シモキタからヒロサキへ フツーに暮らすカップル
4月からNHKの朝の連続テレビ小説は「ひよっこ」に変わりましが、YOUTUBEで面白そうな連続小説を見つけた。
タイトルはずばり連続移住小説「ヒロとサキ」。
物語の舞台となるのは青森県弘前市。移住小説というだけあり、東京・下北沢から移り住んだカップルが弘前市の生活に徐々になじんでいく様子を描いている。
”地方移住”と聞くと、自給自足をする田舎暮らしを思い描きがちだが、実際の移住は案外そういうものでもない。コンビニやスーパーもない”ザ・田舎”ではなく、チェーンのレストランや大型ショッピングモールもある、いわゆる地方都市に行くケースが多い。ただ、東京より自然が近くて、人との距離感が近いだけで、生活がドラマチックに変化することは少ない。
そんな移住のリアルと描いているのが連続移住小説「ヒロとサキ」だ。ドラマの宣伝文句にも”笑いも驚きもなく、弘前の日常の幸せに光を当てた移住PR動画”とある。
連続移住小説「ヒロとサキ」のあらすじ
東京・下北沢で3年半、一緒に暮らしてきたヒロとサキが、弘前に移住する物語。
1話では、故郷・弘前に戻ったサキを追って下北沢から移住を決意するヒロを描き、2話では、弘前での暮らしをスタートした2人の仲睦まじい姿を、3話では街に出かけたヒロとサキが、古くからの市場や個性豊かな雑貨店などを巡り、徐々に仲間を見つけていく姿を描いている。
そして、4話では、ねぷたづくりに初めて参加するヒロを温かく受け入れる市民の様子を、5話では2人に赤ちゃんが生まれ、地元に伝わる「こぎん刺し」を楽しむサキの姿が丁寧に描かれている。
移住後の暮らしが想像しやすい 静かにエモーショナルだ
連続移住小説「ヒロとサキ」はドラマチックじゃないし派手な動画ではない。ただ、淡々としているがゆえに胸に迫るものがある。
家賃が安かったり、食材は新鮮な地元の野菜が手に入ったり、地方暮らしならではのメリットはきちんと描かれている。それだけでなく、雑貨店やカフェ、バーも登場するなど、都会でも楽しんでいた遊びの部分も盛り込まれている。さらに、ねぷたやこぎん刺しなど、弘前特有の伝統文化も登場し、弘前で暮らす面白さ、魅力がきちんと伝わってくる。
いまの暮らしを弘前に当てはめたらどうなるか、想像しやすい動画だと感じた。
弘前市の移住情報は市のHPまで。
連続移住小説「ヒロとサキ」の動画はこちら
「1話・下北沢のヒロ」(1分40秒)
東京・下北沢で3年半、一緒に暮らしてきたサキは、ヒロにとって唯一無二の理解者だった。別れて初めて実感する。行きつけのブックカフェで読む、弘前のサキから来た手紙。「弘前で待っています」の言葉が目に飛び込んできた。
「2話・アップルパイな午後」(1分17秒)
弘前で2人が住んだのは、岩木山がドーンと見える一軒家。長く空き家だった親戚の家だ。「借りてくれるだけでもありがたい」と家賃はかなりの格安。平屋だが、広々している。ヒロはアトリエで作品づくりに没頭。サキは台所でアップルパイを焼く午後のひととき…。
「3話・代官町で待ち合わせ」(1分34秒)
2人の弘前暮らしが始まって1年。自然もあるけど、街にはこだわりの雑貨店やカフェ、バーなどがあり、個性豊かなUターンやIターンのオーナーも多い。人との距離がぐっと近づいた。おいしいお酒と地元野菜を買って、夕飯のメニューを考えながら歩く散歩道が楽しい。
「第4話・祭りの夜、ねぷた」(4分4秒)
弘前の夏。毎日のように、宵宮(よみや)といって、どこかの神社が小さなにぎわいを作っている。そんな中、ねぷたまつりが近づくと、町内会ごとに1つ、2つとねぷた小屋が建てられ、子供たちも笛や太鼓の練習に励み、祭りムードは一気に盛り上がる。ヒロは、真冬のうちから「今年はどんな絵にする?」などと準備を重ねてきた近所の人たちの姿を見てきた。「自分もねぷたづくりに加わりたい」。いよいよ、勇気を出して、小屋の中へ…。
「第5話・こぎん刺しのスタイ」(3分47秒)
ヒロとサキに赤ちゃんが生まれた。少し前から「こぎん刺し」教室に通っていたサキ。先生や仲間たちに自慢できる一品を、と赤ちゃんのスタイづくりに夢中です。江戸時代、津軽の農民は木綿の衣類が許されず、女性たちは麻の衣類を少しでも「温かく、丈夫に」するため、木綿の糸を刺しました。そんな家族愛から生まれた「こぎん刺し」を楽しむサキの周りで、さっきから探し物をするヒロは…。
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こぎん刺しに触れられる「こぎんフェス」
動画のなかにも登場する青森の伝統文化のこぎん刺し。弘前市では、毎年「こぎんフェス」という、プロ・アマ問わず、自作のこぎん作品を出店できるイベントが行われている。第6回となる今年は、2017年4月28日(金)、29日(土)、30日(日)の3日間、開催予定。こぎん刺しワークショップも行われるなど、多くの人が集まるイベントとなっている。ちなみに、こぎん刺しをきっかけに移住した人もいるほどだとか。
詳細はHPまで
http://kogin-fes.net/
text:george
【PROFILE/george】
茨城県東海村出身の32歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。4年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条