バーベキューに欠かせない「炭」
暖を取る用の薪に比べ、火力が安定しやすくじっくり調理ができる炭はバーベキューに欠かせない相棒。
炭にこだわるだけで、いつものバーベキューがぐんとレベルアップすることもあるんです!
今回は、炭の種類と特徴、火のつけ方から片付け方まで、バーベキューを成功させるための”炭の基本”についてご紹介します。
炭の種類と特徴
「炭」と一言で言っても様々な種類があり、各々特徴や値段も違います。
自分のバーベキュースタイルや用途に合わせた炭を選びましょう。
①木炭(マングローブ炭)
火力:○ 火つき:○ 燃焼時間:○ 値段:◎
「バーベキュー用炭」として、ホームセンターでよく売られているオーソドックスな炭。
燃焼時間が短い上煙や匂いが気になりますが、火つけがしやすくお手頃に入手できるので、初心者でも扱いやすいです。
②黒炭
火力:○ 火つき:○ 燃焼時間:○~◎ 値段:△
「切り炭」と売っている物もこの黒炭の1つ。
火力のコントロールがしやすく燃焼時間もまあまあ長いため、大人数のバーベキューで活躍!
煙や匂いがあまり出ないのも嬉しいポイントです。
③白炭
火力:◎ 火つき:× 燃焼時間:◎ 値段:×
「備長炭」で有名な表面が白っぽい炭。
燃焼時間の長さは抜群ですが、着火のしにくさや火の消えやすさから扱いが難しく、上級者向けとされています。
煙や匂いがほとんどないメリットがある反面、硬くて重い、高価であるというデメリットもあります。
④成形木炭
火力:△ 火つき:○ 燃焼時間:△ 値段:○
オガクズやヤシガラを加工成形して作られた炭で、中には着火剤成分が練りこまれている、火つけの際の着火剤が不要な便利な物もあります。
形や大きさが揃っているので扱いやすく、おまけに爆ぜにくくもあるので、初心者向けの炭の1つです。
⑤オガ炭
火力:◎ 火つき:× 燃焼時間:◎ 値段:○
成形木炭の一種ですが、特徴がかなり違います。比較的安価な割に燃焼時間が長く、頻繁に炭を足さなくとも火力が安定するメリットがあります。
炭を使って火を起こすときのポイント
炭の用意ができたら次は点火です。着火剤と炭を上手に使って火を起こしましょう。
まずは新聞紙と着火剤をコンロの中央に置き、その周りに炭を組んでいく際、煙突の形を意識して真ん中に空気の通り道を作ります。
煙突効果で空気が入り込み、火が燃えやすくなりますが、「火がついたから」といって焦って風を送らないように!
炭全体に火がしっかり回ったのを確認してから、空気を送りましょう。
炎がおさまり、炭の割れ目が赤くなってきたら調理OKのサインです。
調理をする際、強火・中火・弱火を使い分けたい方は炭の置き場と量を工夫してください。
グリルの左端は炭を多めに、そこから右にかけて炭の量をどんどん減らしていくようにすると、火力に差をつけられます。
バーベキューの際、グリル全体を同じ火力で使っていると焦げて食べられない物が出てくるもの。
そうならないよう、同様にグリル内に火力差を作り、保温スペースを確保しておくと便利ですよ。
火を効率よく燃やし続けるには?
バーベキューで1人当たり必要な炭の量をご存知でしょうか?
一般的に、1~2時間バーベキューを楽しむのに1kg/人が目安と言われおり、4人家族で2時間楽しむには3~4kgは必要になります。
しかし、これはあくまで目安で、炭の質やコンロの大きさによっても変わります。
バーベキューの途中で炭が無くなった!なんてトラブルを避けるためにも、多めに持って行くことをオススメします。
肉を焼いて、食べて、喋って…とバーベキューに夢中になっていると忘れがちなのが火の管理。
せっかく火起こししたのに途中で消えてしまうとせっかくの場の盛り上がりも途切れてしまう上、一度落ちた火力を復活させるには時間がかかります。
火起こしに慣れるまでは火の管理に気を配り、早め早めに炭を追加する癖をつけておきましょう。
炭を追加する際は白くなった炭の上ではなく、下に密着させるように入れてみてください。
そうすることで火力を保ったまま、新しい炭に火を移すことができます。
炭同士が密着していると火が移りやすくなるだけでなく、火力が落ちにくい&火が消えにくくなる効果もあります。
炭の後始末はしっかり!
立つ鳥跡を濁さず。楽しいバーベキューの後は片付けまで気を抜かずしっかり行いましょう!
きちんと消火しないまま放置していると、思わぬ事故に繋がるので、安全で正しい後始末方法を知っておく必要があります。
「大量の水をかけて火を消せばいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これはNG!
バーベキューグリルや七輪に直接水をかけると、急激な温度変化により変形・破損の恐れがあります。
炭にかける場合も、大量の水蒸気や舞い上がった細かい灰による火傷の危険がある上、炭も中まで水が浸透せず完全に消火できません。
消火壺や水の入ったバケツで丁寧に消火した後、ある程度冷めてから道具を片付けるようにしましょう。
消火壺を使う場合
燃えている炭もそのまま壺の中に入れ、完全に炭が消火されるまで蓋を閉じて待つだけ。
炭の入った壺は高温になるため、取り扱いに注意しましょう。
水入りバケツを使う場合
たっぷり水の入ったバケツに1本ずつ炭を入れ、芯まで火が消えるよう10分以上しっかり水漬けしましょう。
一気に大量に消火しようとすると、高温の水蒸気が発生する危険があるので、必ず1本ずつ確実に消してください。
完全に火が消えた炭はキャンプ場内の指定の場所に持って行くか、家に持ち帰り自分の地域のゴミ分別に沿って処分しましょう。
炭は自然に還らないので、土に埋めるのは厳禁。廃却灰も植物の種類によっては栄養になりますが、不向きな植物もあるので、肥料として使いたい場合は調べてからにしましょう。
一度使用した炭、燃え残った炭である「消し炭」は火のつきが良くなるため、次回の火種として再利用が可能です。
持ち帰る際はしっかり乾燥させ、乾燥材を入れた袋に入れるなどして湿気対策に努めましょう。
適切な炭選びで充実した調理を
楽しいバーベキューやキャンプは、準備から後片付けまで、炭を正しく安全に使えてこそ。
自分のキャンプスタイルに合わせた炭の種類、グリルの作り方を追求することで、もっと快適で充実したバーベキューを目指してみませんか?