日本初の本格的なグランピングを体験してみた
昨今のブームで、グランピングをという言葉を聞いたことがある人も多いだろう。
「Glamorous Camping」=「魅了的なキャンプ」を組み合わせたものが「Glamping(グランピング)」というわけだが、由来は欧州の貴族が日常の豪華な生活をフィールドに持ち込んだことに由来する。
そのスタイルを独自に解釈し、日本の風土や素材を存分に生かして実現したのが、星野リゾートグループの星のや富士である。
今回、同施設を利用する機会があったので、施設の内部やサービス、そして日本人だけでなく海外の人も魅了する特徴を余すことなく紹介する。
まずは星のや富士について簡単に紹介
星のや富士は、2015年10月にオープンしたリゾート施設。当時はまだ聞きなじみのなかったグランピングという文化を、日本でいち早く取り入れた施設として話題となった。
現在も自然を欲する都会のカップルから海外の通な観光客まで幅広い人が利用し、アウトドア感覚を味わいながら癒やしの時間を堪能している。
チェックインの時点から他と一線を画する
星のや富士は、スタートの時点から他のホテルとまったく異なる。というのも、通常はチェックインの時間に宿泊するホテルへ向かい、敷地内の駐車場に停めるのだが、同施設は「レセプション」と呼ばれる場所を目指す。
ここの隣接する駐車場に車を停め、送迎車に乗って宿泊施設へ向かう。わざわざ施設を離れた場所に車を停めて向かうのは、このレセプションで日常の感覚から離れ、アウトドアで過ごす気持ちに切り替えてもらうためだという。
宿泊施設までは3分ほど。着いたらフロントへ。降りて目の前に見えるテラスは、まるで絵画を実物化したような美しい空間が広がっていた。人だけでなく自然の風景のお出迎えにも脱帽。
チェックインの手続きは、キャビンと呼ばれる客室で行う。星のや富士はすべてボックスタイプのキャビンとなっており、カップル向けからファミリー向けまで4つのタイプを設けている。
外観はアスファルトのような無機質な感じだが、実際の木材の木目をトレースして仕上げられている。このシックな佇まいにも驚きを隠せない。
筆者はスタンダードなT Cabinに宿泊。天井が高く開放感もある室内で、目の前には河口湖を見下ろす絶景が待っている。加湿器やBluetooth対応のスピーカーまで用意され、自分の過ごしたいスタイルで過ごせるのはうれしい。
グランピングを象徴するクラウドテラス
星のや富士へ来たら必ず行くべき場所がある。それがこちらのクラウドテラス。
雪の積層のように階段状になったウッドデッキが用意され、それぞれで異なった過ごし方が体験できる。
クラウドテラスにいると、時間の流れがゆっくりに感じる。夕方になるとライトやろうそくが灯され、さらにムーディな雰囲気が漂う。18時から夕食の時間になるので、ここでいったん下に降りることにする。
食事は3つの場所から選択できる。
フロントの向かい側にあるメインダイニング、その下に設けられた屋外のフォレストキッチン、そしてキャビンのテラスリビング。宿泊時もしくはチェックイン時で申し込みができるので、気分に合わせて決められる、詳細については別記事で紹介する。
>次回記事【星のや富士の極上”グランピング”サービスを体験! 料理もアメニティも別格!】(2020年3月21日公開)
夜のクラウドテラスも足を運びたい
おいしいごはんをいただいたら、「ふかふかのベッドで寝るか!」となるわけだが、ちょっと待った! まだ楽しい体験が待っている。そう、先ほどいたクラウドテラスへ行ってみてほしいのだ。
最上階の建物では、毎週「森の演奏会」と題した屋内ライブが開催される。この日はチャップマンスティックと呼ばれる弦楽器を使ったアーティスト・woody mojarさんがヒーリングソングを演奏していた。
空気がおいしい外で飲めばさらに気分も上がる。演奏が終わって21時30分。筆者は翌朝に取材があるため、これで部屋に戻って就寝した。
星のや富士で過ごすと、キャンプの不便さ(調理と洗い物、気候の変動対策、ギアの設営・撤収など)はほぼないのに、アウトドアで体験したい要素(焚き火、自然の中で食事、快適な就寝など)はしっかり盛り込まれているため、アウトドアを気軽に感じながらゆっくりを過ごしたい人にはぴったりの施設。
個人的には1泊だと一瞬で終わってしまうように感じたので、できれば2泊ほどしてじっくりとその魅力を味わってもらいたい。
なお、レセプションからキャビンの様子、そしてクラウドテラスの様子などを録画した動画も配信中。合わせてご覧ください。
星のや富士 施設情報
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
TEL:0570-073-066(星のや総合予約)
公式ホームページはこちら
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。