冬キャンプにはあったか〜い「おでん」がおすすめ
冬の風物詩ともいえる「おでん」は、キャンプにもぴったりなメニュー。
レトルトのおでんをクッカーで温めて食べるのもよし、材料や調理器具を一通り揃えて一から手作りするのもよし。
好きな具材を煮込んで作るおでんは、ソロはもちろんファミリーやグループキャンプにもぴったりなアウトドア向けメニューなのです。
今回は、寒い日にも身体をぽかぽか温めてくれる「おでん」をキャンプで味わうために必要なギアやレシピをご紹介します。
キャンプおでんはレトルトor手作りどっちがいい?
スーパーやコンビニなどで温めるだけで食べられるレトルトのおでんは、クッカーやダッチオーブンを使って温めるだけですぐに食べられるのがメリット。
材料の調達や下ごしらえが不要で、包丁やキッチンバサミなどの調理器具も不要なため、身軽にキャンプを楽しみたい時におすすめです。
一方、だしや食材を調達して一から手作りするおでんは、味を自分好みにアレンジでき、好きなだけ作れるのがメリットです。
自宅で手作りしたおでんをジップロックなどに入れて持ち運び、食べたいタイミングで温める人もいます。
キャンプでおいしく食べられるおでんの下ごしらえ
キャンプでおいしいおでんを作るためには、具材ごとに適した下ごしらえをするのが重要です。
大根の下ごしらえ
味がしみた大根は、おでんの味を決める最重要ポイントです。水ではなく米のとぎ汁を使うことで大根のえぐみが取れ、味が染みやすくなります。
- 大根は皮を厚めにむき、2〜3cm厚の輪切りにする。
- 表面に十字の隠し包丁(切り込み)を浅く入れる(味がよく染み込む)。
- 米のとぎ汁、または米ひとつまみを加えたお湯で、竹串がスッと通る程度まで下茹でする。
- 茹で上がったら冷水で冷ましておく。
こんにゃくの下ごしらえ
アク抜きをすると独特の臭みが抜け、おでんのだしが染みやすくなります。
- こんにゃくは食べやすいサイズに切る(味の染み込みがよくなるよう、格子状に切れ目を入れてもOK)。
- 沸騰したお湯で2〜3分ほど茹でてアク抜きする。
- 水気をよく切ってから鍋に入れる。
ゆで卵の下ごしらえ
半熟卵はおでんには向かず、固ゆでにすることで煮崩れを防ぎます。
- 卵を冷蔵庫から出して常温に戻す。
- 沸騰したお湯にそっと入れ、中火で約10分ゆでる(固ゆで)。
ゆで上がったら冷水に取り、殻をむいておく。
練り物(さつま揚げ・ちくわ等)の下ごしらえ
油抜きすると、味がすっきりし、だしが濁らずおいしく仕上がります。
- さつま揚げやちくわなどの練り物は、ざるに入れて熱湯を回しかけ、余分な油分を落とす。
- 油抜きしたあと、軽く水気を切って鍋に入れる。
厚揚げ・がんもどきの下ごしらえ
厚揚げ・がんもどきは、油を落としておくことで味の染み込みがよくなります。
- 厚揚げやがんもどきはキッチンペーパーで余分な油を拭き取るか、熱湯をかけて油抜きをする。
- 厚揚げは大きければ半分か1/4に切る。
牛すじの下ごしらえ
牛すじは丁寧に下茹ですることで柔らかくなり、臭みも抑えられます。
- 牛すじは一口大に切り、たっぷりの熱湯で10分ほど茹でる。
- 茹で汁を捨て、流水で洗いながら余分な脂やアクを落とす。
- 圧力鍋や鍋で再び柔らかくなるまで下茹でする(約30分~1時間)。
- 下茹でが済んだら、串に刺しておく。
じゃがいもの下ごしらえ
- じゃがいもは事前に下茹でしておくことで、煮崩れせずホクホク食感が楽しめます。
- じゃがいもは皮をむき、一口大に切り、水にさらしてでんぷんを取り除く。
- 沸騰したお湯で固めに下茹でする(煮崩れを防ぐ)。
- 表面が少し柔らかくなったら、鍋に入れる前に冷ましておく。
その他具材の下ごしらえポイント
餅入り巾着
油揚げは熱湯をかけ油抜きし、餅は小さめにして包み、口を爪楊枝で留めておく。
ロールキャベツ
あらかじめ茹でて巻いておく。味がしみるように柔らかめに巻くのがポイント。
下ごしらえ後の仕上げの煮方ポイント
- 昆布・かつお節で取っただし汁に、酒、みりん、薄口醤油、塩を加え、下ごしらえした具材を入れる。
- 最初は弱めの中火で沸騰寸前まで温め、あとは弱火でじっくり煮込む(1~2時間)。
- 火を止めて、自然に冷ますことで味が染み込みます。一度冷めてから再度温め直すと、より深く味がしみ込みます。
- ポイント:急に強火で煮ると具材が崩れたり、だしが濁るため、弱火でじっくり時間をかけましょう。
これらを実践することで、だしがよく染み込んだおいしいおでんに仕上がりますよ。
