バイクツーリングで悩むパッキング問題
バイクでのキャンプツーリングをおこなう場合、荷物をどのようにして持っていくかが重要です。
リュックにすべてのキャンプ用品を入れて背負う、ネットやゴムでバイクにくくりつけるなど方法はさまざま。
なかでも荷物の積載方法として特に人気なのが、シートバッグを使用することです。
リュックを背負うのとは違って体に負担がかかりませんし、お金を払ってキャリア(荷台)を取り付ける必要もありません。
そこで今回は、過去に47都道府県を旅したことがあり、現在も暇を見つけてはバイクに乗ってあちこちに飛びまわっている筆者が、愛用のシートバックについて解説します。
比較する3つの「タナックス」シートバッグを紹介
各メーカーから多種多様なシートバッグが販売されているなか、キャンプツーリングの定番として人気なのが、タナックス社のシートバッグ。
タナックスのシートバッグは手頃な価格でありながらも機能的で使いやすく、かゆいところに手が届くような設計がなされている優秀な製品です。
シートバッグを選ぶときには、多くの人が必ずと言っていいほど選択肢の中に入れているはず。
画像に写っているシートバッグはすべてタナックス製で、左が「ミニフィールドシートバッグ」、真ん中が「フィールドシートバッグ」、右が「キャンピングシートバッグ2」です。
今回は私の手元にあるこの3つのシートバッグを用いて、それぞれの特徴を紹介するとともに、どのくらいの量の荷物が入るのかを比較します。
これからキャンプツーリングを始めようとしている方や、現在所有しているシートバッグの容量に不満を持っている方など、シートバッグの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
ふだん使いに最適なタナックス「ミニフィールドシートバッグ」
タナックスのミニフィールドシートバッグは、日帰りのツーリングにちょうどいいサイズのシートバッグです。
容量は通常19Lで、サイドを拡張すると27Lまで増やすことができます。見た目がかなり小さく見えるわりには、意外なほどたくさんのものが入ります。
どんなバイクにも装着できることと、バイク全体のシルエットにあまり影響しないのがいいところ。
使い勝手よりも見た目にこだわりたい方は、小さいシートバッグでなんとかやりくりするのも一つの手です。
タナックスのミニフィールドシートバッグの中にはこれくらいの量の荷物が入ります。
サイドポケットや上部のゴムひもを使わず、メインの収納スペースにだけ入れています。そのため実際に使用するときには、もう少しだけ荷物をプラスできます。
ふだん使いとしては必要十分な容量を持っているものの、これで泊まりがけのキャンプに行くのは少々厳しいものがあるでしょう。
テント泊ではなくハンモック泊をするのであれば、なんとかいけるかもしれません。しかしキャンプツーリングに行く気があるのであれば、最初に購入するシートバッグとしては選ばないでおくのが無難です。
ミニフィールドシートバッグ
参考価格:15,950円(本体価格 14,500円)
色:ブラック
材質:1680Dナイロン+PVCレザー
サイズ
200(H)×370(W×300(D)mm(最小時)
200(H)×510(W)×300(D)mm(最大時)
※横(W)サイズはサイドポーチを含みます。
容量:19~27リットル
最大収納量:7.0kg
部品構成:Kシステムベルト×1 レインカバー×1 接続バックル×1 ショルダーベルト×1
オプション:レインカバー付属
1泊2日のキャンプにちょうどいいタナックス「フィールドシートバッグ」
タナックスのフィールドシートバッグの容量は39~59L。このサイズになると、1泊以上のキャンプツーリングでも十分に役に立ちます。
ミニフィールドシートバッグと大きくちがうのが、シートバッグの上からだけでなく、横からも荷物の出し入れができること。
これにより横幅ギリギリに入るような長尺物も、タナックスのフィールドシートバッグなら難なく収納することができます。
日帰りのツーリングでは少々大きく感じるサイズですが、かといってバイクに乗せた感じも違和感を覚えるほどの大きさでもありません。
タナックスのミニフィールドシートバッグ同様に、ふだんのツーリング用としても使いやすいシートバッグです。それに日帰りツーリングであれば、土産や上着を入れたとしてもヘルメットが余裕で入ります。
タナックスのフィールドシートバッグに入るのはこのくらいの荷物です。
最低限必要のキャンプ用品はひと通り入りますが、余計なものを入れるほどの余裕はないといった感じ。中に入れるキャンプ用品は、ある程度コンパクトな物を選ぶ必要があります。
