人気シューズブランドから新作のトレランシューズが登場
見た目のインパクトに目を疑った人もいるだろう。こちらはアメリカのシューズブランド「HOKA ONE ONE（ホカ オネオネ）」が2020年3月に発売した新作のシューズで、トレイルランニング（以下、トレラン）向けに開発されたもの。しかも、数量限定でしか発売されない希少性も驚き！
今回は、ひと足先にシューズをお借りしたので、実際の履き心地などをレビューする。
思った以上に軽くて走りやすい！ 実際に履いて使ってみた
モデル名は「TenNine（テンナイン）」と言い、ホカ オネオネのなかでもトレランギアと位置づけて発売するほど細部まで徹底した機能を持たせている。まずは全体をチェックしていこう。
アッパーのパンプ部位には、伸縮性が高いデュポン社のLycra®（ライクラ）という素材が使われており、どんな足の形状にもフィットしてくれる。また補強素材として耐摩耗性にすぐれたメッシュ生地を採用。
タンにはAriaprene®という素材を採用。デコボコした形状が吸湿速乾性にすぐれ、蒸れやすい足を快適な状態にしてくれる。またシューズの下でしっかりと固定されており、甲を包んでくれる設計。靴ヒモには反射板となる糸が縫われているので、夜の走りでも安全面を考慮している。
特徴的なミッドソールは、従来のシューズと比べて後ろに5cmほども突起しており、幅もさらに拡大。これにより平坦な道からオフロードにかけて安定した走りを実現し、特に下り坂においては地面をしっかりとつかんでくれる。
とんがったヒール部のプルタブは、上り下りの激しい場面でも足にフィットできるように高めに設計。シューズを履く際にも便利そうだ。ソールのカラーはレモンイエローとスカイブルーの２色が使われており、遠目から見ても目立つ仕様に。
アウトソールの溝も独特な形状。かかと部はラウンド状になっており、つま先部は弓矢のようなデザインにされている。地面をしっかりつかむ構造のようだ。
比較のために、ホカ オネオネのトレランシューズ「チャレンジャー ATR 5」のメンズモデルを横に並べてみた。ソールの突起が圧倒的に存在感を出しており、まるで右がメンズ、左がレディスと感じられるくらいのサイズ感（チャレンジャー ATR 5はレディスも展開）！
実際に「テンナイン」を履いて走ってみた
では実際に走ってみよう。
まずは上り坂を駆け上がってみる。重量は片足360g（27.0cm）で、トレランシューズの中では特段軽いほうではないが、とはいってもミッドソールの大きさを考えたら十分に軽い部類に入る。坂を登っても足が疲れるような感覚は見られない。肉厚のソールもひと役買っているのだろう。
次に下り坂を走ってみる。ある程度の傾斜があるにもかかわらず、下り坂とは感じないほどラクに走ることができた！ ミッドソールの形状は、下る際に地面にしっかりとつかむ形状になっているようで、ブレーキがかかりやすい下りで安心して走ることができた。
10回ほど上り下りを繰り返したが、特に下りの場面で大活躍だった。
階段や乗り物での使用は控えよう
トレランギアとして十分な効果を実感した「テンナイン」。
しかし、メーカーの公式ページによると、突起したミッドソールはふだん使いには向かないとのことで、特に狭い階段や運転での使用では危険が伴う可能性があり控えてほしいとの記載が。
たしかに他のシューズと比べて特殊な形状をしているので、あくまでこの商品はトレラン用のギアであり、ふだん履きのシューズではないことを理解して使用してもらいたい。
トレランでどう活躍するか楽しみなシューズ
見た目のインパクトとは反対に、実際に走ったら想像以上の快適性を実感したホカ オネオネのテンナイン。数量限定での販売ということで履ける人は限られるだろうが、このシューズが人気を集めたら、さらにこのデザインの研究が進むかもしれない。これからの活躍に期待したい。
HOKA ONE ONE（ホカ オネオネ）「テンナイン」商品紹介
価格：30,000円＋税
重量（約、片足）：360g（27.0cmの場合）
サイズ展開：25.0〜27.0cm
商品の詳しい情報はこちら
撮影・文／小川迪裕（オガワミチヒロ）
【Profile／小川迪裕（オガワミチヒロ）】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。
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