので時間を一気に短縮できる。ズボラな性格の筆者にはとても便利に思えた。
インナーテントの中を見てみよう。サーマレスト「Zライトソル」がちょうど入る広さで、奥はAnker「PowerHouse」が置ける広さがある。ここに最低限の荷物を置いて、バッグなどは前室に置いておくといいだろう。
隅にはメッシュポケットが3つあるので、スマホや腕時計といった小物を収納できる。ただ実際に入れてみたところ、結露が出た際にポケットに入れていた小物が濡れていたので、水に弱いものは避けたほうがいいかもしれない。
ビートルテント1を使ってみて気になったところ
実際にテントを使ってみて気になったのは以下の2点。
フットプリントがない
テントを使う際に必要なフットプリントが、ビートルテント1には存在しない。そのため、自前で用意する必要がある。床面の素材はビニールではなくポリエステルオックスフォードなので、シートがないと若干中に染み込むかもしれない。
ちなみに、自分はヒルバーグ「ソウロ」のフットプリントを使った(ジャストサイズ!)。
上に被せるものがないとフライに水たまりが……
実は、台風18号が接近していたときにこのテントを使用! 幸いにも特に被害はなく、テントも壊れることなく無事に過ごすことができた。
しかし、フライシートを見てみるとちょっとした水たまりが点々と残ることに気づいた。テント内に染み込むことはなかったが、構造上落ちずにたまってしまうようだ。
これが気になるようであれば、上にタープなどを張ってカンガルースタイルにするといいかもしれない。
個人的には「あるとうれしい」を感じたテント
気づいた点はいくつかあるが、過去使ってきたテントのなかでいちばん設営・撤収がラク。仕事でよくテント泊をする筆者にとって、この手軽さはとてもうれしい。
カラーも他のキャンプ道具に合わせやすいので、ソロキャンプからグループキャンプまで幅広く使えそう。ソロテントをお探しの人は、一度このビーグルテントを使ってみたはいかが?
クイックキャンプ「ビーグルテント1」アイテム詳細
価格:オープン価格
展開サイズ(外寸):約230×90×90
収納サイズ:約52×17×17cm
重量:約3kg
耐水圧:3,000mm
商品の詳細はこちら
https://quickcamp.jp/allitems/tent/QC-BEETLE1/
撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。