グランストリーム代表/大瀬志郎さんインタビュー その2
日常にフェザークラフトを取り入れたかったから、退職し、移住を選んだグランストリームの大瀬志郎さん。
東京で働いていたころから海辺の町、茅ヶ崎に暮らし、毎日2時間以上かけて通勤していた。
そして移住地も、水の近いところを探した。
c エイアンドエフを辞めてからは、どんな仕事を?
大 エイアンドエフからフェザークラフトを仕入れて、西日本で販売してた。
c フェザークラフト専門店?
大 そう。フェザークラフトだけ。
ウェブで売って、届けに行ったときに組み立て方を教えて。
c エイアンドエフを辞めて、すぐに移住?
大 1年くらいは辞める前に住んでた茅ヶ崎でそのまま暮らしてて、移住先を色々探してた。
c 探してたのは、琵琶湖近辺?
大 徳島県の宍喰っていうところ。とにかく田舎へ行きたかった。
ライフスタイルチェンジしたいときって現実が見えてなくって、結構無茶なことばっか考えてた。
家なんてすぐ見つかると軽く思ってたけど、現地に足を運んでも、全然みつからない。
どこの馬の骨ともわからない人間に、家を貸さないよね。
人づてもないし、お金もないし、だから信用もない。
まあ、頑張ればたぶん何とかなったと思うけど、ちょっと難航したらすぐに心が折れた。
c 家探しがこんな難しいなんて、思ってもみなかった?
大 まだアマちゃんだったから。大卒ですぐサラリーマン。なにも経験してないじゃん。
家探しに難航して、徳島県から滋賀県に変えた。
c なぜ滋賀県に?
大 子供も小さかったから、とりあえず実家の近くの空き家を探して入った。そこが大津で、6年間住んだ。
c フェザークラフトが売れると、大津からお届けに行くの?
大 売れなくても、問い合わせがあれば試乗だけでも行く。鹿児島とかまでも行ったね。
c 売れずに試乗だけってパターンもあった?
大 そりゃ、あるよね。
でもそれは、しゃあない。マグロ漁師が、かかった獲物をバラしちゃうのと同じ心境やね(笑)。
c なぜ大津から、現在のマキノ町へ?
大 大津の家も琵琶湖に近かったけど、仕事ではほとんどマキノ町まで来てたんだよね。
琵琶湖は南へ行くとロケーションはよくないし、水もそんなにキレイじゃない。
ジェットスキーも多いし、バスボートも多い。
だから試乗とかスクールは家から近いとこじゃなく、最初のころから琵琶湖の北側に来てやってた。
c 琵琶湖の北側はキレイ?
大 キレイだし静か。高島が1番よかったから、そのキャンプ場に来るようになったんだよね。
名古屋とか北陸地方からのアクセスだと、琵琶湖の北側の方が近い。
c エイアンドエフを辞めて、フェザークラフト販売だけで生活していけると思った?
大 そこはまったく計算してなかった。それは本当に若気のいたりというか。
まあ、だからこそ迷いもなく、何の策もないけどフェザークラフトだけでやっていこうって思えた。
c フェザークラフトだけにしたかったの?
大 そう。エイアンドエフにいたら、ほかの仕事もしなきゃいけないし。
c フェザークラフトの何がそんなによかったの?
大 ブランドもよかったし、作ってる人もよかったし、製品もよかった。
フェザークラフトを通して面白い人たちと出会えるし、フェザークラフトの旅も面白かった。
面白いことだらけだから、とにかくそういう面白いことで人生を埋め尽くしたかった。
c マキノ町の家はすぐに見つかったの?
大 全然見つかんない(笑)。
休みがあると家探しににきて、2年ぐらい通った。不動産屋に行っては地形とか、立地とか全部見て。
c いまの家はすぐに気に入ったの?
大 気に入ったっていうより、選択肢がなかった。
c 2年も探して?
大 ここしかなかった。だから、すぐに決めた。
c その物件は古民家?
大 ただの古民家じゃなくて、ボロボロの古民家。
人が住んでなかったから、中までもうボロッボロ。コウモリの棲家になってるし、誰かが勝手に侵入してるような形跡もあるし。
家を見に行って、1週間後にまた来てみたら、その間の日付のコンビニ弁当のゴミが家の中に落ちてた(笑)。
c でも、いまとなっては超アタリ物件?
大 そう! 庭に琵琶湖の源流になる清水が流れてて、そこではワサビも育てられて、溜め池で知り合いが釣ってきたイワナも飼ってる。
c ワサビは最初から自生してたの?
大 ちょっとだけ生えてて、それを増やしていった。
c 土地の広さは?
大 上の畑もあわせると400坪。下には母屋があって蔵もあって、上には畑があって小屋がある。
畑は奥さんのテリトリーだから自分はなにもやらないんやけど、なんか嫌なことがあるとワサビ畑の雑草抜いたりして、抜き終わったころには気持ちも落ち着いてる。俺にとっては、すごい清浄効果が高いの。
ついに家も見つかり、滋賀県高島市マキノ町に根を下ろした。
シーカヤックガイド・グランストリーム代表/大瀬志郎さんインタビュー その3
グランストリーム
滋賀県高島市マキノ町海津605
電話 0740-20-2620
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