アウトドアを軸に幅広く活動~クリエイティブディレクター/伊藤正裕さん~
今回、クリエイティブディレクター、グラフィックデザイナーとして活躍しながら、キャンプ場運営や地方のイベントに携わる伊藤正裕さんに話を聞いた。
伊藤さんは高校生まで静岡県富士市で過ごし、親の仕事で南米へ移住した経歴の持ち主。帰国後は東京でグラフィックデザイナーとして働きながら、2014年10月に仲間とともに不動の滝自然広場オートキャンプ場(静岡県榛原郡川根本町)をオープンした。現在は生活のベースを静岡市内に移しているが、東京との間を行き来して、デザインの仕事とキャンプ場運営を両立させているのだ。
伊藤さんは活動を徐々に広げ、いまでは静岡県川根本町でイベントを開催するなど、新しい取り組みにも着手。今回、cazualでは、彼のユニークなライフスタイルや活動について話をうかがった。
幼少からキャンプに親しんでいた
まず、伊藤さんにキャンプ場運営を始めたきっかけを聞いた。
「もともと、フェスに遊びに行ったり、フェスの仕事を手伝っていたりしていた経緯があります。また、子どものころから親にキャンプや釣りによく連れていってもらっていたのでアウトドアに親しみはあったんです。高校を卒業してから2年間、親の仕事の関係でチリとアルゼンチンに住みました。そのとき、パタゴニアやアタカマ砂漠を一人旅した経験もあります。あのときは自然にどっぷりと浸かりましたね。帰国後、アウトドア企業のパタゴニアを受験しましたが、残念ながら入社には至りませんでした(笑)」
キャンプ場を運営する難しさ
冒頭の通り、2014年10月に仲間とともにキャンプ場を始めた伊藤さん。不動の滝自然広場オートキャンプ場は、約30年前に開設されたものの閉鎖されたままになっていた町営のキャンプ場だった。運営は町が募集していた指定管理者制度に、仲間の鈴木 諭さん(川根本町在住)ととともに応募したことで実現。施設は自分たちでリノベーションを行い、大胆に生まれ変わらせることができた。
「オープンした当初は、運営するだけで手いっぱいでした。施設を管理することなんて、未経験でしたから」
キャンプ場を軸に地域の方とも交流して、川根本町の魅力を発信していきたいという思いを持っていた伊藤さん。しかし、地域の人に、自分たちのことが理解されていないと温度差を感じていた。
「地元の人たちには、なんか若い人たちが来てキャンプ場をやっているらしいと見られていて距離があった。それで、このままじゃいけないと思い、オープンから半年ほど経ったとき、仲間と相談をして町の人に自分たちの活動をプレゼンする場を持つことにしました。集まっていただいたのは、役場、林業者・商工会・観光協会、川根本町に住んでいるカヌーやサップ、トレラン・オリエンテーリングの活動家といった方々です」
川根本町の人たちとどうつながっていったのか、次回は町の方々へのプレゼンの様子、そしてトレイルラン大会開催までの流れをご紹介します。
【vol.2に続く】
text:ビューティフルキャンピング
【PROFILE/ビューティフルキャンピング】
本業はメンズファッション誌、ファッション広告の編集・執筆。2011年春から、キャンプ空間をスタイリッシュに演出する楽しみ方「ビューティフルキャンピング」を広めようと活動中。
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