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【青森県黒石市】江戸時代の木造アーケードを巡る!中町こみせ通りの魅力7選

「日本の道100選」に選ばれた歴史的町並み

青森県のちょうど中央部に位置する黒石市。そこには「中町こみせ通り」というエリアが存在します。もともと商家(商人の家)が並んでいた街道で、今もなお当時の面影を残している「日本の道100選」の1つです。

注目すべきは道路の両側に連なる、木製のアーケード。

このアーケードこそが「こみせ」であり、夏の強烈な日差しや、冬の吹雪から歩行者を守るために設置されているのです。このような江戸時代から残るアーケードがまとまった形で現存しているのは、全国でも中町こみせ通りだけ。

今回は、歴史的価値の高さから「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された、中町こみせ通りの見どころをピックアップします。

ガイドマップがそろう! 観光の拠点となる「松の湯交流館」

中町こみせ通りを訪れた際に、まず立ち寄ってほしいのが「松の湯交流館」。昔は銭湯として利用されていた施設で、屋根を突き破るように伸びる松の木がシンボルです。

施設内にはきれいなトイレを設置しており、伝統的な和室を再現した無料休憩所も併設されています。さらに町歩きのガイドマップや、黒石市の広域マップなどがまとめて置かれており、エリアの観光に関わる情報をまとめて手に入れられます。

疑問や相談があれば施設のスタッフが親切に対応してくれるため、観光の起点として利用しましょう。

築270年以上! 春から秋は喫茶店! 国指定重要文化財「高橋家住宅」

中町こみせ通りにある観光スポットのなかで、ひときわ長い歴史を持つのが「高橋家住宅」。1700年代中ごろに建築された築270年以上の家屋であり、昭和48年に国の重要文化財に指定されました。

藩政時代には黒石藩御用達の商家として米殻を扱っていたことから、屋号は「米屋」。当時使用されていた蔵が、そのまま残っています。現在は14代目の当主が管理しており、春から秋の終わり頃にかけて、喫茶店として営業中。

井戸水で抽出したコーヒーと手作りあんみつが人気で、裏手にある庭園で味わえます。

“こみせ美術館”として開放している「西谷家」

もともとは呉服屋を営んでいた「西谷家」。重厚感のある、立派なたたずまいが印象的な家屋です。現在は“こみせ美術館”として、こけしや古い農機具など、黒石市の伝統を展示しています。

敷地内に庭園があり、展示物の味わいと日本庭園の風情を一緒に楽しめるのが西谷家の特徴。ただし、1年中開放しているわけではありません。見学をしたい場合は、事前に問いあわせをしておきましょう。

地酒ならここ! 大きな杉玉が目印の「中村亀吉酒造」

遠くからでも見える、大きな杉玉がシンボルの「中村亀吉酒造」。

大正2年(1913年)創業の酒造店で、1986年放送のNHK大河ドラマ「いのち」の舞台にもなりました。 中町こみせ通りがある地域は、米の品質がよく、八甲田で磨かれた伏流水が手に入る場所。

そこで生まれた「亀吉」ブランドの日本酒は、県内・県外問わず大人気。すっきりとした辛口の味わいが特徴です。地酒の購入のほか、試飲や酒蔵の見学もできます。

大石武学流庭園を見学できる「鳴海醸造店」

中村亀吉酒造とともに、ぜひ立ち寄ってほしいのが「鳴海醸造店」。

築200年以上を超える「鳴海家住宅」で、今も営業している酒造店です。市の文化財に指定されています。ここでは「菊乃井」という日本酒が有名。キレのある味わいは、亀吉と同様、県内・県外問わず多くのファンがいます。

店の裏手にある庭園は、国登録記念物。そして津軽に点在する「大石武学流庭園」の1つです。店内から見学できるため、立ち寄った際にはお店の方に声をかけてみましょう。

ここ鳴海醸造店でも、酒蔵の見学やお酒の試飲が可能。貴重な体験ができる酒造店です。

各種お土産を取りそろえる「津軽こみせ駅」

お土産を買うなら「津軽こみせ駅」へ。現地の特産品や工芸品などを、数多く取りそろえています。時期によっては各種イベントが開催され、地元民や観光客が集まるスポットに。生の津軽弁を、間近で聞くことができます。

津軽こみせ駅の正面にバス停もあり、なにかと便利な施設です。松の湯交流館とともに、観光の拠点として利用できます。

名物ご当地グルメ“黒石やきそば”の人気店「すずのや」

黒石市のソウルフードといえば、黒石やきそば。

中町こみせ通りには黒石やきそばを提供する店舗がいくつかあり、なかでも人気なのが「すずのや」です。すずのやでぜひ味わってほしいのが、黒石やきそばをスープのなかに入れた「黒石つゆやきそば」。

ちょっとイロモノ感がただようものの、じつは昭和30年代から親しまれているご当地グルメです。初めて食べるときは、食感も味も何もかもが新鮮に感じられるはず。黒石市の文化を語るうえでは、欠かせない一品です。

すずのや以外にもおいしい料理を提供する飲食店が点在しているため、それぞれが提供するメニューを調べてからお店を決めるといいでしょう。

ほかにも見どころが多い黒石市

全国的にも大変貴重な、重要伝統的建造物群保存地区の1つ、中町こみせ通り。古い町並みが好きな人にとって、非常に魅力的な観光地です。安全に歩行できるように道路がしっかり整備されており、子どもからお年寄りまでがゆったりと散策できます。

夏には「ねぷた灯篭」や「黒石よされ」、秋には「黒石こみせまつり」など、季節のうつろいを感じさせるイベントも。逆にイベント開催日以外は、宿場町のような落ち着いた雰囲気のなかで観光を楽しめます。

そんな中町こみせ通りも、黒石市が持つ魅力のあくまで一部。伝統文化が色濃く残り、自然豊かな黒石市は、観光に訪れるだけでなく住むにも快適な場所です。京都の嵐山にちなんで“小嵐山”と呼ばれる紅葉の名所「中野もみじ山」、“ランプの宿”として全国的に有名な「青荷温泉」など、たくさんの見どころがあります。

地方移住を考えている方は、中町こみせ通りの観光とかねて、黒石市の空気を味わってみてはいかがでしょうか。

写真・文/斎藤純平

【Profile/斎藤純平】

キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。


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