ダウンジャケットの選び方、知ってます?
冬は、ダウンジャケットが活躍する季節。ダウンジャケットは1着持っていればさまざまなシーンで活躍してくれます。
しかし、きちんとしたものを選ぼうとするとそれなりに高価です。購入にあたってはできるだけ失敗したくないですよね。
ここでは、ダウンを購入する前に覚えておきたい用語を解説しつつ、防寒着選びのポイントをご紹介したいと思います。
ダウンジャケットの中には何が入っている?
ダウンジャケットの表示ラベルを見てみると、ほとんどの場合、中わたは「ダウン」と「フェザー」の割合が表示されています。
「ダウン」は「羽毛」とも呼ばれ、水鳥の胸に生えている希少な毛のことを指します。そのため芯がなく、綿毛のようにふんわりとしているのが特徴です。
ダウンジャケット以外にも、羽毛布団などに使われているといえばイメージしやすいでしょう。空気をたっぷり含んでいるため、柔らかくあたたかいという特徴があります。
さらに、ダウンを採取できる水鳥にはグースとダックの2種類があります。
ダックは体が小さいため、採取できるダウンのサイズも小さく密度も低いため、グースと比べると安価な傾向にあります。
グースは体が大きいため、ダウンのサイズも大きく、密度が高い特徴があります。産地にもよりますが、一般的にはグースダウンのほうが高価なことが多いです。
一方、「フェザー」は羽軸がある湾曲した「羽根」のことを指します。
ダウンと比べると弾力性があり、型くずれしにくい特徴があります。この特徴から、ダウンジャケットの他にもクッションや枕などにも用いられています。
なかにはダウン100%のダウンジャケットもありますが、高額です。
多くの場合は、ダウンが70~90%、フェザーが30~10%の割合となっています。ダウンにフェザーが混ざることで適度にボリュームが出るという特徴もあります。
ダウン選びで遭遇する「フィルパワー」と「ロフト」って何?
ダウンジャケットを購入しようと調べていると、「フィルパワー(FP)」と「ロフト」という言葉に出合います。聞き慣れない言葉ですが、知っておくとダウン選びに役立ちます。
まず、「フィルパワー」ですが、これはダウン(羽毛)の「かさ高」を表す単位。羽毛を1オンスの容器に入れ、その体積が大きいほど良質の羽毛であるとされています。
わかりやすく言うと、フィルパワーはダウンのふくらみ具合を表しており、ダウンをぺしゃんこに押しつぶした後に、元の状態に復元する力が高いほうが良いダウンと判断されるのです。
それを数値化したものをフィルパワーといいます。
復元する力が強いということは、より空気を取り込めるということです。空気を多く取り込めると、断熱と保温効果が高まります。
一般的には、600〜700FPが良質、700〜800FPが高品質、800FP以上になると超高品質と言われています。
ただ、この数値だけでダウンジャケットの良しあしを判断するのは危険です。
なぜなら、1000フィルパワーのダウン1gと550フィルパワーのダウン20gでは、550フィルパワーのほうが暖かいからです。
そこで登場するのが「ロフト」という考えです。
ロフトは「かさ」のことを指します。ダウンが少なく弾力性がないと、ロフトを保てません。
羽毛だけでなく、フェザーを混ぜることで弾力性が加わり、ふかふかとしたロフトを保つことができるのです。これにより保温性をさらに高める効果があります。
ダウンと化繊ジャケットの違い
ダウンの暖かさの仕組みがわかったところで、次にダウンジャケットの対抗馬となる化繊ジャケットにも触れておきたいと思います。
両者の根本的な機能として、ダウンは保温、化繊は断熱という違いがあります。
また、軽くてコンパクトにたためるダウンジャケットに比べ、化繊ジャケットは重く、コンパクトにはなりにくい特徴があります。暖かさもダウンジャケットには劣ります。
この点だけ見ると、ダウンジャケットに軍配が上がるかと思いきや、化繊ジャケットは水ぬれに強いというアウトドアにとっては大きなメリットがあるのです。
一般的なダウンは水に弱いため、万が一、ジャケットに穴が空いていたり、雨や雪が侵入してダウンが濡れてしまうと空気を含めなくなります。ロフトが下がるとともに保温性も損なわれてしまうというわけです。
しかし、化繊ジャケットは水に強く、頑丈であるため、その心配はありません。
さらに大きな違いとして、ダウンよりも化繊ジャケットのほうがリーズナブルであることが多いです。
目的に合わせた防寒着選びが大切
両者のメリット・デメリットを比べると、一概にどちらが良いとは言えないので、購入を決める際には、利用シーンをイメージすることが大切です。
例えば、木の枝などが服にひっかかる可能性のあるキャンプや、激しいアクティビティなどでガンガン使いたいという場合には、ダウンジャケットよりも耐久性のある化繊ジャケットのほうが安心です。
反対に、冬の通勤やおしゃれ着として街中で使いたい、冬の登山の防寒着にしたいという場合には、保温性に優れ、コンパクトに収納できるダウンジャケットがよいでしょう。
最近ではファストファッションブランドなどで低価格なダウンジャケットも販売されています。保温性、耐久性、価格を利用シーンとてんびんにかけながら選んでみてください。
機能性が高い保温ウェアが続々登場!
さきほどダウンは濡れに弱いと書きましたが、最近は機能的なダウンというものも登場しています。
撥水加工を施したダウンというのもあり、濡れてもロフトを保てるので暖かく過ごせます。
化繊の素材でも保温性に優れた素材も出てきています。擬似ダウンとでもいうような素材もあります。
冬キャンプにオススメの高性能ダウンウェア3選
Yeti NORDIC DOWN JACKET
Yeti(イエティ)はドイツでスタートしたアウトドアブランド。
このノルディックダウンジャケットはブランドのフラッグシップモデルで、高い断熱性を誇るクリスタルダウンが採用されています。
1988年にリリースされた1stモデルを現代的にアップデート。
表地には耐久性と撥水性に優れたコットンナイロン生地を採用し、街でも使いやすい雰囲気にしあがっています。
NANGA TAKIBI DOWN JACKET
国産ダウンにこだわり、多くのキャンパーから支持を得ているNANGAのダウンジャケット。
こちらは、表地にNANGA独自の難燃素材「TAKIBI」を採用しているので、冬キャンプの醍醐味である焚き火の近くでも安心して使うことが可能です。
さらにダウンにも工夫が。
ダウンの弱点と言われている水濡れ対策がされていて、超撥水加工を施されたNANGA独自のウルトラドライダウン(UDD)を採用しています。
焚き火にも水濡れにも強い、まさに冬キャンプのぴったりなダウンジャケットと言えます。
THE NORTH FACE Him Down Parka
ザ・ノース・フェイスの最高峰モデルのダウンジャケット「ヒマラヤンパーカ」をベースしたのが「Him Down Parka(ヒムダウンパーカ)」。
表地に防風性のあるGORE-TEX INFINIUM™が使われていて、必要十分な防水性能も確保。
中わたには高度な洗浄技術により汚れやホコリを除去したリサイクルダウンを採用したり、生地の撥水材にフッ素化合物を含まないPFCフリーを使用していたり、環境問題に配慮した作りも特徴です。
お気に入りの一着で冬の外遊びも楽しく
選ぶ基準をしっかり持っていれば、防寒着選びも迷わずできるはず。
ぜひ目的と用途に合った防寒着で、楽しく快適な冬を過ごしてください。