キャンプで燻製を楽しみたい!
キャンプをするときの楽しみとして”燻製”を挙げる人は多いのでは?
昔はキャンプと言えばカレーというイメージでしたが、最近はさまざまなこだわりの料理を作る人も増えてきました。
そのなかでも、手軽に作れておいしいと人気なのが燻製料理です。
燻製の特徴とは?
燻製ってよく耳にしますが、具体的にはどのような料理なのか、おさらいしてみましょう。
燻製とは、サクラやリンゴなどの木材を熱した際に発生する煙を食材に当てることによって、独特の風味を付ける調理法のことです。
風味が加わるだけでなく、煙の中に含まれる殺菌成分によって、食材に付着している微生物などを死滅させる効果があるため、長期保存も可能となります。
さらに、煙で燻すことで乾燥が進み、食材の水分量が減るので、微生物や細菌などの繁殖を防ぐこともできるんです。
魚や肉などといった痛みやすい食材も、燻製にすれば日持ちさせることができます。
燻製調理の手法は3種類
燻製とひと口に言っても、調理の手法は主に3つあります。
調理する食材によって、燻製をする際の温度に違いがあるのです。さっそく3つの燻製方法を紹介します。
その1 熱燻法
主にキャンプなどで用いられるのがこの熱燻法です。80℃から130℃という高温の煙で数十分燻すのが特徴。
乾燥もあまり進まないため長期保存としてではなく、風味づけといった目的で用いられます。
小さな燻製器でもできるため、キャンプやアウトドアには非常に向いていると言えるでしょう。
魚や鶏肉などを丸ごと燻製にしたりと、簡単に調理できるため、もう1品欲しいなというときにおすすめです。
その2 温燻法
一般的に燻製というとこの温燻法を指すことが多いと言えます。30℃から80℃程度の煙で燻すのが温燻法の特徴。
数時間から1日程度と、かける時間も熱燻法に比べて長いため、食材の水分量も半分程度失われます。
しかし、長く持っても数日程度のため、本格的な長期保存には向いていません。ベーコンやロースハム、ソーセージなどがこの温燻法によって作られる代表的な料理と言えます。
その3 冷燻法
25℃以下の燻煙を長時間かけ続けるのが冷燻法であり、多くの場合、2週間から数ヶ月間に渡って燻り続けます。
長時間燻製し続けるため、食材の水分量はほとんど失われるので、長期保存する場合にはこの冷燻法が用いられるんですね。
しかし、外気温が25℃を上回ってしまうとこの方法は使えなくなってしまうため、日本国内においては高地を除いては冬季にしか行えないのがデメリットです。
生ハムやドライソーセージなどが冷燻法によって作られています。
燻製器ってどんな物があるの?
燻製は「作るのが大変そう」「高価な機械がないとできないんじゃない」などと思われがちですが、実は意外と簡単。
燻製器もピンキリで初心者が入門として使うようなものから、プロ仕様の大型のものまでさまざまな種類があります。
ダンボール製の燻製器
「これから燻製にチャレンジしてみたいけど、いきなりお金をかけるのはイヤ」「キャンプなどに気軽に持っていきたい」という方におすすめなのが、ダンボールで作られた簡易的な燻製器。
ダンボールで作られているため、非常に軽くキャンプなどのアウトドアに持って行っても苦にはなりません。
また値段も安価で1,000円程度で買えるのが魅力的です。ただし本格的な器具に比べると、やはり風味は落ちてしまいます。
また、ダンボールで作られているうえに火気を使用するため、燃え移らないように使うときは十分な注意が必要です。
小型の燻製器
鍋のような形をしており、IHやガスにも対応しているタイプの燻製器もあります。
値段は安いものだと2,000円程度のものから、高いものだと20,000円前後するものもあります。
高い物は密封性がすぐれており、煙対策がしっかりと施されているため、家の中で燻製を行ってもあまり煙が気になりません。
安いものだとどうしても煙が外に出てしまいやすいため、外で行うのがおすすめです。
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電気式の燻製器
直火を使わずに電気を使った燻製器もあります。
価格は20,000円前後しますが、煙やニオイが外に漏れないように工夫されているものがほとんどなので、家の中で作るのには適しています。
ただし、電源が無いと使うことができないため、キャンプなどのアウトドアで使うには、電源サイトを抑えたり、ポータブル電源を持参する必要があります。
燻製器を使用せずに100均グッズで燻製を作る方法
できるだけお金をかけずに燻製を試したい場合には、100均グッズを活用してみてください。
100円ショップでも簡単に手に入れられる材料を使って燻製料理を作ることが可能です。
用意するものはたったの2種類 ボウルと網だけ!
燻製器代わりのものを用意するとなるといろいろな道具が必要になってきそうですが、実はたったの2種類だけでお手軽燻製器が作れます。
それは金属製のボウル2個と網1枚。たったの300円で簡易的な燻製器が作れるので、手軽に燻製を楽しめます。
ただし、燻製料理を作る際にはその他にスモークチップが必要となりますので、別に用意しておいてくださいね。
とはいえ、最近は、チップも100均で扱っているので、とてもリーズナブルに材料がそろいます。
初心者でも簡単!100均グッズで燻製を作る方法
燻製器の作り方はとても簡単です。
1 バーナーやコンロなどの上にボウルを1つセットし、ボウルの中にスモークチップをひと握り入れる。
2 ボウルの上に網を敷き、網の上に燻製にしたい食材を並べる。
3 もう1つのボウルを上からかぶせてフタをする。
4 7分程度弱火にかけ(※加熱時間は食材にもよります)、火を止めてから10分程度、フタを開けずに置いておく。これで燻製が完成。
初心者にオススメな燻製食材を5つ紹介!