キャンプ場までおでんを安全に持ち運ぶ基本のポイント
キャンプ場へ持ち運ぶ際には、汁漏れ防止、食中毒の防止、食材の鮮度を維持するための温度管理に気をつけましょう。
具材の準備・運搬ポイント①:汁と具材を分けて運ぶ
おでんの具材と汁をあらかじめ別容器に分けておくと、汁がこぼれるリスクを防げます。
具材はジップロックや密閉できるタッパーに入れて、大根、卵、こんにゃく、練り物など、汁を吸いやすい具材は、できれば汁に浸けずに別々に容器へ入れると鮮度を保てます。
具材の準備・運搬ポイント②:密閉できる耐熱容器を使用
ジップロックや密閉できる耐熱性プラスチック容器、スープジャーを活用しましょう。
容器が密閉されていることを確認し、液漏れの危険を減らします。
具材の準備・運搬ポイント③:冷ましてから運ぶ
熱いままだと雑菌の繁殖や容器破損の原因になるので、おでんは持ち運び前に必ず粗熱をとり、完全に冷ましてから密閉します。
安全面と衛生面を考え、冷ましたおでんを容器ごと保冷バッグやクーラーボックスに入れて運びましょう。
保冷剤や凍らせたペットボトルを一緒に入れると、長時間冷えた状態をキープできます。
なお、夏場のキャンプは特に食中毒の危険性が高まります。必ず保冷材や保冷剤を併用して温度管理を徹底しましょう。
持ち運び時間は極力短く、到着後すぐに再加熱して食べることを推奨します。
現地での調理・再加熱方法
現地ではおでんを鍋に移し、しっかりと再沸騰(最低でも5分)させましょう。
一度完全に沸騰させることで食中毒リスクを抑えることができます。
ただし、煮込みすぎると具材が崩れやすいので、具材が温まる程度(約10分)を目安に。一度煮込んであるため、短時間でも味が染み込みます。
キャンプ場までおでんを安全に持ち運ぶためのおすすめギア
スープジャー:温度を保ち、汁物をこぼれずに運べるので便利です。
密封容器(ジップロックコンテナなど):汁漏れ防止に最適です。
クーラーボックス+保冷剤:食材の鮮度を守り、安全に持ち運べます。
アルミ製おでん鍋やコンパクト鍋:現地でそのまま温められます。
キャンプで楽しむおでんのおすすめアレンジとしめ
おでんは定番の具材以外にもアレンジ次第で新鮮な楽しみ方ができます。
また、〆にも工夫を加えると、最後まで美味しく味わえます。
ここでは、手軽に試せるアレンジとおすすめの〆を紹介します。
おでんのおすすめアレンジ具材1.トマト
おでんに丸ごと湯むきしたトマトを加えると、酸味がだしに溶け込み、さっぱりとした味わいに変化します。
チーズをのせると洋風テイストになり、ご飯を入れてリゾットにするのもおすすめ。
おでんのおすすめアレンジ具材2.ロールキャベツ
肉だねをキャベツで巻き、軽く下茹でしておでんに入れます。
キャベツの甘みが溶け出して、だしがさらに深い味わいに。
おでんのおすすめアレンジ具材3.餃子・シュウマイ
冷凍餃子やシュウマイをそのまま投入するだけでOK。
ジューシーな旨味が染み出て、食べ応えもアップします。
おでんのおすすめアレンジ具材4.牛テール(牛すじの代わりに)
牛テールを圧力鍋などで柔らかく煮てからおでんに加えます。
牛の旨味が広がり、贅沢な味わいに。
おでんのおすすめアレンジ具材5.牡蠣(海鮮おでん)
生牡蠣を軽く湯通しして投入。
牡蠣の旨味がだしに広がり、ごはんや麺との相性も抜群です。
おでんのおすすめ〆メニュー1.雑炊
残っただしにご飯を入れ、溶き卵、刻みネギを加える雑炊は、おでんのしめにピッタリの定番メニュー。
優しい味わいで胃にもやさしく味わいです。
おでんのおすすめ〆メニュー2.おでんうどん
おでんの残りだしに冷凍うどんを入れ、刻んだネギと七味を添えるのもおすすめです。
だしがしっかり染み込み、ほっとする美味しさに。
おでんのおすすめ〆メニュー3.おでん茶漬け
おでんのだしをご飯にかけ、三つ葉や梅干し、海苔を添えるお茶漬けは、夜食や朝食にぴったりの染みる味。
さっぱりとした風味で、飲んだ後の〆にも最適。
おでんのおすすめ〆メニュー4.おでんリゾット
残っただしにご飯を加えて軽く煮込み、チーズと黒胡椒を加えると洋風アレンジのリッチな味わいに変化します。
トマトやたまねぎなどを加えてもおいしいですよ。
おでんのおすすめ〆メニュー5.おでんだしのラーメン
おでんのだしをスープにしてラーメンを作る。
だしの旨味が活きた深みのある味わいで、具は刻みネギや煮卵が相性抜群。
ぜひこれらのアレンジや〆を試して、おでんの新しい美味しさを楽しんでくださいね。