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驚きのルーツまで!プロが教える「小川張り」の設営方法動画解説

キャンパーの間で話題の”小川張り”をググってみた!

あるとき、「テントとタープの組み合わせで、いろいろな小川張りをキレイにやれないですかね⁇」なんて質問がやってきた。

そもそも”小川張り”が何のことなのかわかってないのだけれど、「テントとタープの組み合わせで」というところにヒントが隠されていた。

テントとタープの組み合わせ・・・、単にテントとタープを張るのではなく、きっとテントとタープを合体させて張ることを”小川張り”と呼んでいるのだと推理する。

果たしてその”小川”は、”小川張り”の張り方を発明した”小川さん”なのか、それとも・・・・。

張り方を発明した”小川さん”を探し出すのはちょっと大変そうだけど、その前に”小川張り”が本当にテントとタープを合体させて張ることなのか確かめるべく、”小川張り”をググってみる。

すると出てくるわ、出てくるわ、”小川張り”のオンパレード。

どうやら”小川張り”の”小川”は、張り方を発明した”小川さん”ではなく、”小川キャンパル”の”小川”だということが判明。

ここで最近キャンプをはじめたという人に向けて、ちょっとしたウンチクを入れ知恵します。

現在「小川キャンパル」から『ogawa』ブランドを受け継いだのが「キャンパルジャパン株式会社」。

「小川キャンパル」は、「小川テント」から分社したテントメーカーで、設立は2000年。そして、「キャンパルジャパン」は2015年から「小川キャンパル」から事業譲渡という形で100年以上の歴史を持つ『ogawa』ブランドを引き継いでいるのです。

「ogawa」担当者に直撃 小川張りのルーツとは?

そんなわけで、cazualで「小川張り」の企画を進めるにあたって、ogawaブランドを展開する「キャンパルジャパン」に直接おうかがいしました。

cazual「小川張りって、キャンパルジャパン株式会社が正式に公表している張り方の名前なんですか?」

ogawa担当者(以下、ogawa)「いいえ、違いますよ」

cazual「一部のキャンパーでは、小川張りなる呼ばれ方をしているのはご存知で?」

ogawa「もちろん知ってますけど、なぜそう呼ばれているか、誰が言い出したのかは私たちも把握していません」

cazual「小川張りって、小川キャンパルのテントとタープを使わなければできない、特別な張り方なんでしょうか?」

ogawa「そんなことはありません。うちの商品の『システムタープヘキサDX』のセッティングテープを使えば、簡単にテントとタープを合体させられるということなだけで・・・」

cazual「そのセッティングテープって?」

ogawa「小川キャンパル設立の2000年に、”プロジェクトf”というシリーズをリリースして、そこでシステムタープヘキサが誕生しました。そのタープに付属していたアイテムなんですけど、セッティングテープ(発売当時の名称はスクラムセッティングテープ)とは、ポールを挿し入れるタープエンドの穴を延長できるテープです」

cazual「僕ら勝手にタープの尻尾って呼んでた、あのテープがセッティングテープなんですね。ところでプロジェクトfっていうのは?」

ogawa「プロジェクトfの『f』は、フリーなのか、フレキシブルなのか、フィットなのか。当時を知るスタッフが少ないので、いまとなってはよくわからない状態です(笑)」

cazual「でも、そのときどきで『f』の意味合いを変えるくらいユルイほうが、いいですね(笑)」

”小川張り”は”プロジェクトfシステム”だった!?

ogawa「プロジェクトfシリーズは、『システムタープヘキサ』とドームテント『N-4』を1つずつリリースしていました。結局、このシリーズは2〜3年で閉じてしまったのですが、当時のカタログで、そのタープとテントを組み合わせた張り方を提案していたんです」

cazual「まさか、それが小川張りの原点!?」

ogawa「そうなると思います。2000年ごろは、オートキャンプも一時の盛り上がりが落ち着いてしまっていました。小川キャンパルはテントメーカーとしていろいろなアイデアを提案して、キャンプシーンを盛り上げたいという気概を持っていたんだと思います。それで、狭いテントサイトでも快適なタープとテントの張り方を模索した結果、テントとタープを一体で設営することに行き着いたのです」

