富山県移住のメリットとは
富山県は日本海と3000m級の北アルプス立山連峰に囲まれた自然豊かな地域で、都会にはないゆったりした暮らしや、海や山の両方でアウトドアを楽しめる貴重な地域。
また、子育て環境・生活環境の良さでも全国トップクラスで、待機児童ゼロ(保育所入所率全国3位)を達成しており教育水準も高く、安全・安心な地域として知られています。
犯罪発生率や火災の発生も少なく、地震など大きな災害リスクも低い※ことから、移住先として注目を集めています。
生活コストの面でも、富山県は物価が全国平均より低く、可処分所得が全国1位と生活にゆとりが生まれやすい地域です。
例えば家賃相場は全国46位で平均約4.45万円※2と、東京の約7万円に比べてかなり安価であり、住宅地の平均価格も東京の10分の1以下(1㎡あたり約3万円)と土地取得もしやすい水準です。
さらに、有効求人倍率が高く正規雇用者比率は全国トップクラス、共働き率も高いという「働きやすさ」も兼ね備えており、20~30代の若い移住者が年々増加して全体の約70%を占めるという調査結果もあります。
このように自然環境の良さ、子育て支援の充実、低コストで豊かな暮らし、そして安定した雇用状況が富山県移住の大きなメリットといえるでしょう。
※1震度6弱以上の地震発生確率は約5.2%と首都圏より大幅に低い
※2 SUUMO調べ
富山県移住のデメリットとは
一方で、富山県への移住には留意すべき点が存在します。
まず、富山県は日本海側気候のため冬の降雪量が多く、特に山間部や呉西(県西部)の地域では豪雪地帯に指定されるほど雪が積もります。
冬の生活では車のタイヤをスタッドレスに替えたり、雪かきや除雪設備が必要になったりと、雪国ならではの負担もあるでしょう。
また、車社会であることもデメリットの一つです。
富山市など中心部では公共交通の整備に力を入れコンパクトシティ化が進んでいるものの、市街地を離れると電車やバスの本数は少なく、日常の移動には車がほぼ必須という地域が多いのが現状。
そのため免許がない人や車を所有しない予定の人は、住むエリアを慎重に選ぶ必要があります。
さらに、首都圏と比べると娯楽施設や商業施設の数が少ない点もデメリットと言えるでしょう。
大型ショッピングモールや専門店は富山市や高岡市など主要都市に集中しており、郊外では日用品の買い物には困らないものの、映画館やファミリーレストラン、デパートといった娯楽・商業施設は限られます。
文化的なイベントや流行のスポットも東京・大阪ほど多くはないため、都会の便利さや多様な娯楽を重視する人には物足りなさを感じるかもしれません。
また、給与水準は全国的に見ると高めとはいえ、東京など大都市圏ほどの収入は期待できない職種もあります。
特に専門的な職種やクリエイティブ系の仕事は求人が少ない傾向があり、そうした分野でのキャリアを重視する人にとっては選択肢が限られる可能性があります。
ただし、近年はリモートワークや二拠点生活(デュアルライフ)が浸透しつつあり、都心での仕事を続けながらの富山移住も現実的になってきました。
富山移住=必ずしも仕事が限られるというわけではないので、ここは工夫次第で改善できるデメリットと言えるでしょう。
富山県への移住はおすすめ?どんな人に向いている?
