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【宮崎県小林市】東京とのデュアルライフ&カフェ運営を実践する夫婦に見る新しい移住のカタチ/上岡 裕・唯子

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この春、宮崎県小林市に2週間滞在し、プチ移住生活を体験したcazual取材チーム。その滞在中に出会った素敵な人や体験したアクティビティ、実際に住んでみてわかった小林市の暮らし心地をレポートするシリーズ企画を展開中だ。

小林市をさまざまな角度から掘り下げるシリーズ記事の第5回に登場する移住者は、2017年8月に東京から移住した上岡さん夫婦。

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ほかの移住者の方と違うのは、夫の裕さん(33歳)は東京でウェブ系会社を経営していて、小林市と東京を行き来しながら2拠点で暮らしていること。そして妻の唯子さん(28歳)はカフェ「musumi(ムスミ)」を開業し、小林市で生活をしている。

ときに離れ離れで、またときにはひとつ屋根の下で仕事も一緒にする二人。ちょっと不思議な暮らしをする夫婦の移住ストーリーをうかがった。


付き合って1ヶ月で東京を離れると言われて(笑)

cazual編集部(以下、) おふたりは珍しい移住のケースだと思いますが、これまでの経緯を教えていただけますか?

裕さん(以下、) 自分はもともと小林市出身で、こっちの学校を出て東京に行きました。東京は12年ぐらいいましたかね。それで去年、小林市に戻って来たんです。

唯子さん(以下、) 移住は去年(2017年)ですが、一昨年(2016年)から徐々に小林市に来る話が出ていて、それで、移住した後に籍を入れたんです。実は、私たちは一昨年の8月に付き合い始めたのですが、その1ヶ月後には彼から小林市に帰るって言われて(笑)。

 そうそう(笑)。付き合ってまだ1ヶ月なのに、帰ることを考えてるんだって話をしました。

 どうしようって、3ヶ月ぐらい悩みました。

 付き合い始めてすぐだったら、帰ること自体半信半疑ですよね(笑)?

 半信半疑どころか、全部が疑いです(笑)。

 裕さんが小林市に帰ろうと思ったきっかけは、なんだったんですか?

 父が去年、亡くなったんですけど、ガンだったので闘病生活が1年ぐらいありました。その闘病期間中に、戻るのを検討し始めました。

 もともと地方は好きだったので、休みの日にはいろんなところへちょこちょこ遊びに行ったりしてたんです。それで、移住するなら区切り的に4月がよかったので、一昨年の12月に初めて小林市を訪れました。そのときに生活できそうだなっていう実感が得られたので、次に来たときには具体的に住む場所を検討しました。

ただ、2度目に小林市に来たときに物件を決めたんですけど、8月から借りられる契約だったので、それに合わせて移住時期をずらしました。

ネットを駆使して地元の方々が小林のいいものを発信する手伝いがしたい 

裕さんの地元への思いと、唯子さんの目標を実現できるのが小林市だった。東京ではどんな仕事をして、地方ではどんなことをしたかったのか。ふたりには思い描くプランがあった。

 裕さんは東京でどんなお仕事をされていたんですか?

 いろいろとやっていたんですけど、ウェブサイト制作が本業でした。ほかに音楽もやっていて、ライブをしたり、レッスンで教えたり。

 小林市に戻ってきて、どんな仕事をしようと考えていたんですか?

 ウェブサイトの制作はインターネットさえつながっていれば、どこでもできるじゃないですか。なので、別に東京にいる必要はない。逆に、小林市はウェブ制作会社が少ないんですよ。農家さんも、ネット通販でしっかり販路を築いていくって考えがあんまりないように感じます。

小林市にはいいものがたくさんあるので、インターネットを活用してどんどん販路を築いたり、自分たちをブランド化して発信していってもらいたい。そういうお手伝いをしたいと考えていました。

 私は銀座の食パン専門店に勤めていたんですけど、ずっとそこで働く気はありませんでした。地方が好きなので、銀座はちょっと違うかなぁと。

 彼女は西荻窪の古民家カフェを立ち上げたり、銀座の高級パン屋さんで働いたり、ずっと飲食関係で働いていたんです。

 後々は地方で飲食店経営をやりたいと思ってたんです。でもつながりもないし、ただポンと地方へ行って新しくコミュニティを作る自信もなかったので、やっぱり結婚とか何かの機会がないと難しいなと思っていました。そう考えているときに、彼と付き合い始めて、帰るという話もちょうど出てきて。

 裕さんは唯子さんと一緒に、カフェ「musumi」の運営をしようというのは考えなかったんですか?

