ヒルバーグのソロ用テント「ソウロ」は業界人も大絶賛
「ヒルバーグ」と聞けば、テントを持つ人にとって憧れのブランドと言える存在。軽量重視のイエローレーベルやバランスのとれたレッドレーベル、快適性を追求したブラックレーベル、集大成のブルーレーベル、そしてミニマリズム仕様のシェルターレーベルなど全5種類を持ち、業界人もその卓越した機能性と高いデザイン性に惚れ込む人も多い。
今回は、その中でも1人用のコンパクトな自立型ドームテント「ソウロ」にフォーカス。設営からサイズ感までを紹介する。
ヒルバーグ「ソウロ」はなぜ憧れの的なのか
ヒルバーグは1971年にスウェーデンで創業したテントメーカー。スタートのきっかけは、夫婦経営の会社の副業でテントを製造していたことだという。メインは林業機器関連で、その傍ら夫のボー・ヒルバーグ氏がテントのデザインと販売を、妻のレナーテ氏が縫製を担当していたそうだ。
最初のヒットは、アウターとインナーを同時に設営できるテントを設営できる「Keb(ケブ)」。そこから非常に高い引き裂き強度をもつ「ケロン1500」を開発し、世界で愛用者があふれるほど人気になる。
ソロテントの最高峰「ソウロ」をレビュー!
そんなヒルバーグの魅力を紹介したところで、さっそくソウロを設営してレビューしよう。こちらは快適性・設営のしやすさを兼ね備えたレッドレーベルに属している。まずは収納した状態から。
サイズはφ19.5×53cmで重量は最小重量2kg(総重量2.4kg)と、収納サイズが大きいわりには軽量に作られている。ユニフレームの定番「焚き火テーブル」と並べてみたところ、長さがほぼ同じで幅が少し狭いくらいだ。
開封して中身をチェック。テント本体とDAC社製のアルミポール、強化アルミニウムで作られたVペグ12本が入っている。フットプリントは別売りで買う必要がある。
設営が完了。全体サイズは幅160×長さ220×高さ95cm。自立式で初心者でもラクに設営ができる。アウトフレーム構造+吊り下げ式タイプを採用し、慣れればものの10分程度で張れる。
特徴は2本のポールを横切るように通すポール。これのおかげでテント幅が広がり、前室を広く使うことができる。実際にソフトクーラーを入れてみて、十分に収まる。シューズやザックも、これなら余裕で入れられるだろう。
ソウロはフライシートとインナーテントが別々になったダブルウォール構造を採用。他のテントと異なるのが、インナーテントを吊り下げるのはポールではなくフライシートであること。
ここがヒルバーグの素晴らしい点で、インナーテントの設営→フライシートを被せるという面倒な流れを省略することができる。インナーテントをフライシートにつけっぱなしで収納できるので、撤収もラクなのだ!
ヒルバーグ「ソウロ」のおもしろいところは「シールドルーフ」
興味深い点といえば、フライシートの上に付ける「シールドルーフ」が少しずれているところ。「付け方を間違えているのでは?」と思う人もいるだろうが、実はこれでいい。
ヒルバーグのドームテントは、どれも雪中での使用も想定して製造され、テントの上に積もる雪をこのシールドルーフがずれていることで効率的に下に落としてくれる。
シールドルーフを外すと、前室の上部には三角形に開けられるファスナーがついており、ここを開けると換気をすることが可能。
実際にはルーフで隠れているため、ここから中に落ち葉やモノが入ることはない。暑い日にインナーテントだけの蚊帳スタイルにできないぶん、ここでその問題を解決できる。
ヒルバーグ「ソウロ」インナーテントの中をチェック
外観を細かくチェックしたところで、次にインナーテントの中を見てみよう。1人用のテントということもあり、サーマレスト「Zライトソル」がピッタリ収まる。横に少しの隙間があるので、衣類や少々の荷物は置くことができる。
入り口はウォール生地とメッシュ生地の2枚構造で、内側のウォールをくるくると丸めれば風を通しやすくなる。前室を開ければさらに快適になる。
また、インナーテントには2ポケットが内蔵。スマホやバッテリー、そのほか小物を入れることができる。テント内はとても明るく、夕方でも本を読むことができるほどだ。
ヒルバーグ「ソウロ」を使用して気になったことといえば
個人的に木になる点といえば、生地がほつれやすいことと生地にシワ癖がつきやすいこと。
前者は丁寧に扱っていれば問題ないかもしれないが、筆者は2年ほど使ってポールスリーブ周辺にほつれが出てしまった。後者は生地の特性上、使っているうちにできやすいため、キレイに使いたい人は丸めてシワが寄らないように撤収するのがいいかもしれない。
ちなみに、価格は税別9万6,000円。比べるまでもなく、とても高価である。ここをどう見るかは、ぜひ使ってみてからのお楽しみとしておこう。
ソロテントの最高峰ヒルバーグ「ソウロ」をぜひお試しあれ!
価格に驚く人もいるかもしれないが、そのぶん、使い勝手の良さと居住性の高さ、そして信頼できる構造で業界人からの信頼は厚い。「他の人とカブりたくない、もしくは高性能のテントを使いたい」という人は、ぜひ試してもらいたい。
ヒルバーグ「ソウロ」アイテム紹介
価格:9万6,000円+税
全体サイズ(約):幅160×長さ220×高さ95cm
収納サイズ(約):φ19.5×53cm
総重量(約):2.4kg
商品の詳細はこちら
https://www.hilleberg.jp/product/tent/detail/12770084/
撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。
※この記事は2019年の記事を再編集して再掲したものです。