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【平戸市移住体験談】友人のUターンがきっかけ!3日目で決意した理由とは?

島暮らしを選んだ移住ライフ

長崎県は全21市町のうち、陶芸で有名な波佐見町を除いて、すべて海に面している海洋県だ。さらに九十九島、対馬、壱岐島、五島列島など、島も多く、長崎県下には594もの島が存在している。これは日本一の数だ。今回は、そのなかの1つ、平戸島に移住した吉田佑介さん、綾子さん夫婦の物語。

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長崎・平戸ってどんなところ?

さて、本題に入る前に、移住の舞台となる平戸島について解説を少し。長崎県平戸市は、県の北西部にある平戸島、生月島(いきつきしま)、度島(たくしま)、的山大島(あづちおおしま)、平戸島の対岸の九州本土の北松浦半島北西端の一部が行政区域としている。島の大きさは、南北に32km、東西の最大幅約10kmとなっている。今回、登場する吉田さん夫婦は、京都から平戸島にやってきた2歳のお子さんがいる30代の夫婦だ。

平戸の前は京都に住んでいた吉田さん夫婦

「もともと京都でアウトドアのガイドをやっていたんです」

そう話すのは夫の佑介さん。妻の綾子さんが話を続ける。

「平戸に来る前は、京都の美山町(編注:京都府南丹市美山町)に住んでいました。“かやぶきの里”で有名な地域です。そこに6年半くらい住んでいて、さらにその前は京都市内に住んでいました」

京都市内に住んでいたころは、盆地ならではの夏の厳しい暑さで毎年、体を壊していたとか。

「このままでは体によくないと思って京都市から離れることにしたんです」(綾子さん)

それで移り住んだ先が、同じ京都でも山深い南丹市の美山町だった。街暮らしから、自然豊かな田舎暮らしへと生活が一変した。

「京都から平戸に来たのも移住ですが、同じ京都府内ですけど、京都市から美山への引越しもいわゆる移住でした」(綾子さん)

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”かやぶきの里”と呼ばれている美山町 写真提供:山彦舎

冬になるとマイナス10度を記録することもあり、100cm近く雪も降るエリア、渓流や山も近かったと言う。ラフティングやリバーカヤック、トレッキング、スノーシューなど、さまざまなアウトドアのアクティビティが楽しめる土地だ。

「美山に住んでいたときは、自給自足の生活をメインにしながらアウトドアのガイドをしていました。田んぼとか畑をやって、あと狩猟も。わな猟の免許を持っていて、鹿やイノシシを取っていました」(佑介さん)

もともと山が好きで、幼いころから自然と親しんできた佑介さん。ネイチャーガイドは天職だった。

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美山時代の佑介さん。自宅はかやぶきではなかったそうだが、このとおり隣家は立派なかやぶき屋根だ 写真提供:山彦舎

平戸島移住のきっかけはUターンしていた友人

「猟の免許を一緒に取った昔の友人がUターンで平戸に帰っていたんです。京都の次はどこに住もうかと考えていたときに、その友人を頼って平戸に旅行で訪れました」(裕介さん)

まだその段階では、どこに住むかは白紙状態。佑介さんひとりでの旅だった。

「ぼくが山好きということで、その友人が平戸の山を全部登るという案内をしてくれて(笑)。いわゆる観光地に行きたいわけじゃないからいいんですけどね。山に登ったら海も見えるし、いいでしょって。平戸のいちばん北の山からピークハントをしていきました」(佑介さん)

それで大体の地形や自然、島の雰囲気を把握できたそう。そして、

「平戸は山もあって海もある。僕の好きなアウトドアのフィールドがすぐ近くにそろっているのが魅力でした。それで、旅行の三日目くらいには、平戸に移住しようと決めていました」(佑介さん)

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海も山も近い平戸島。アウトドア好きにはたまらない環境だ。 写真提供:山彦舎

とはいえ移住となると、家族への相談も必要。

「平戸に行って1週間も経たないうちに、夫から電話がかかってきて“平戸にしようと思う”と言われて、私は“…うん、あ、そう。わかった!”みたいな感じで受け入れちゃいました(笑)」

なんと綾子さん、引越して来るまで平戸には一度も来なかったとか。ぶっつけ本番で移住に不安はなかったのだろうか。

「平戸を案内してくれた友人は信頼が置ける思慮深い人だと私たち夫婦は思っています。その彼を通じて知った平戸を夫が気に入ったので、特に不安はありませんでした」

平戸への旅行中に家も仕事も見通しが立った

土地が気に入ったとしても、移住となると頭を悩ますのが家や仕事の問題だ。しかし友人が、平戸に住んでいる同世代の仲間や上の世代の方とつないでくれたことがきっかけとなり、移住の話は急速に進んだ。

「出会った人たちがいくつか候補をあげてくれたんです。家は、友達の実家の隣に片づけたら住める空き家があるから大丈夫だと。仕事は、地域おこし協力隊に空き枠があり、平戸市の根獅子(ねしこ)町という地区のまちづくり協議会が協力隊を募集していました。そのときに町の協議会のメンバーの方とも知り合って、“募集しているから来たらよか!”って」

平戸に旅行に来ていた1週間のうちに住むところと働き口の見通しが立ったことも移住の追い風となる。

また、綾子さんはほかにも平戸に魅力を感じたポイントがあった。

「私は横浜育ちで海も好きなので、平戸は島で海がそばにあるっていうのもよかった。京都の美山町は、山の中の暮らしだったので、新鮮な魚が食べたかったんです(笑)。とにかくおいしい刺身が食べたくて。それに平戸には温泉もあると聞いて、ものすごく心が動きました」

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平戸の海は透きとおり、青さが際立っている 写真提供:山彦舎

平戸移住の前の京都・美山の暮らしがいいクッション

なんとも軽やかに移住を決めた吉田さん夫婦だが、美山町での暮らしがよいクッションになっていたようだ。田舎暮らしをしていたことで、密なご近所付き合いも経験していたし、都会とは違う暮らしの不自由さも把握できていた。

「美山でいろいろな経験をしていたので、もう怖いものはありませんでした。それに、主婦としては荷物をまとめる手間は、同じ町内でも県外でも一緒。行き先が違うだけなので、引っ越すころには開き直ってました」(綾子さん)

そして、2015年9月、自然豊かな長崎県平戸市へ移住し、吉田さん夫婦の新しい生活がスタートしたのだ。


次回は平戸での仕事のことを中心に紹介します。お楽しみに。

vol.2へ続く】

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text:george

【PROFILE/george】

茨城県東海村出身の32歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。4年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条


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