 そうですね。彼女がカフェをやりたいと言っていたので、それはもうどうぞ、どうぞと応援していました。

 飲食とIT事務所と2つの事業を考えていたので、それを一緒にできるところを探していて、この場所を紹介してもらったんです。

 ここは、コワーキングスペースとしても使えるようにしています。電源とフリーWi-Fiも確保しているので、商談をしたり、ブロガーさんはここで記事をアップロードしたり、仕事場としても使ってもらいたいと思ってます。自分の事務所にも使えるから、それらを兼ね合わせて使い始めた感じです。

 なるほど、ITによるまちおこし支援と、カフェ開業という2つの目標があったんですね。移住するにあたって、地域おこし協力隊は考えなかったんですか?

 2人とも応募したのですが、最終的に辞退させていただきました。

 やりたいことが明確にあって、起業するイメージも固まっていたので、「協力隊にはならずに自分でスタートします」と市に話をして、お断りさせていただいたんです。

 地域おこし協力隊は、将来を模索しながら雇用してもらえる期間っていう制度なのかなと思ってました。でも私たちは小林市でやりたいことが決まっていたし、場所さえ見つかればいつでも始められると考えたんです。

 地域に住みながらその町のことを把握し、課題を見つけ、それを解決していくために起業を目指すのが小林市の地域おこし協力隊と聞きました。おふたりの場合は、かなり明確にアイデアをお持ちだったんですね。

 自分たちには、小林市にゆかりがある。そういう制度は、ゆかりもないサポートのいる方に使われた方がいいかなとも思って。

生活のルーティンに溶けこむような、くつろげる時間を提供したい

唯子さんが開いた「musumi」は着実に根を伸ばし、地域に欠かせない存在となりつつある。移住を検討する人のなかにはカフェを開きたいという人も多いが、実際のところ、どのように営業しているのだろうか。

おしゃれな内装はスタイリストを入れず、自分たちでセルフリノベーションした。

 ここは借りる前、どんなお店だったんですか?

 昔は地元で有名なステーキ屋さんでした。

 ステーキ屋さんのあとに何店舗か入ったんですけど、あまり浸透しなかったみたいです。私たちの前に入られた方がきれいに手入れをしてくれていたので、内装はほとんどそのままです。

 居抜き物件なので、そのままガス水道とかも使える状態だった。だから手間も諸費用もあまりかからなかったですね。

 ただ、カフェを始めるためにセルフリノベーションしました。テーブルやソファを入れたり、照明を変えたり、全部自分たちでやりました。ここがステーキ屋さんだったのを知ってた方もいらっしゃるので「ああ、すごい! あのお店がこんな感じになったんだ」って、よく言われますね。

 すごくおしゃれな店舗ですけど、改装イメージは以前からあったんですか?

 想像していたよりもけっこう広かったので、どうしようかと悩みました。前に改装した経験があるのは古民家だったので、今回も古民家みたいな物件を想像していたんです。でも実際に出てきた物件がここ。借りてからイメージを固めていきました。

 カフェの営業はどういうふうにされているのですか?

 オープンは10時から18時までで、私は9時に来て19時ぐらいまで店舗にいますね。日曜日は定休で、それ以外の月曜日から土曜日まで毎日ずっといます。メニュー全般を私が作っていて、コーヒー豆の焙煎もしています。

手作りのスコーンは200円。自家焙煎のコーヒー豆は浅煎りで、コーヒーが果物の種であることを裏づけるように、フルーティな香りがする。

地方ではコーヒー豆を仕入れられるところがなかなかないので、焙煎も自分でやろうと思って、小林市に来てから始めました。マシーンを使った焙煎を習ったこともありますが、ここでは豆の消費が少ないので手焙煎。だからほぼ独学です。常にコーヒー豆の状態を見ながら火加減をして焙煎してるんです。

 私たち取材チームもプチ移住体験中なので、こっちでコーヒーロースターを見つけて豆を買おうと思っていたのですが、街で店が見つからない。ネットで調べても情報が出てこなくて悩んでました。