プロジェクトfシリーズのアイテムが掲載された2000年当時の小川キャンパルのカタログ

cazual「連結して組み合わせて設営することで、省スペースかつ居住性を高めることができるということですね」

ogawa「いまでこそ”小川張り”と呼ばれていますが、当時のカタログでは、fシリーズのドームテント『N-4』と『システムタープヘキサ』とを組み合わせた設営方法のことを”プロジェクトfシステム”とうたっていました(笑)」

cazual「”プロジェクトfシステム”・・・。初めて聞きました! なんとも大仰なネーミングですね」

ogawa「会社の人間でもこのことを知っているスタッフは少ないですよ(笑)」

カタログでは「プロジェクトfシステム」としてテントとタープの一体設営を提案している。

cazual「プロジェクトfシリーズは2〜3年しか展開しなかったということですが、それを見たキャンパーの方々がその設営スタイルを取り入れて、いまでは小川張りとして親しまれている訳なんですね」

ogawa「ありがたいことにそうだと思います。プロジェクトfシリーズとしての展開はすぐにやめてしまいましたが、そのときにリリースしたシステムタープだけは、その後も販売が続いています。われわれとしては、以降のカタログやHPなどで、一度も”小川張り”という言葉を使ったことはありません。気に入ったキャンパーさんたちが、ブログとかSNSとかでテントとタープの一体設営のやり方を”小川張り”として発信したことで、今のように広まったんだと思います」

cazual「”プロジェクトfシステム”という呼び方は定着しなかったけど、設営のスタイルは脈々とキャンパーの間で受け継がれていたっていうのは面白いですね」

小川張りの手順をおさらい!

ということで、「小川キャンパル」の公式名称でないことも判明しましたが、せっかくなのでピスタ34システムタープヘキサDX を使って、”小川張り”をご紹介。

ピスタ34(3〜4人用シンプルドームテント)
■重量 幕体:約4.0kg、ポール:約1.9kg  
■素材 フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) 内幕:ポリエステル グランドシート:ポリエステル210d(耐水圧1,800mm) ポール:6061アルミ合金  
■パッキング 62×22×22cm  
■カラー ブラウン×サンド×レッド
■付属品 ペグ、ピン、張り綱、ハンマー、収納袋
詳細はこちら

小川張りの手順をおさらいすると、

STEP1

タープを立てる

STEP2

タープエンドからポールまでの間にテントを挿し込む

これでOK。難しいことはありません。

キャンプビギナーが小川張りにさっそく挑戦!

はじめてでも、きちんと教われば、タープは一人で張れます。このタープエンドからポールまで伸びているのがセッティングテープです。

cazualからは、はじめて”小川張り”に挑戦するスタッフを動員。

それでも簡単に張れて、しかもテントの前室とタープが直結しているので雨から逃げられるスペースがより広くなるというメリットがある”小川張り”。

さらにタープの一方がテントになるということは、風向きを計算に入れてテントでブロックし、風にも強いキャンプサイトが作れるという、もしや夢のようなセッティングなのかも!

張り綱のエンドを全部ペグで仮止めして、風で飛んでいかないようにするのが一人張りのポイントです。

立ち上がったら、張り綱のテンションを調整すればタープの完成。

システムタープヘキサDX
■重 量/約5.5kg
■素 材/幕体:ポリエステル210d (耐水圧1,800mm) ポール:ALラチェットポール(220~250cm×2本) セッティングテープ:200cm(ハトメ:50cm間隔)
■パッキング/75×15×15cm
■カラー/ブラウン×サンド×レッド
■付属品/ペグ、張り綱、ハンマー、セッティングテープ、収納袋
詳細はこちら

