全国のホームセンターで購入できる、低価格・高性能の「肥後守(ひごのかみ)」
キャンプに必要な道具といえば、ナイフは欠かせません。
料理で食材を切る際に使ったり、ロープを切る際に使う。薪をバトニングで割ったり、ブッシュクラフトで枝を加工するなど、ナイフはキャンプと切っても切れない関係です。
今回ご紹介するのは、ホームセンターで購入できる安価な和式ナイフ「肥後守(ひごのかみ)」。
低価格ながら切れ味抜群で、キャンプでも活躍する場面が多いナイフなので、1本持っておくと便利です。
キャンプ用ナイフの購入を検討しているという方や、和式ナイフのメリット・デメリットが気になるという方は、ぜひチェックしてみてください。
和式ナイフ肥後守は、ホームセンターで約1000円!
今回ご紹介する肥後守というのは、兵庫県三木市にある「永尾かね駒製作所」が作るナイフの商標です。
刃と柄を折り畳むことができ、チキリ(尾)が付いているのが特徴。和製オピネルとも呼ばれるナイフで、折り畳みが可能なため持ち運びに便利です。
本体の柄に打刻されている商標登録の文字は、前述の永尾かね駒製作所のみが使用できることを表すもの。
全国のホームセンターなどで購入することができますが、肥後守の名前を使用できる製造者が限定されているので、模倣品や贋物を購入させられてしまう恐れはありません。
ホームセンターで買える肥後守はコンパクトな手のひらサイズになる!
ホームセンターで買える肥後守は折り畳むととてもコンパクトになり、手のひらに収まるサイズになります。
キャンプなどの際にカバンのポケットや、衣服のポケットなどに収納することができるため、持ち運びに便利なのが特徴です。
刀身の後ろ側に付けられたチキリ(尾)は、柄から刃を出す際やしまう際に役立ちます。
柄には一部凹部が設けられており、刃を出す際に刃の背中をつまむことも可能です。
柄の下部には穴が設けられており、落下防止のストラップなどを取り付けることも可能。ユーザーにとってうれしい工夫が随所に見られます。
刃を出した時の全長はおよそ17.5cm、刃渡りはおよそ7.5cm。
キャンプ用ナイフとして有名なモーラナイフの製品で、刃渡りは約9~10cm。
同じくキャンプ用ナイフとしておなじみのオピネルの製品で、#7の刃渡りが7.7cm。
フルタングのモーラナイフと比べると肥後守は小柄ですが、折り畳み式のオピネルの#7と比べると同様のサイズ感です。
刃厚は2.5mmとなっており、フルタングのモーラナイフと同等の厚みです。
対してオピネルの刃厚は1.5mmと薄いので、「刃渡りはオピネルの#7、刃厚はモーラナイフと同程度」といったサイズ感。
両方のハイブリッド的なサイズが肥後守と捉えてもらうと、イメージしやすいかもしれません。
ホームセンターで買える肥後守は工作向き
ホームセンターで買える肥後守には購入時、刃にサビ防止の油が塗布されています。
ナイフの刀身に使われる材料として有名なのが、さびにくいステンレスやサビとは無縁でとても硬いセラミック、そして肥後守に使われている鋼です。
鋼はサビに弱いですが、粘り強さがある材質のため硬いものを切っても刃が欠けにくいのが特徴。
サビに弱いという点で、調理用として水分量の多い食材を切るのには向きません。
前述のとおり刃厚が少し厚めという点においても、食材などを切るよりは木材を切る用途に向いています。
切れ味はなかなか鋭く、薪や工作材などの木材を切るのに使えます。
木材に入る刃の深さ調整も容易で、繊細な力加減ができ、工作に使うのに向いていると感じました。
木材の表面のみを、カンナをかけるように薄く削り取ることも可能で、とても切れ味が良いのが印象的でした。
ちなみに鋼は比較的やわらかい素材のため、砥石などで研ぎやすいという特徴があります。
もし使ううちに切れ味が鈍くなってきたら、自分で砥石を使って研ぎ直すことも可能なので、長期間使用できるというのもメリットです。
ホームセンターで買える肥後守はブッシュクラフトで役に立つ!
和式ナイフということもあり、見た目は刀を彷彿とさせるデザイン。
もしキャンプシーンで肥後守を使っていれば、周囲からは「使っているギアが渋いな…」という良い印象を持たれそうです。
実際ブッシュクラフトのような、木材を使った工作をする場面でとても重宝しますし、折り畳み式のため持ち運びにも便利です。
安価ながら切れ味が鋭く、使い勝手がとても良いため、キャンプ用ナイフとしておすすめです。
人とはちょっと違ったギアを使いたいという方や、入手しやすくコスパの良いナイフを探しているという方は、肥後守を試してみてはいかがでしょうか。
肥後守(大) 詳細
材質:スチールクロームメッキ仕上げ(本体)、刃物鋼(刃部)
全長:17.5cm
刃渡り:7.5cm
参考価格:990円(税込)
写真・文/アサノダイスケ
【Profile/アサノダイスケ】
秋田県在住アウトドア系フリーライター。オリジナルのキャンプギアを設計・製作するのが趣味。年間30泊以上キャンプを楽しんでおり、将来は山を購入して自分で切り拓き、キャンプ場を作って経営するのが夢。
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