いまだ品薄状態! ダイソーの新たな人気商品
2020年6月の発売とともに、多くのキャンパーから熱い視線を浴びているダイソーのメスティン。
「メスティンが500円で手に入る」という衝撃的なニュースはまたたく間にキャンパーたちの間をかけ巡り、現在はどこのダイソーに行っても品切れになっている状態です。
そんななか、運良くダイソーメスティンを見つけたので購入してみると、トランギアのメスティンとはまったく違うものであることがわかりました。
ダイソーのメスティンとトランギアのメスティン。この2つを比較しながら、ダイソーメスティンの詳細なレビューをおこないます。
ダイソーとトランギア 本体のスペックを比較
ダイソーとトランギアの両者が公表しているスペックをまとめました。
ダイソーのメスティンはトランギアのものよりもひと回り小さく、重量は3分の2ほどであることがわかります。
また、見た目ではわかりませんが、ダイソーのメスティンには「アルマイト加工」がほどこされているようです。
アルマイト加工とは、サビや摩耗を防止するために、アルミニウムの表面に強固な皮膜を作る加工のこと。
トランギアのメスティンにはアルマイト加工が施されていない(とされている)ので、この点に関してはダイソーが優位。
500円という低価格ながら見えないところにまでコストをかけているのは、さすがはダイソーといったところです。
両者はスタッキングが可能
ダイソーのメスティンは、トランギアのメスティンに収納することができます。荷物を増やすことなくクッカーを1つ追加できるのは、本当にありがたいポイントです。
焚き火台に2つ並べて使用すれば、同時に2品目の料理が可能になります。
ダイソーは丸みを帯びた形状が特徴
ダイソーのメスティンとトランギアのメスティンは、全体のシルエットが大きく違います。
ダイソーのメスティンはまるで競技場のトラックのような形状。無骨なトランギアのメスティンに比べ、ダイソーのメスティンはどこか可愛らしい雰囲気を持っています。
ハンドルのチューブが大きく違う
ダイソーのメスティンのハンドルについている黒いチューブは、トランギアのものより柔らかいものが使用されています。柔らかい感触がいいか硬い感触がいいかは、人それぞれの好みがあると思います。
しかし、ダイソーのメスティンのハンドルはゴミが付着しやすいのが気になります。
対策をしたい場合は、黒いチューブを取り外して、別のチューブかハンドルカバーを装着するといいでしょう。
ダイソーメスティンはフタがゆるい
トランギアのメスティンは、フタが本体に隙間なくハマるように作られています。ひっくり返しても落ちませんし、炊飯をしているときに重しを乗せなくてもフタが浮くこともありません。
一方でダイソーのメスティンはフタがゆるく、パカパカな状態。炊飯をする際には重しを乗せないと、簡単にフタが浮いて吹きこぼれてしまいます。
この点に関しては、トランギアの方がより優秀であると言っていいでしょう。
同じ条件で自動炊飯をしてみた!
ダイソーのメスティンとトランギアのメスティンの2つで、おなじみの「自動炊飯」をおこなってみます。
ダイソーのメスティンには自動炊飯の手順を解説している説明書が入っているので、その手順通りに実施することとしました。
その手順は以下の通りです。
①固形燃料(25g)とメスティン本体をセットし、固形燃料に着火する。
②固形燃料の火が消えるまで、そのまま放置する。
③火が消えたら、メスティンをひっくり返す。
④布にくるみ、15分間蒸らして完成。
上記の手順に加えて、「米の量は1合」、「水の量は200ml」、「米を30分間水につけておく」という条件をそろえて炊飯します。
ダイソーのメスティンで自動炊飯
まずはダイソーのメスティンから自動炊飯をします。内側に目盛りなどは一切ついていないので、水の量はしっかり計って入れる必要があります。
固形燃料に火をつけて8分後、やはりフタが浮いて吹きこぼれてきました。
ここからは重しを乗せて加熱を続けます。そこから10分ほど経過した頃、固形燃料の火が消えたので、タオルにくるんで15分間放置。
そして炊き上がった米がこちら。
見た目は上々。やはり、メスティン自体は1合の米を炊くのにギリギリのサイズで作られているようです。
実際に食べてみると、柔らかすぎず硬すぎない完璧な炊き上がり。底の焦げ付きも見られませんでした。
トランギアのメスティンで自動炊飯
続いて、トランギアのメスティンで自動炊飯をします。
トランギアの方は米1合と水200mlを入れると、水面の高さが内側に見えているリベットの高さと同じくらいになります。
このリベットが目印になるので、水の量を計らなくてもちょうど良い水加減になります。
10分後。沸騰していますが、フタは浮いていません。簡素に見えても、実は精度が高い作りには感心させられます。
それから10分後、固形燃料の火が消えました。同じようにタオルにくるんで15分間放置します。
完成した状態がこちら。
こちらも見た感じはかなり良さそうです。実食してみると、こちらも米の硬さについては文句のない仕上がり。
底の焦げ付きもなく、大成功と言っていいでしょう。
結論:炊き上がりはどっちも同じ!
炊き上がった米の状態は、どちらも同じで完璧な仕上がりでした。
異なる点としては、ダイソーのメスティンには重しが必要なこと。それから、トランギアのメスティンは炊き上がった状態で、まだスペースに余裕があることが挙げられます。
スペースに余裕があるということは、ごはんの上にカレーなどをかけるのに都合が良いということ。
逆に、そのような使い方をしないのであれば、そのスペースはムダであるとも言えます。
そのため、これに関してはどちらが良いとは言えず、はんごうとしての使い勝手においては五分五分と判断して差し支えないでしょう。
オススメは……どちらかではなく、どちらも使おう!
ダイソーのメスティンとトランギアのメスティンを比較してみた結果、細かな部分において、改めてトランギアの製品の良さを再認識する形となりました。
しかし、ダイソーのメスティンはトランギアのメスティンの3分の1以下の価格ということを考えると、十分すぎるほど良くできた製品であることも確か。
そして今回はトランギアとダイソーのメスティンを比較するという内容ではありますが、この2つはそもそも競合するものではないと感じます。
その理由は、やはりスタッキングできるからです。ダイソーのメスティンの真髄は、この点にあるのではないでしょうか。
いつまで品薄の状態が続くかはわかりませんが、需要と供給のバランスが落ち着くその日まで、首を長くして待つだけの価値は間違い無くあります。
メスティンは、ダイソーが世に送り出した珠玉の逸品。キャンプを楽しむすべての人に、ぜひ一度、手にしてほしいアイテムです。
写真・文/斎藤純平
【Profile/斎藤純平】
キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。