風対策してます?
快適なキャンプの敵と言えば雨だけではなく、見落とされがちなのが風。思わぬ強風でテントが倒れたり破れたりと、場合によってはたいへん危険です。
そこで今回は風が強いときでも安全にキャンプを楽しめる、風対策の基本をご紹介します。
キャンプにおける風の恐ろしさとは?
そもそも、楽しいキャンプを脅かすほどの強風とはどのレベルなのでしょうか?
キャンプサイトの立地などによって異なりますが、一般的に風速10mを超える風はキャンプにおいて危険とされています。
雨の場合、浸水でその日はテントなどが使えなくなりますが、乾かせばまた使えます。
しかし風の場合は、テントのポールが折れたり、フライシートが破れてしまったりと道具の破損が多く、その後のキャンプにも大ダメージを与えます。
強風の中でテント設営を続行し、もし無事に張れたとしても、夜は眠れないほど風の音がうるさく、また不安になります。
キャンプを楽しみにして来たなかでの判断は難しいですが、風の強い日は無理をせず、安全第一でコテージなどの宿泊に切り替えましょう。
しかし、風が弱い日でも突然の強風がくることも。そんなときでもあせらなくて済む、強風対策をいくつか見ていきましょう。
風対策その1 影響を受けにくいキャンプ場探し
はじめから風の影響を受けにくいところにいれば安心です。
全国のさまざまな場所にキャンプ場はありますが、それぞれに特徴があり、なかには風に強いところもあります。
風の強い季節や天候、風の影響を受けたくない場合は森林の多いキャンプサイトを選びましょう。海岸線の防風林のように、木々が風からテントを守ってくれます。
木が風に揺れザワザワ音がしますが、風の影響を直接受けることが少ないので、木が密集した場所の近くはテント設営穴場スポットです。
逆に、高原にあり、ひらけたキャンプサイトは要注意です。視界が広く、景色がきれいなところも多い高原キャンプ場ですが、風に弱い立地でもあります。
風の通り道である山と山の間やくぼみに位置することが多いため、他の場所よりも風が強くなりやすいのです。そして、ひらけていると風を遮るものがないため、風の影響をつよく受けてしまいます。
同じ理由で川沿いのキャンプ場も風の影響を受けやすいので、気をつけましょう。
また、風が強い場合、キャンプ場では端のほうの木々に近いところだったり、管理棟のすぐそばだったり、全方位から風が来ないような位置どりをすることもポイントです。風の影響が限定的になります。
風対策その2 テントをしっかり固定する
テントはキャンプの要。テントをしっかり固定していないと思わぬ破損につながります。テント設営時にできる強風対策は細々したものが多いですが、ひとつずつ確実に押さえていきましょう。
・テントの入り口の向きを考える
テントの入り口は風下側に開けましょう。風上側を開けるとテント内に風が入り込み、テントが飛ばされてしまう恐れがあります。
風がどちらの方向から吹いているのかチェックしたり、風向きの変わりやすい山や海ではしばらく風の吹き方を観察する必要があります。
また、テント設営時も風の影響を受けて飛ばされることがあるので、あらかじめテント内にザックなどの重しを置いておくと安全に設営しやすくなります。
・ペグにもひと工夫
テント固定に欠かせないペグ。地面が柔らかいと抜けやすくなるので、乾いた固めの地面に打ち込みましょう。
テントとは逆向き、地面に対して60~90度の角度をつけてペグを打ち込むと、抜けにくくなり簡単に風に飛ばされなくなります。
また、風が強いとあらかじめわかっている場合は鍛造ペグがオススメです。華奢で曲がりやすいアルミペグと違い、丈夫で重く、地面をしっかりとらえてくれるため、強風時には心強いペグです。
ただし、柔らかい地面の場合は効力を発揮できず、逆に抜けやすくなるのでご注意を。
・ガイロープ(張り網)の固定まで徹底する
よりテントをしっかり固定するコツは、ガイロープにあります。ガイロープをペグでしっかり固定していれば、テントのフレームが風でゆがむことや折れることを防げます。
風が強い日のテント設営にガイロープは欠かせませんが、風が弱いときも万が一のことを考え、ガイロープもペグダウンしておくことをオススメします。
ガイロープの張り方にもコツがあります。
まずテントを広げたら、ガイロープを張る場所を決めます。ガイロープを各フレームの延長線上に伸ばし、その先にペグダウンします。
たるまないよう調節し、対面するガイロープが一直線になっているか、ガイロープ同士の張る力は等しいか、ピンと張っているかなど確認しましょう。
この作業はとても重要で、テントが風に耐えられるか否かの分かれ目になります。
また、ガイロープは地面に固定するようにしましょう。
ダブルウォールテントの場合、ガイロープを木の枝などの高い位置で固定する人もいますが、これはテント破損の可能性があるので要注意です。
まだまだ突風が心配な方は予備のガイロープを持って行っておくと良いでしょう。
風が強くなった際の補強としても使える上、物干しや物の固定など、ロープの活躍の場は案外多いもの。実用的なお守りになります。
風対策その3 究極、無理はしない
キャンプ場もしっかり選んだし、テントの固定もバッチリ! それでも、風の影響を受けるときは受けます。
夜半に風が強くなりそうだとわかる場合は、テントや道具類を片づけて、車中泊に切り替えるなど、勇気ある決断をしましょう。
特に、強風時の焚き火には注意が必要です。もし風に負けず火を起こせたとしても、その後風に舞う火の粉は手に負えませんし、それがテントや木々に燃え移れば山火事になりかねません。
キャンプでの焚き火は楽しみのひとつですが、ときには諦めも肝心です。強風でも安全に使えるバーナーなどを準備しておきましょう。
また、テントをしっかり張れたからといって油断は禁物です。テントが風に飛ばされなくとも、物は飛んでゆきます。
朝起きて、アレがない、コレがないとならないよう、寝る前にはサイトに広げた道具をしまっておきましょう。
まとめ
ふだんの天気予報で風を気にされる方は少ないですが、キャンプにおいては重要になってきます。風の脅威は想像以上になるもの。油断は禁物です。
この記事を参考に、サイト選びからテントの固定まで風対策を徹底し、快適かつ安全なキャンプを楽しみましょう。