仙台名物の「殻付きホヤ」の魅力
東北のスーパーの鮮魚コーナーには、5月〜8月にかけて、旬を迎えた「殻付きホヤ」が並びます。
はじめての方は、その見た目にかなり驚くと思いますが、仙台ではメジャーな食べ物で「海のパイナップル」とも呼ばれています。海の香りをたっぷりと含んだ新鮮なホヤは、そのままお刺身にしたり、酢の物にしたりして、家庭でも楽しむことができます。
殻の剥き方にポイントがありますが、手順通りに進めれば、剥きたてで新鮮なホヤを味わうことができますよ!
「殻付きホヤ」の入手方法
東北地方のスーパーの鮮魚コーナーでは、氷の上に並べられたホヤをたくさん目にすることができます。しかし、東北地方以外では「殻付きホヤ」はあまり出回らないため、ネット通販で入手するのもいいでしょう。
見た目のインパクトから、味の想像が難しいかもしれませんが、コリコリとした食感と、海の香りのする味わいが特徴です。地元でも好き嫌いが分かれる食材ですが、日本酒好きの方には好まれる傾向にあるようです!
仙台の和食居酒屋には、ホヤが旬の季節になると、他県からホヤ料理を目当てに訪れる方もいるようです。
殻を剥くのが苦手な方は、剥いてあるホヤも販売されていますから、そちらを使ってみてください。袋から取り出して水切りをすればすぐに食べられるので、お刺身で食べる際に便利ですよ。
ホヤの殻の剥き方
殻付きホヤは、色が鮮やかで、表面にハリのあるものを選びましょう。
ホヤには2箇所の突起があり、それぞれにマイナスとプラスの形をした口がついています。こちら(上の写真)がマイナス側で、排泄物を出す出水孔です。
こちらがプラス側で、海水を吸い込む入水孔です。まずはこちらを切り落とします。
誤ってマイナス側を切り落としてしまうと、排泄物がはじめに出てきてしまい、中の海水が使えなくなってしまうので注意しましょう。
包丁やキッチンハサミを使って、プラス側の口を切り落とします。思いの外すんなり切り落とせるので、力加減に注意しながら作業しましょう。
中から海水がたくさんあふれてきます。押しすぎると排泄物が出てきてしまうので注意しましょう。
この海水は味付けに使用するので、ボウルにとっておきます。
次に、縦に包丁で切り目を入れます。まな板の上でも切れますが、かなり水分が出るので手のひらの上での作業をおすすめします。
力を入れすぎて手を切らないように、気をつけて作業をしましょう。
殻から身を取り出します。力やコツがなくてもツルッとすぐに外れます。
黒っぽい内臓部分を、洗いながら手できれいになるまで取り除きます。基本的にオレンジ色の身の部分以外は全部取り除いてください。
殻と、取り出した身の部分で分けます。
ホヤに香りを戻す
身の部分をよく見ると繊維の方向があるので、繊維に逆らうようにして包丁を入れます。
食べやすい大きさにカットします。食感を楽しみたい時には大きめにカットしてもいいでしょう。
一度水洗いして風味が落ちているので、殻の中から出てきた海水に15分ほど入れて味と風味を戻します。お刺身として食べる場合は、この状態で完成です。
ホヤを薬味和えにする
きゅうり、大葉、みょうがなどを薬味として用意します。生姜や長ネギを入れても美味しいですよ。
白いりごまと一緒にボウルに入れて軽く和えます。
ホヤの海水を軽くきってからボウルに入れ、砂糖、米酢、塩で味を整え甘酢漬けにします。味付けをせずに、殻の中の海水だけで調味してもあっさりと食べることができます。
器に盛り付けて完成です。独特のコリッとした食感と、磯の香りが口の中に広がります。薬味の香りとの相性もいい、おつまみにも最適なメニューです。
翌日もおいしく食べられるので、殻付きのホヤがたくさん手に入った時にもおすすめです。
「殻付きホヤ」を家で楽しもう!
見た目にインパクトがある「殻付きホヤ」ですが、食べてみると、他にはない独特の旨味と味わいに魅了される方もいるようです。新鮮なホヤは東北地方でしか手に入らないとも言われていて、そのほとんどが宮城県産です。
地元でも殻付きのホヤは旬の時期にしか食べられない食材なので、訪れた際にはぜひ一度お試しください。
【PROFILE/さとう あい】
宮城県仙台市在住の料理家。薬膳料理教室の運営や、レシピ提案などのフードコーディネーター業をする傍ら、ライターとしても活動中。やんちゃ盛りの2児の母であり、子どもと海や川、山などアウトドアへ出かけ、休日は自然の中で遊ぶのが日課。
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