富山県への移住は自然豊かな環境で子育てしたい家族層や落ち着いた地方暮らしを求める人には特におすすめです。
実際、富山県は全国の「住みたい田舎ベストランキング※」で常に上位に選ばれており、2023年版では北海道・青森に次いで総合3位にランクインしています。
これは富山県が都市圏からのアクセスが良く(東京から新幹線で約2時間)交通の便が比較的良い一方で、自然や生活コスト面での魅力を併せ持つためでしょう。
前述のとおり働きやすさと暮らしやすさのバランスが良く、製造業を中心に安定した企業が多いことからUターン就職・Iターン転職の受け皿も豊富です。
地方でキャリアを積みたい人や、地元に貢献できる仕事を探している人にも向いています。
また、子育て世帯には医療費助成や保育環境の充実など行政のサポートが厚く、豊かな自然の中で自由度の高い子育てを望む人に人気です。
反対に、最先端のトレンドやエンタメを常に求める人、雪国の生活に不安がある人は、移住前に現地の生活を十分体験してみるべきでしょう。
富山県にもおしゃれなカフェやショッピングスポットはありますが、頻繁にコンサートやイベントに参加したい、といった都会的な楽しみは限定されます。
そうした部分を割り切ってでも、豊かな自然やコミュニティの温かさ、穏やかな暮らしを求める人には富山県移住はとても魅力的で、おすすめできる選択肢と言えるでしょう。
※宝島社『田舎暮らしの本』調べ
富山県の移住支援制度【令和7年度版】
富山県および県内各市町村では、UIJターン(Uターン・Iターン・Jターン)による移住者に向けて、さまざまな支援金制度や補助金制度を設けています。
ここでは令和7年度(2025年度)に実施が確認できるおもな支援制度をピックアップし、表にまとめました。
いずれも2025年現在で募集・申請受付中の最新情報です(※制度内容は年度によって変更になる場合があります)。
各制度の詳細な条件や手続きについては公式サイトや窓口で必ず最新情報をご確認ください。
富山県・市町村のおもな移住支援金・補助金制度
以下の表に、富山県および県内市町村が提供するおもな移住支援金・補助制度をまとめました。
制度名 | 概要 | 申請期限 | 支援金・補助額 | おもな要件 |
---|---|---|---|---|
富山県移住支援金 | 東京23区に在住(または東京圏から23区通勤)していた人が富山県内に移住し、マッチングサイト掲載の中小企業等に就業または起業した場合に支給。 | 令和8年2月15日まで (令和7年度分) |
単身60万円、世帯100万円 ※18歳未満の子ども1人につき+100万円加算 |
直近10年で通算5年以上かつ直近1年以上連続で東京23区在住/通勤。移住後1年以内に申請し、5年以上定住意思。対象求人に就業または起業(別途起業支援金採択)など |
富山県UIJターン起業支援金 | 県外からの移住者等が富山県内で新規創業する場合、事業に要する経費の一部を補助。 | 令和7年7月18日締切 (募集終了。次回募集時期未定) |
起業経費の1/2補助(上限200万円) ※移住者は別途移住支援金(最大100万円)の給付案内あり |
令和7年4月1日~令和8年2月末までに県内で創業すること。県内に居住(または補助事業完了日までに移住)すること。県指定の創業支援プログラム修了など一定の条件あり |
学生UIJターン就職活動支援事業 | 東京圏大学に通う学生が地方企業の採用選考に参加する際の交通費を補助。 | 内定取得後に申請 (卒業年度の10月以降受付。各市町村ごとに締切) |
交通費:選考面接に要した往復交通費の1/2補助(上限額なし、1,000円未満切捨て) | 都内本部の大学に4年以上在学する学部生で、令和6年度卒業予定者。対象自治体(高岡市・射水市・氷見市・滑川市・黒部市・小矢部市・南砺市・上市町・立山町・入善町)への就職・移住が条件。 |
とやまの魅力体験助成制度 | 富山県への移住検討者が事前下見のために来県する際の旅費・宿泊費を補助。 | 利用希望日の15日前までに事前申請(随時受付。予算が無くなり次第終了) | 往復交通費の1/2補助(上限1人1万円) 県内移動費:上限5千円/人 宿泊費:5千円/人・泊(2泊まで) |
富山県外在住で、富山県への移住を具体的に検討していること。県や市町村の移住関連イベント参加や移住相談、現地体験等の活動が補助対象。 |
移住先として人気の富山県市町村5選