先にテントを立てておきましたが、タープが先でもまったく問題ないと思います。

タープのしっぽ部分にテントを差し込むため、せっせと運びますが、テントはさすがに2人で運び入れました。

なんのことはない、「小川張り」って、テントとタープの組み合わせでリビング空間を有効にする、初心者でも簡単な「便利張り」だったんですね。

後ろから見れば、タープからしっぽ、セッティングテープが伸びているのが、よくわかります。

ピスタ34の高さに合わせて、タープをちょっと低めに張っているけれど、それでも十分な高さがあります。

小川張りの特徴は、テントとタープの一体感ですね。

小川張りの手順を動画でおさらい

小川張りに対して、「難しそう」「面倒くさそう」との印象を持っている方もいるかもしれないので、動画でおさらいしてみましょう。これを見れば、なんのことはない、タープの張り方の一種ということがわかります。

小川張りアレンジ テントを2つにして2家族張りに挑戦!

ピスタ34とシステムタープヘキサDXで小川張りをしましたが、ここでさらにステイシーST-2 を加え、2家族張りと呼ばれる1つのタープに2つのテントを張ってみます。

向かって左側のテント
ステイシーST-2(2〜3人用ドームテント)
■重 量/幕体:約2.7kg、ポール:約1.2kg
■素 材/フライ:ポリエステル75d (耐水圧1,800mm) 内幕:ポリエステル グランドシート:ポリエステル75d (耐水圧1,800mm) ポール:7001アルミ合金
■パッキング/44×21×21cm (フレーム折り寸40cm) 
■カラー/ブラウン×サンド×レッド
■付属品/ピン、張り綱、セルフスタンディングテープ(前室部)、収納袋
詳細はこちら

テントを2つ入れるために、タープポールを追加して、タープの片側を跳ね上げて空間を作りました。

ポールの追加は、全部で2本。合計4本のポールを使ってます。

実は簡単! セッティングテープなしで大型テントとターブの小川張りにチャレンジ

ここでさらに大型キャンプを想定して、アイレフィールドタープレクタL-DX のテントタープの組み合わせに、ピスタ34とステイシーST-2 を加え、3家族張りと呼ばれる1つのタープに3つのテントを張ってみます。

セッティングテープはシステムタープヘキサDXにしか付属していないので、今回の小川張りチャレンジではカラビナとロープで代用。ロープの一方の端にカラビナをつけ、それをタープにつなぎ、もう一方の端はポールに取り付けましょう。

今回の代用テクは上の動画を参考にしてください。ググるとセッティングテープを自作している方も多いですが、これで十分に設営可能です。

レクタタイプのタープを使うと、ポールを足したりタープ自体の張り方もいろいろとアレンジしやすいです。

アイレ(6人用ドームテント)
■重 量/幕 体:約8.2kg ポール:約3.3kg
■素 材/
・フライ:ポリエステル 75d(耐水圧1,800mm)
・内 幕:ポリエステル 68d
・グランドシート:ポリエステル 210d(耐水圧1,800mm)
・ポール:6061アルミ合金
■付属品/張り綱、ハンマー、ピン、ペグ、収納袋
■カラー/ブラウン×サンド×レッド
■収納サイズ/75×35×27cm
詳細はこちら

大型タープを使ったので、複数テントを合体させた3家族張りもできます。

どうです? グループキャンプにもおすすめです。

3つのテントが入り口で向かい合わせになり、とても使い勝手のいい張り方です。

3つのテントの真ん中に、たっぷりの日陰を作ってくれる大型のタープ
フィールドタープ レクタLーDX
■重 量/約13.0kg
■素 材/幕体:ポリエステル210d(耐水圧1,800mm) ポール:スチール(270cm×2本、180cm×6本)
■パッキング/ 80×24×24cm
■カラー/ブラウン×サンド×レッド
■付属品/ペグ、張り綱、ハンマー、収納袋
詳細はこちら

 

この夏、初心者の方もぜひ本家”小川張り”に挑戦してみてください! ちなみに、”小川張り”をキャンプ場でやってみると、通なキャンパーさん達の視線を集めることになりますよ〜。そして、声をかけられたときには「実は”小川張り”って、もともと”プロジェクトfシステム”って言われてたの知ってます?」なんて、トリビアを披露してみてはいかがでしょうか?

取材・撮影/cazual編集チーム

 

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