しかしふだん使いにするにも大きすぎず、そしてキャンプにも使用できるので、個人的には3つのなかで1つだけ買うとしたらいちばんオススメのサイズです。
サイズで迷っているなら、タナックスフィールドシートバッグを買っておけば間違いありません。オールラウンドで使えます。
フィールドシートバッグ(ブラック)
参考価格:25,080円(本体価格 22,800円)
色:ブラック
材質:1680Dナイロン+PVCレザー
サイズ
310(H)×470(W×310(D)mm(最小時)
310(H)×670(W)×310(D)mm(最大時)
※横(W)サイズはサイドポーチを含みます。
容量:39~59リットル
最大収納量:10.0kg
部品構成:固定ベルト×4 レインカバー×1 接続バックル×1 ショルダーベルト×1 ホルダーベルト×2(本体に装着されています)
オプション:レインカバー付属
長旅もこなせるタナックス「キャンピングシートバッグ2」
ちょっと荷物が入ればいいならタナックスのミニフィールドシートバッグ、ふだん使いもできてキャンプツーリングにも使いたいならタナックスのフィールドシートバッグ。
そして、とにかく容量が大きいシートバッグが欲しい方は、タナックスのキャンピングシートバッグ2を選びましょう。
タナックスのキャンピングシートバッグ2は、初代キャンピングシートバッグが登場した20年近く前からほとんど同じ設計で作られています。
それでいて今現在も多くのライダーから選ばれているベストセラー。最新のシートバッグに負けない機能性と信頼性を持っているということです。
容量は59〜75Lとかなり大きく、キャンピングシートバッグ2にかかれば、日本一周くらいは余裕でしょう。キャンプ用品のほかにも着替えや生活必需品もたくさん入るので、長期間のバイク旅にも持ってこい。
タナックスのキャンピングシートバッグ2には、これだけたくさんのものが入ります。
フィールドシートバッグより容量が多いだけでなく、ネットやカラビナを取り付けられるDリングがいたる場所に備わっています。
シートバッグの外側にもたくさんの荷物を積載することができるので、容量のちがい以上に高い積載能力を持っていると言えるでしょう。
しかしふだん使いには少し大きすぎるので、キャンピングシートバッグ2のほかに小さめのシートバッグがあると便利です。
キャンピングシートバッグ2
参考価格:28,380円(本体価格 25,800円)
色:ブラック
材質:1680Dナイロン+PVCレザー
サイズ
350(H)×620(W×350(D)mm(最小時)
350(H)×820(W)×350(D)mm(最大時)
※横(W)サイズはサイドポーチを含みます。
容量:59~75リットル
最大収納量:14.0kg
部品構成:本体×1 固定ベルト×4 レインカバー×1 接続バックル×1 ショルダーベルト×1 ホルダーベルト×2(製品に装着されています。) セフティベルト×1
オプション:レインカバー付属 セーフティベルト付属
タナックスのシートバッグをキャリアに乗せる場合は重さに注意!
シートに乗せるのであれば問題ないのですが、キャリアに乗せる場合にはキャリア自体に指定されている最大積載重量を確認しましょう。
最大積載重量を超える重さの荷物をキャリアに乗せて走行すると、最悪の場合、走行中にキャリアが破損してバランスを崩し、重大な事故につながる可能性があります。
荷物を入れたシートバッグの重量が最大積載重量を超えるようであれば、テントやテーブルなどの重いものをシートバッグから出して、それらだけでもキャリアではなくシートの上にくくりつけるなどの対策をしなくてはなりません。
フィールドシートバッグとキャンピングシートバッグの2つは容量いっぱいに荷物を詰めると重量オーバーになる可能性が高いので、とくに注意する必要があります。
シートバッグはタナックスを選んでおけば間違いない
最大積載重量にだけ気をつければ、これを使わないキャンプツーリングなんて考えられないと思えるほど便利で使いやすいシートバッグ。
市場にはいろんなシートバッグが出回っていますが、やっぱりタナックスのシートバッグが信頼性・実績ともに抜きん出ていて、実際に使用してみると本当によく考えて作られた商品であることがわかります。
シートバッグの購入を考えている方は自分の使い方に合った容量のものを選び、快適でより楽しいキャンプツーリングを実現しましょう。
写真・文/斎藤純平
【Profile/斎藤純平】
キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します