富山県内には特色ある市町村が数多くありますが、その中でも移住者から人気の高い5つの自治体をピックアップしてご紹介します。
各市町村ごとの暮らしの特徴や移住支援制度(市町村独自の補助金など)を見ていきましょう。
移住先として人気の富山県市町村:富山市(とやまし)
富山市は人口約42万人を有し、日本海側地域の中核都市として発展している富山県の県都です。
「都市機能が集約されたコンパクトシティ戦略」を掲げており、市街地には路面電車やバスが巡回し、日常の移動や買い物が徒歩や公共交通でも比較的しやすいよう街づくりが進められています。
市内には百貨店や大型商業施設、病院など生活に必要な施設が一通り揃い、車で少し走れば富山湾や立山連峰の雄大な自然を望めるという二面生が魅力的。
また、教育面では市内に幼稚園25園・小学校67校・中学校29校・高校20校・大学※も複数あり、進学も市内で完結できます。保育園の待機児童はゼロで、共働き世帯への家事・育児支援サービスも充実しており、子育て環境も良好です。
※出典元:二拠点・移住ライフ大学
富山市の移住支援制度
富山市の移住支援制度としては、富山県の移住支援金制度の対象地域であることに加え、住宅取得補助金など独自の支援策があります。
例えば、市外からの移住者が一定の条件で住宅を新築・購入する際に最大50万円の補助が受けられる制度があります。
そのほか、中学生卒業までの子ども医療費無料や、子育て世帯向けの「とやまっ子子育て応援券」の配布、出産育児一時金42万円支給、児童手当月額1.5万円(最大)支給など、子育て・出産への経済的支援も手厚く用意されています。
移住先として人気の富山県市町村:高岡市(たかおかし)
高岡市は人口約17万人を擁する富山県第2の都市で、北陸新幹線の新高岡駅が設置され東京・大阪方面へのアクセスにも優れています。
市街地にはショッピングモール「イオンモール高岡」をはじめ大型スーパーや専門店、飲食店が集まり、日常の買い物や娯楽には困りません。
一方、市街地を少し離れると富山湾や庄川など豊かな自然も身近で、都会的な利便性と田園風景の両方を享受できるコンパクトな街です。
高岡市は400年以上の歴史を持つ城下町で、漆器や銅器など伝統工芸「ものづくりのまち」として知られ、近代では化学・薬品・製紙などの工場も立地しています。
医療体制も22科を備える高岡市民病院や夜間急患センターがあり、安心です。
子育て環境では保育所約50園があり待機児童ゼロ、子育て世帯への家事支援や送迎支援など独自サービスも整っています。
高岡市の移住支援制度
高岡市は富山市と同様に県の移住支援金の対象地域です。
さらに、高岡市独自に「たかおかウェルカム移住支援金」という制度を設けており、富山県外から高岡市へ移住した人に対し、市が単身10万円、世帯20万円、18歳未満の子ども帯同世帯には30万円の支援金を支給しています。
これは全国どこからでも高岡市に転入すれば利用でき、県の移住支援金と合わせて受給することも可能です(ただし高岡市の別の移住支援金と重複受給は不可)。
そのほかにも、高岡市では住宅取得支援にも力を入れており、市内の指定区域(「まちなか居住誘導区域」等)で住宅を新築・購入するUIJターン世帯や新婚・子育て世帯に対し、住宅ローン額の一部(新築は上限50万円)を補助する制度を設けています。
結婚や出産、子育てに関する給付や補助も充実しており、例えば結婚新生活支援事業では新婚夫婦に最大30万円の新生活費用補助、第3子以降の保育料無料化など、幅広い世代に寄り添う移住政策が用意されています。
移住先として人気の富山県市町村:砺波市(となみし)
人口約5万人が暮らす閑静な田園都市で、昔ながらの街並みと広大な水田が広がる穏やかな環境が特徴の砺波市。
チューリップの産地として有名で、市内には四季を彩る花々や田園風景が広がり、季節の移ろいを肌で感じながらのびのび子育てができる地域です。
富山県西部に位置し、2024年の能登半島地震では揺れを感じたものの、砺波市自体は地震・津波・台風などの大きな災害が少ない町としても知られています。
生活面では、市中心部に大型商業施設「イオンモールとなみ」があり、その周辺にスーパーやドラッグストア、コンビニなどが揃っているため日常の買い物に役立ちます。
中心部から車で10分程度走れば必要なものはおおむね揃うコンパクトな街構造になっています。夜は静かで治安も良好なため、安心して子どもを育てられると評判です。