 今はコーヒー豆を毎週のように定期的に買いに来てくださる方もいらっしゃいます。

自分が最初、小林市に来たとき、お茶を飲みながらくつろげるお店がないなぁと感じて……。東京だと、何かのついでにお茶に立ち寄ることって本当に多くて、だから必ずどこかにカフェがあるじゃないですか。それは生活のルーティンみたいになっていて、仕事終わりにはどこかで落ち着いて、ちょっとお茶を飲んで帰るっていう感じでした。だからこっちに来たとき、くつろげる時間みたいなものをカフェで提供したいなと思ったんです。

取材陣が購入したグァテマラ産コーヒー豆。

東京時代よりも可能性は広がってますね

東京でウェブ制作をしていた裕さんと、飲食店で働いていた唯子さん。移住後も、お互いに得意とする分野を生かして仕事をしている。その結果、東京と小林市の多拠点ライフを実践している裕さんだが、将来的には九州での仕事を増やして、小林市にいる時間を長くしたいと考えている。

 裕さんは2拠点ライフということですが、具体的にはどのように働いているのでしょうか?

 宮崎と東京を行き来しています。時期によって違いますが、ひと月のうち2週間は小林にいて、そのあと2週間は東京にいるみたいな感じです。東京の事務所はシェアオフィスです。マンションをほかのクリエイターたちとシェアしてて、東京での仕事はそこを拠点にしてます。東京滞在中は妻の神奈川の実家の一間をお借りして、そこから通っています。

 収入面についてもお聞きしたいのですが、地方に移住すると収入は下がるけど、物価が安いのでやっていけるといった話をよく耳にします。実際、宮崎と東京を行き来するようになって、収入面は変わりましたか?

 東京での仕事はそのままあるし、小林市でウェブサイトを作ってほしいといった相談も受けるので、むしろ可能性は広がっています。下がるかなと思ったんですけど、多少ですけど増えていってます。

東京での仕事は、クライアントなどこれまでに築いたものがあります。クリエイター業以外にイベント業もやっているのですが、こちらももう2年ぐらい続けているので、自分がいなくてもバイトさんでもやれるような形になっています。

だから東京での業務はそのまま稼働しつつ、小林での業務を開拓してる感じです。今後は小林市だけでなく宮崎県とか九州地区での事業展開をやってみたいですし、それによっては、さらに収入も上がると見込んでます。

お店の奥に仕切られた部屋があり、ここが裕さんの小林市滞在中のオフィスとなっている。

 ここをカフェだけでなくコワーキングスペースにしている狙いは?

 自分たちの仕事ができる場所の確保というのがまず1つありました。でも単なる事務所にするよりは、カフェも一緒にやれば、そこに集まる人たちと一緒に仕事をしたり、なにか新しいことが生まれるだろうという思いがあったんです。

 なにかの発信の場所になってほしいと思っているんです。誰かと飲食を介して、なにげない会話から新しい発想が生まれたり、そこから新しい仕事が始まったりする。ただの事務所じゃなく、こういう喫茶スペースでたわいもない話をしているうちに「ああ、これやりたいね」とか、そういうのってあると思うんです。

 しかし、現状としては宮崎全体に言えることですけど、コワーキングスペースがあちこちにできていても、ほとんど使われていません。

何より大切なことは、そもそもそこに仕事があるかどうかだと思うんです。「うちにこんな仕事があるんだけど、やってもらえませんか?」っていう話ができる場所になれば、自然に人が集まると感じてます。

 場所を作って終わりではなく、どう運営していくのかが大事ですよね。

 ただ今はコワーキングの場として活発に進めていくというよりは、まずは飲食店としてどのようにしていい感じに使われるかを大事にしています。たとえば、ごはんのついでに仕事の打ち合わせとか。

というのも、彼女がカフェの仕事を頑張ってくれているので、ランチどきはたくさんのお客さんが来てくださいます。お茶しに来たり、雰囲気を楽しみに来たり、まずはそういう方を大切にしないといけないと思っています。

ほかには営業時間外でウェブサイトの作り方講習会や、子ども向けのプログラミング教室をやろうと動いています。

食の豊かさは圧倒的 小林には宝物がたくさんある

唯子さんはカフェの次の展開を見据えて、着実に準備を進めている。苦手なことは裕さんの手を借りながら。得意分野は異なるものの、小林市の魅力を伝えたいという思いは共通だ。

ていねいに入れてくれるドリップコーヒー。開業1年も満たないのにランチどきはすでに人気のお店となっている。

 唯子さんはまったく知らない街でカフェをオープンさせましたけど、小林市をどんな土地柄だと感じましたか?