木材のチップを使ってていねいに燻すことで、食材の新たな魅力を引き出してくれるのが燻製の特徴です。
時間や周辺環境に余裕があるキャンプは、燻製を楽しむ絶好のチャンス。初心者にもおすすめの定番食材から、試してみたい変わりダネ食材まで、徹底紹介していきます。
燻製定番食材 チーズ
まずは燻製の定番食材からチェックしていきましょう!
燻製と聞いて、やはりはずせないのがチーズです。とはいえチーズにもさまざまな種類がありますから、「いったいどれを燻製にしようか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
初心者でも燻製にしやすいのが、以下の種類のチーズです。
・プレーンチーズ
・チェダーチーズ
スーパーなどでも比較的手ごろに入手でき、しかも燻製にした際に失敗しづらいという特徴があります。燻製の香りもしっかりと移りやすいので、魅力を満喫できるでしょう。
また、少し燻製にはしづらいものの、子どもにも食べやすい燻製チーズを目指すなら、モッツァレラチーズに挑戦してみるのがおすすめです。
特に夏場は溶けやすく美しく仕上げるのが難しいという特徴がありますが、味は絶品。燻製ならではのうま味が引き立ち、マイルドな甘みを楽しむことができるでしょう。
モッツァレラは水分量が多いので、燻製前に表面の水分をふき、1~2時間ほど風に当てるなどして乾燥させてから燻してください。
チーズが苦手な方でも食べやすいので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
燻製定番食材 ミックスナッツ
こちらも、燻製料理を手軽に楽しみたいときにおすすめの食材です。そのまま食べてももちろんおいしいミックスナッツは、燻製にすることでさらに華やかな風味を楽しませてくれます。
ミックスナッツはもともと乾燥している食材ですし、下味もしっかりとついていますから、燻製器の用意をしたらすぐに調理が可能です。
目が細かな網を使っている場合はそのまま乗せて、目が粗くナッツが落下してしまう場合にはアルミホイルを活用しましょう。
ナッツを燻製にする際のポイントは、焦がさないこと。
煙がしっかりと出てきてからナッツを入れれば弱火であってもしっかりと燻すことができますので、ぜひ意識してみてください。
2~3分燻したのちに、さっとフタを開けて上下をひっくり返しましょう。全体にしっかりと熱と煙をまわしたら、完成です。
1時間ほど置いておくことで香りが安定し、より食べやすくなります。
燻製変わりダネ食材 ポテトチップス
キャンプのおやつの定番ともいえるポテトチップス。実はこちらも、燻製にすることで新たな魅力を発見できる食材の一つです。
大人の魅力あふれるおつまみへと変身させることができるので、ぜひ燻してみてください。
ポテトチップスを燻製にする際に役立つのが、小型のざるです。
ポテトチップスをひとつかみ入れたら、燻製器にセットします。ほんの少し風味をつけるだけでOKなので、燻製時間は10分~15分とあっという間。
お酒のペースに合わせ、次から次へと生産できます。
ポテトチップスを燻製にする際には、煙で湿気させないことです。煙の抜けをよくして燻すことで、おいしくパリッと仕上がるでしょう。
燻製変わりダネ食材 サラダチキン
コンビニなどで手軽に購入できるサラダチキンは、近年人気の燻製食材です。
火が通った状態で販売されており、燻製にしやすい食材と言えるでしょう。そのまま食べてもおいしいサラダチキンですが、燻製にすればスモークチキン風のゴージャスな一品に仕上がります。
サラダチキンの燻製を作るときのコツは、表面をしっかりと乾かすこと。
しっとり湿っている状態では、燻製の香りがつきにくくなってしまいます。キッチンペーパーでしっかりと拭き、しばらく風に当てるなど、そのまま置いて表面を乾燥させます。
もともと火が通っている食材なので、スモーク時間はお好みで調整してみてください。
15分ほどでも燻製の香りは比較的しっかりとプラスされますし、2時間ほどかけてていねいに調理すれば、よりローストチキンらしい味わいを楽しめます。
燻製変わりダネ食材 プチトマト
最後に紹介するのは、ちょっと意外な燻製食材です。カットの手間がなく、洗えばそのまま食べられるプチトマトは、キャンプ用食材としても人気が高いもの。このプチトマトも、ぜひ燻製にしてみてください。
「野菜で水分があるため、燻製にするのは難しいのでは?」と思いがちですが、実は意外と初心者向けの食材です。
プチトマトを燻製にする際のポイントは、水で洗ったあとに表面をしっかりと乾燥させること。キッチンペーパーで拭きとるだけではなく、30分ほどそのまま放置しておきましょう。
その後、燻製器に入れますが、5分ほど経過したら、一度ふたを開けて表面の水分を取り除きましょう。再度5分ほど燻製させたら、できあがりです。
プチトマトを燻製にすると、トマトならではの自然な甘さがより引き立ちます。もちろん、燻製ならではの香りの良さも楽しめます。普通の状態よりもコクのある味わいになるので、お酒のおつまみにするのもおすすめですよ。
プチトマトの燻製を作る際には、スモークのし過ぎに注意しましょう。トマトのうま味が薄れ、酸味やえぐみばかりが気になってしまいがちです。
生でそのまま食べられる食材でもありますから、「最長で10分」と意識してみてください。
自由に試して、オリジナルの燻製食材を見つけてみよう!
豊かな香りと新たな味わいを発見できるのが、燻製の魅力! 今回紹介したおすすめ食材をもとに、ぜひキャンプでの燻製調理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
キャンプ料理の新しい道が開けるかもしれません。
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