教育面では市内に幼稚園・保育園から高校まであり、待機児童ゼロを達成。自然に囲まれた落ち着いた環境と相まって、子育て世帯にとって魅力的な移住先となっています。
砺波市の移住支援制度
砺波市では市外からの転入者(UIJターン含む)で住宅を取得した世帯に対し、住宅ローン借入額の1/10を補助しており、新築住宅の場合は上限107.3万円、中古住宅でも上限50万円の補助金が出ます。
この「住宅取得支援事業補助金」は砺波市独自の高額補助で、補助金交付後10年以上の定住などを条件に支給されます。
さらに家賃支援補助金もあり、砺波市へ転入し民間賃貸住宅に入居した世帯には月額1万円を最大3年間(計36万円)補助する制度も用意。
空き家の活用支援にも積極的で、空き家を購入して改修する場合は上限50万円、空き家を賃借して活用する場合も家賃月1万円(最大3年間)補助などの助成があります。
子育て支援では、砺波市は中学生まで医療費無料や「とやまっ子子育て応援券」の支給、不妊治療費や妊産婦医療費の助成などを実施。
また、第3子以降の保育料軽減や、一時預かり・延長保育・病後児保育などサービスも整備され、経済的にも実務的にも子育て世帯を強力にサポートしています。
これらの制度によって、砺波市は「移住して子育てをするには最適な町」の一つとして評価されています。
移住先として人気の富山県市町村:南砺市(なんとし)
南砺市は人口約5万人が暮らす自然豊かなまちで、富山県南西部に位置しています。
市域の約8割を森林が占め、どこからでも山々の雄大な景色を望める一方で、車を使えば県都・富山市や隣接する石川県金沢市、世界遺産の白川郷(岐阜県白川村)へも1時間程度でアクセス可能という立地です。
合併によって誕生した南砺市は、井波や城端など歴史ある町並みや伝統文化が色濃く残り、四季折々の祭りや地域行事が盛んな文化度の高い田舎暮らしを体験できます。
冬場は特別豪雪地帯に指定される地域もあり非常に雪深くなりますが、その分道路は広く除雪体制が整えられており、高速道路ICも市内に3ヶ所あるため、車移動で近隣都市へ買い物やレジャーに出ることも可能です(大型商業施設自体は市内にはほとんどないため、日常の買い物は地元スーパー+都市部への遠出で補う形になります)。
教育環境に目を向けると、南砺市内には保育所12ヶ所、幼稚園3園、認定こども園3園、小学校9校、中学校8校、高校3校があり、人口規模に対して学校数が多めです。
市内の各地区に学校が点在しているため通学しやすく、待機児童もゼロと教育・保育環境は充実しています。
南砺市の移住支援制度
子育て世帯にとって魅力的なのは、南砺市ならではの手厚い子育て支援です。
具体的には中学校卒業まで医療費無料、「とやまっ子子育て応援券」の支給、不妊治療助成に加え、出生祝金の一律10万円支給や多子世帯(子どもが多い世帯)の保育料軽減、延長・休日・病後児保育サービスなどが揃っています。
特に出生祝い金制度は、赤ちゃんが生まれた家庭に南砺市が10万円のお祝い金を支給するもので、経済的支援とともに市全体で新生児誕生を喜び合う温かい風土が感じられます。
住まいに関する支援では、南砺市も県内他市町村同様に住宅取得補助として住宅購入費用の一部を補助(上限50万円)する制度や、空き家を賃借する際の家賃・改修費用への補助があります。
古民家など魅力的な空き家が多い地域だけに、移住者がそれらを利活用できるよう支援する取り組みです。
総じて南砺市は「自然と文化に抱かれ、地域に溶け込みながらゆったり暮らしたい」人に適した移住先と言えるでしょう。
移住先として人気の富山県市町村:射水市(いみずし)
射水市は人口約9.3万人が暮らす地方都市で、富山県のほぼ中央、県内二大都市の富山市と高岡市に隣接しています。
富山・高岡のベッドタウンとして住宅地が発展すると同時に、市内には有名企業の支社や工場も多数立地し、物流・製造業の拠点としての側面も。
地理的には富山湾に面しているため新鮮なズワイガニや白エビなど海の幸に恵まれ、内陸では米・大豆・麦・果物といった農業も盛んな一次産業と二次産業が調和した都市です。
市内中心部(小杉駅周辺)には大型ショッピングセンターがあり、行政機関や大学、病院なども集まっています。
買い物施設や飲食店が充実しており、134ヶ所もの公園や動物園、図書館など子どもと楽しめる施設も多数あります。
古くからの商店街も残り、新旧の利便性を享受できる点が魅力です。教育環境を見ると、射水市内には保育所24ヶ所、幼稚園4園、認定こども園2園、小学校15校、中学校6校があり、待機児童ゼロを実現。