 すごくあたたかく迎え入れていただきました。お義母さんと一緒にカフェの仕事をしているので、特にお義母さんのつながりで来てくださる方が多くて、そういう方たちは自分の娘のように見てくださる。土地柄なのかわからないですけど、そういうのはすごくうれしいです。

 どういう態勢でカフェは運営されているのですか?

 カフェは、私、お義母さん、義弟さんとスタッフ3人、全員で6人で営業しています。後々の展望としては店舗に私がいなくても営業できて、私はほかの事業を進めることが最終的な目標です。

 次はどんな事業を?

 ネット販売です。カフェの店舗と同じくらいのパワーバランスでやっていきたいと考えています。小林市の農産物を使った加工品や焙煎したコーヒー豆などを販売したりしたいです。でも、まだカフェをオープンさせて1年経ってないので、まずはお店の基盤を整えてからですね。

 今後は、夫婦で何か一緒に仕事をやるという展望はどうですか?

 ふたりで飲食経営というのはないですね。だから私のできないこと、苦手な部分をやってもらえたらと思っています。たとえばさっきのネット通販とかですね。

 小林市はおいしいものとかすごい宝物がたくさんあるのに、埋もれている状態なんです。おいしい湧き水で育ったクレソンなんかも、その地域のお店に並べてるだけ。結局売れ残って「コレあげるよ」って感じで配ってしまっている状態で……。

そういうものの販路を築くだけじゃなく、きちんとプランニングして販売していく。もし自分たちが東京にいたときに、そういう食材が買えたならほしかったよねって、よく話をします。

 東京では高くて買えないようなものが、小林市では数百円で売ってたり、食の豊かさは圧倒的です。百笑村という産直市場に行くと「こんないっぱいなのに、こんなに安いの?」ってテンションあがっちゃうんです。でも、こっちにいる人だとそれは当たり前のことだから、なかなかわからない。移住者だからこそ気づいたことだと思います。毎日おいしい野菜が食べられるのが当たり前になったことが、今はいちばんうれしいですね。

インテリセンスが光る「musumi」。かつてステーキ屋さんだったことを知るお客さんは、内装の変貌ぶりに驚くという。

都会にないけど小林市にあるものは、移住者だから見つけやすい。

都会にあるけど小林市にはないものは、ないから作ればいいとポジティブに考えている。そこに需要があると直感を信じて。

カフェはオープンして1年未満。まだまだ夢は広がっていく新婚のおふたりでした。

裕さんはふだんキッチンに立つことはないそうだが、せっかくだから並んでもらった。ちょっぴり照れたような表情が印象的。

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■プロフィール

上岡 裕(かみおか ゆう)さん

1985年、宮崎県生まれ。東京で暮らしたのち、仕事と拠点を東京に残しながら小林市にUターン。月のうち東京で2週間、小林市で2週間というデュアルライフを送っている。株式会社「ミライガタリ」の代表取締役。

上岡 唯子(かみおか ゆいこ)さん

1990年、神奈川県生まれ。古民家カフェ立ち上げの経験を持ち、小林市に移住後、カフェ「musumi(ムスミ)」をオープンさせた。ほぼ独学でコーヒーローストを習得し、自家焙煎豆のコーヒーをカフェで提供。

施設インフォメーション

■musumi(ムスミ)

自家焙煎しているコーヒーには熱心なファンも多い

裕さん考案の自家製ガラムマサラ、ココナッツ、トマト、玉ねぎペーストなどを使って作るフレッシュカレーも人気。米粉を使ったシフォンケーキなど、カフェメニューは唯子さんが作っている。 ※画像提供:musumi

住所/宮崎県小林市細野450-2
TEL/0984-47-4603
営業時間/月〜木 10:00〜18:00、金土 10:00〜21:00
定休日/日曜日
フェイスブックページ https://www.facebook.com/musumi.kobayashi/

photo:ULALA

text:アマキン

【PROFILE/アマキン】

本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。

構成:所 隼登

(本記事は宮崎県小林市と協働製作したスポンサードコンテンツです)


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