プラットチャンプ創設者・冨田雅之さんインタビュー その2
2017年、突如として現れたブランド「platchamp(プラットチャンプ)」。
ブランド創設者である冨田雅之さんは、キャンプシーンにひとつの疑問を感じていた。
「自分たちも使いたい食器を使ってるわけじゃない。キャンパーのファッションレベルも上がって来ている。でも食器だけ遅れてる気がする。みんな、満足してるのかなあ」と。
その冨田さんにプラットチャンプのことを伺った。
cazual編集部(以下、c) そこでアウトドアへも持ち出せる、おしゃれな食器ブランドの立ち上げとなったんですね。
でも怖いのが、類似商品ですよね。今でこそアウトドアで一般的に使われるようになったウッドテーブル。20年くらい前はアメリカのバイヤーってブランドか、フランスのラレマンドくらいしかなかった。それがアウトドアブームの衰退で、10年くらい前から日本に入ってこなくなった。それでも個人輸入なんて方法で手に入れることはできたんだけど、さらに追い打ちをかけるように、現地ブランドもウッドテーブルを作らなくなってしまった。そしたら日本でまたまたアウトドアブームがやってきて、ヤフオクなんかで高値でウッドテーブルが取引されるような現象が起きた。そこに目をつけたのが数名の人物で、日本製ウッドテーブルを製作して販売したら大当たり。ひと財産築いた人もいるくらい。でも今や、あちこちのブランドがウッドテーブルを販売してて、類似商品だらけの現状です。
食器とかもそういう現象が怖くないですか?
冨田雅之さん(以下、冨) ドーンと流行ってひと儲けしてっていうよりは、売り上げはジワジワとでいいから10年後も残っているようなブランドにしていきたいと思ってます。
だから、こだわるところはしっかりこだわったんです。色違いの類似商品が横並びにならないように型から作ったりとか。
c 金属製のアウトドア製品って、けっこう中国製が多いんですよね。ブランド自体はアメリカに本社を置いてたりしても、製造ラインは中国。さらに自社のオリジナルアイデアではなく、すでに存在する型を使って作ってたりするから、本当に類似商品だらけ。もうブランドネームだけ勝負だったりすることがある。
プラットチャンプはこだわって、型からオリジナルで作ったんですね。
冨 製造会社も中国ではなく、大阪にしました。ロブクラシックは大阪の会社なんで、どうせやるなら大阪の会社と一緒にやりたいと思って。
たまたま話しに行ったところがデカイ工場を大阪に持つ会社なんですけど、きちんと話を聞いてくれたんです。熱意が伝わって、いろいろ教えてもらったし、勉強しながらアイデアを出して行ったんです。
いまは3Dプリンターとかもあるので、サンプルが簡単に作れるんですけど、最初のサンプルができあがったときはお盆みたいのができあがっちゃって(笑)。だから女性を集めてミーティングを夜中までやりました。
c なぜ集めたのは女性だったんですか?
冨 実際に食器を扱うのは女性なんで、その意見を参考にしたかったからです。
ミーティングの場所も会社ではなく、家でやりました。
家の方が参考になるものがたくさんありますからね。
どういうシチュエーションで使って、どういうものと組み合わせて使うとか、そんな意見をフィードバックして最終的に今の形になったんです。
c できあがった最終形の目指したところは?
冨 シンプルな形にしたかった。
ホーローのイメージってマグカップがありますよね。縁のところだけ色が変わってて。そうところからも逸脱したかった。
プラットチャンプの食器はスムースマットっていう仕上げなんですけど、陶器調な感じ。これって製造工程では面倒臭い技術だしロスが多い。だから逆に中国とかではやりたがらない製法でもある。そういうのも狙いでした。
c 陶器調というより、パッと見は陶器と間違うほどのクオリティですよね。
冨 展示会とかをやっても、みんな陶器だと思ってるくらいです。それで陶器だと思って触るから軽く感じるんです。
一般的に販売されてるホーロー食器と比べれば、プラットチャンプのホーロー食器は重いんですけど。
でも10人いても、ホーローだと気づくのは1人いるかいないか。
ホーローって気づかれないと、こっちとしてはガッツポーズですね。
逆に展示会では、ホーロー食器って書いておかないと何の模様もない陶器の皿と思われて素通りされてしまう(笑)。
c そもそもの話になるんですけど、プラットチャンプってブランドネームですが、どんな意味が込められてるんですか?
冨 PLAT(プラット)っていうのはフラット、プレートです。CHAMP(チャンプ)っていうのがフィールド。プラットチャンプっていうのはそれを合わせた造語です。
c そして、プラットチャンプのコンセプトは?
冨 コンセプトとしては家の中でも使えて、外にも持ち出せる一枚でどっちでも使えるって言うのにしようと思って。
ホームページには「自分らしい空間を大切な人達とシェアする。」って書いてるんですけど、僕らはイメージを与えてるだけなんで、プラットチャンプの食器がどこで使われてもいいです。ガレージでパーティーやったりとか、ベランダでちょっと食事をとるときとかでもいいですし。
家の中と同じようなスタイルを、別の場所へ持ち出す。ボーダレスに楽しみたいっていうのがあります。それを分かち合える人達と一緒にまた楽しみたい。海でも、山でも、庭先でも、ホームパーティでも、場所を選ばずにカジュアルに彩って。
疑問が生まれたからこそ、他に類を見ないアイテムを誕生させられた。
プラットチャンプ創設者・冨田雅之さんインタビューは、その3
「陶器と違って、割れないだけじゃないプラットチャンプの隠れた真意」へと続く。
プラットチャンプ新製品情報!
様々なこだわりが詰まった実用的かつラインの美しい「ホーローマグ」
スタイルのよいシルエットは、スタッキングが可能!
家庭の食器棚や、キャンプシーンでも場所をとらずスマートに収納が可能です。
持ち手は、親指の収まりが良いように傾斜のあるカタチにしています。
また、従来のマグは持ち手がカップ部分の下部分にあるため、お茶やコーヒーを飲み終わるまで熱かったのですがプラットチャンプのマグはカップの上部分に持ち手があるために、お茶やコーヒーの残量が持ち手部分より下にある場合は持ち手の熱さが軽減され、よりキャンプシーンを意識した設計になっています。
プラットチャンプのマグは『クラフトビール』との相性も◎!
マグとグラスの中間ぐらいのサイズ感は、コーヒーやお茶のみならずビールなどお酒を入れても使用できます。
ホーロー食器の「臭い移り」がしにくいという素材の特性は、様々な香りや味を楽しみたいクラフトビールの魅力を余すところなく楽しんでいただけます。
*プラットチャンプのマグは冷蔵庫や氷を入れたクーラーボックスに入れていただくと少ない時間でもキンキンに冷えるのでビールには最適です。
※すべてプラットチャンプオリジナルの金型から作られた日本製ホーロー食器です。
【PC005 STACKING MUG】
表面加工:本体ホーロー
材料の種類:ほうろう用鋼板(板厚:0.8mm)
サイズ :口径8cm / 高さ10.6cm / 容量320ml
重量:約180g
製造国:日本
http://www.clefshop.com/?pid=129554988
ロブ・クラシック
大阪市西区九条南4-13-12
電話 06-6586-5010
メール plat@platchamp.com
ホームページ http://robclassic.com
text:アマキン
【PROFILE/アマキン】
本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。