児童館や子育て支援センターも複数設置され、各年代に応じた子育て相談・支援体制が整っています。
医療面も市内に総合病院が2ヶ所、診療所が45ヶ所あり、小児救急など万一の場合の医療対応も安心です。
射水市の移住支援制度
射水市の移住支援制度として特筆すべきは、空き家の取得支援です。射水市では市内の空き家を購入して住居等に活用する場合、最大60万円の補助金を交付する制度があります。
古い住宅ストックを活用し移住者の住まい確保につなげる狙いで、補助を受けるには物件が「射水市空き家バンク」に登録されていることなどの条件がありますが、地域ならではの安価な空き家を入手しリノベーションして暮らしたい人には嬉しい制度でしょう。
また、子育て支援については富山県内共通の施策(子ども医療費無償や子育て応援券等)に加え、射水市独自で不育症治療の助成や産後ケアの充実などきめ細かな支援を実施。
さらには結婚・出産に関連して、出産時には国の制度に加えて射水市から出産祝い金のような手当が支給される制度や、育児休業給付金など働くママ・パパへのサポート情報の提供も行われています。
交通面では、市内に複数の鉄道駅(JR北陸本線・あいの風とやま鉄道)や路線バスが走りますが本数は多くないため、やはり車移動が基本になります。
ただし富山市中心部へ車で30分弱、高岡市へ15分程度と近接しているため、映画館や大型レジャー施設など都市部の娯楽も日常的に利用しやすい距離感。
射水市は「程よく都会、程よく田舎」のバランスが取れた街として、若い世代からシニア層まで幅広い移住者に人気があるエリアです。
富山県への移住で仕事を見つけるコツ
富山県は前述の通り有効求人倍率が高く、製薬、機械、化学、ITなど多彩な産業が集積しています。
世界的シェアを持つ優良企業やニッチトップ企業も多いため、地元で安定した雇用を得やすい環境にあります。
特に正社員比率が全国トップクラスであり、正規雇用の求人が多いことも若い世代の移住者には魅力でしょう。
女性の就業率も高く、共働きが比較的スタンダードな地域なので、結婚後も仕事を続けたい人にとって働きやすい風土が整っています。
移住前からできる仕事探しの方法としては、富山県が運営する「就活ラインとやま」や「富山県若者就業支援センター(ヤングジョブとやま)」などが参考になります。
自治体によるお試し移住・就業体験イベントも随時開催されており、例えば2025年8月には東京・有楽町で「富山くらし・しごとフェア2025」が開催され、多くの企業ブースや移住相談コーナーが設けられました。
こうしたイベントに参加すると企業担当者と直接話ができ、富山での働き方や求人動向について生の情報を得ることができます。
移住後の転職支援金としては、前述の移住支援金(最大100万円)のほか、新卒学生向けには地方就職活動交通費・引越費支援(学生UIJターン就職活動支援事業)などもあります。
地方に移住して働く決断を後押しする補助が揃っていますので、これらを積極的に活用しましょう。
富山県移住でありがちな失敗とその対策
移住を成功させるためには、あらかじめ起こり得る「失敗パターン」を知り、対策しておくことが大切です。
富山県への移住でありがちな失敗の一つは、冬の生活への備え不足です。
雪かき道具を用意していなかったり、寒冷地仕様の住宅設備(断熱・暖房)を軽視してしまうと、冬に「こんなはずでは…」と後悔することになりかねません。
対策として、移住前に冬の富山を実際に訪れて体感したり、現地の人に冬の生活の知恵を聞いておくと良いでしょう。
また、富山県の「とやまの魅力体験助成制度」を利用すれば冬季の下見旅行も補助が出ます。
次に、車移動への不慣れもありがちな落とし穴です。ペーパードライバーの人や免許を持っていない人がそのまま移住すると、日常生活で苦労する場面が多くなります。
市街地中心部なら自転車や徒歩でも暮らせなくはありませんが、行動範囲が狭まりストレスになることもあります。
対策としては、引っ越し前に運転の練習をしておく、思い切って移住後に車を購入する計画を立てるなど、車社会に順応する準備をおすすめします。
また、「地方だからのんびりできる」と思っていたら意外と忙しかったという声もあります。
富山県民は勤勉な人が多いと言われており、地域によっては行事や近所付き合いも活発なので、むしろ都市部より人付き合いやコミュニティ活動に時間を割く場面もあるでしょう。
