おしゃれにキャンプで“おばんざい”
こんにちは、ビューティフルキャンピングです。
キャンプ空間をさまざまなテーマで、おしゃれに演出するのが私の活動です。アウトドアを通じてローカルを盛り上げるのが、cazual(カズアル)のテーマだと聞き、今回は私の春の活動の様子をご紹介したいと思います。
5月に行ったキャンプのテーマは「おばんざい万歳」。
「おばんざい」ってご存じでしょうか?
「おばんざい」は京都の古い言葉で家庭料理を意味しています。居酒屋や、京風の家庭料理を出すお店などではすっかり定着していますね。
京都テーマにしたキャンプにチャレンジ
そんなわけで、いつも欧米にばかり目を向けている私が、自分の出身地である京都をテーマに”京風キャンプ”に挑戦したのです。アウトドアとローカルを同時に成立させているでしょ? 山のような荷物を車に積んで群馬県渋川市のくりの木キャンプ場へ向かいます。
企画を思いついたきっかけは、大村しげさん(故人)という女性。この方は、1950年代から文筆活動を始め、京都の日常的な文化・習慣、特に食について多くを書き残された方です。”おばんざい”という言葉は、彼女を含む3人の京女が新聞で始めた連載をきっかけに広まりました。大村しげさんは1999年に亡くなりますが、彼女が危惧していたとおり、京都の日常的な古い習慣は失われていく一方です。自分のキャンプを通じて、彼女たちの思いを少しでも伝えられたらと思います。
こちらは初日の晩御飯の準備風景。水菜とお揚げのたいたん(炊いたもの)と、いもたこ。キャンプの食事というよりもすっかり主婦の家庭料理ですが、どちらもおばんざいの定番的なもの。ごはんは”峠の釜めし”の駅弁で知られる「おぎのや」の釜めしの容器を再利用。
コーヒーではなく野点(のだて)で抹茶をいただく
野点(のだて)も行います。マット代わりの西陣織の帯のほか、お茶と干菓子も京都のものを用意しています。柳桜園、村上開新堂、先斗町駿河屋、キーヤンスタジオなど、京都のお店のものをあれこれとコーディネイト。
夕飯は京都の老舗・有次の鍋で湯豆腐
二日目の夜は湯豆腐。包丁や鍋など調理用具で知られる京都の老舗・有次(ありつぐ)の鍋を使っています。こんにゃくと豆腐に加え、まるめて串に刺した豚肉も炊きました。鍋の中央に置いて温めているのは白味噌の田楽を入れた湯呑み。
およそ、キャンプと思えぬ京風の朝ごはんです。
こんな形でも、何かしら自分の故郷に地元に貢献できているならうれしいですね。
text:ビューティフルキャンピング
【PROFILE/ビューティフルキャンピング】
本業はメンズファッション誌、ファッション広告の編集・執筆。2011年春から、キャンプ空間をスタイリッシュに演出する楽しみ方「ビューティフルキャンピング」を広めようと活動中。
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