そして、仕事探しのミスマッチにも注意が必要です。富山県は求人こそ豊富ですが、すべての業種・職種が揃っているわけではありません。
移住前になるべく具体的に就職先のめどを付けておくか、移住後一定期間は収入減を覚悟してスキル習得や人脈作りに努めるなど、計画性を持って移住することが大切です。
県や市町村の就職支援をフル活用しつつ、柔軟な働き方も視野に入れて備えましょう。
富山県移住で後悔しないための準備と心構え
富山県に移住して後悔をしないためには、事前の準備と心構えが何より重要です。
まず、可能であれば試しに富山で生活してみることを強くおすすめします。
富山県内のいくつかの市町村では、移住希望者向けに家具家電付きのお試し移住住宅を用意して格安で貸し出しています。
例えば魚津市では月額2.5万円以下で最長1年間利用できるお試し住宅があります。
こうした制度を利用して、いきなり本格移住する前に数週間~数ヶ月現地で暮らしてみることで、自分に合った地域かどうか見極めることができるでしょう。
短期の移住体験イベントや二地域居住のプログラムも全国的に増えているので、「観光」ではないリアルな暮らしを体験してみてください。
次に、移住後に孤立しないために現地のコミュニティに入る工夫も大切です。
富山県では移住者を歓迎するイベントや交流会が頻繁に開催されています。
例えば富山県主催の「移住者交流会」では、新しく移住してきた人同士や地元住民との交流の場を提供しています。
定期的に開催される移住者交流会では、参加者同士で地域体験や情報交換が行われており、こうした場に積極的に参加することで知り合いや友人を作ることができ、困ったときも助け合えるので安心です。
富山県は独身でも住みやすい?移住のポイント
「地方移住は家族連れや夫婦が多いのでは?」「独身だと地域になじめるか不安……」と心配される人もいるかもしれませんが、富山県は独身の人にも十分住みやすい環境が整っています。
同世代の移住者が多いということは、新しくコミュニティに入っていきやすい雰囲気があるとも言えるでしょう。
移住者同士が集まるイベントやサークル活動もあり、Uターン・Iターンの若手が集う交流会や、SCOP富山を筆頭に創業・移住促進のコミュニティスペースなども生まれています。
そういった場に参加すれば独身でも交友関係を広げやすいでしょう。
また、独身生活に必要な都市的サービスも富山県内でおおむね手に入ります。
富山市や高岡市などには24時間営業のスーパー、コンビニ、ジム、カフェ、バーといった施設が揃い、仕事帰りや休日に一人でふらっと利用できます。
娯楽面でも、映画館やショッピングモール、ライブハウスなども一通りありますし、何より自然が身近なのでアウトドアや趣味に没頭しやすい環境です。
休日に一人で山登りや釣り、ドライブといった楽しみ方ができるのは、独身者にとっても充実した時間を過ごせるポイント。
富山湾越しに立山連峰を望む夕日を写真に収めたり、美味しい地魚を食べ歩いたりと、ソロ活にも事欠きません。
経済的な面でも、独身者が富山で暮らすメリットは大きいです。
前述したように、家賃相場が低いため収入に対する生活費の負担が小さく、可処分所得全国1位※というデータが示すように、独り身でも貯蓄や自己投資に回せる余裕が生まれやすいです。
実際、富山県は共働き率が高いため物価やサービス料金が比較的リーズナブルで、外食や習い事なども首都圏に比べて安価に利用できます。
※法人日本都市センターの「全世帯における可処分所得」(2025年3月時点の報告)
独身で移住、富山で結婚というケースも
さらに将来的な話になりますが、富山県や市町村では結婚相談所的なマッチング支援を展開しており、イベント型のお見合いパーティやオンラインでのマッチングサービスを提供しています。
例えば富山県の「TOYAMATCH(富山マリッジサポートセンター)」では専任スタッフが婚活をサポートしており、移住者も登録して活動できます。
独身で移住した人同士が出会って結婚し、定住に至ったケースも増えているそうです。
このように、富山県は独身者にとっても暮らしやすく出会いのチャンスもある地域。
独りでも地域に溶け込めるか不安な場合は、前述のように移住者コミュニティに積極的に参加したり、地元の習い事(料理教室やスポーツクラブ等)に通ってみるのも良いでしょう。
独身だからと移住をためらわず、自分らしいスタイルで富山暮らしを満喫してみてはいかがでしょうか。