100均で買えるUVレジングッズ
UVレジンとは、紫外線を浴びると硬化する透明な樹脂のこと。硬化する前はトロトロの液状で、シリコン製の型に流し込んで硬化させるという使い方が一般的です。
型さえ用意できればどのような形状のものでも製作できるので、アクセサリーやオブジェなどのDIY素材として人気があります。
最近ではUVレジン液のほか、UVレジンでの工作に使用するグッズも100均で購入できるようになりました。
アクセサリーが作れるのであれば、きっとルアーも作れるはず!
そんな考えから、今回は100均の商品だけでルアー作りに挑戦することにしました。
ルアー作りに使用した”100均”の道具
- シリコン型
- スチール針金
- ラジオペンチ
- つまようじ
- ブラックライトつきのペン
- ルアー用フック
シリコン型はさまざまな形状のものがありますが、今回はもっともルアーに近い形である、涙型のシリコン型を使うことにしました。
スチール針金は強度とルアーのサイズとのバランスを考えて、太さ0.7mmのものを選択。
本当はサビに強いステンレスの針金がベストなのですが、100均に0.2mmほどの細いものしか売っていなかったので、スチール製の針金にしました。
ペンチはラジオペンチを使用。針金を加工する際に少しだけ繊細な作業が発生するので、先端が細くなっているラジオペンチが便利です。
つまようじは針金でルアーのアイ(ラインやフックを取り付けるためのリング)を作るために使用します。
ブラックライトつきのペンは、紫外線を照射する機械のかわりに使用しました。
このペンにはブラックライトに反応する無色透明のインクが入っており、書いた文字に向けてブラックライトを照射し、それを読み取って遊ぶための商品です。
専用の機械ほど強力ではないものの、太陽光に当てるよりも早く硬化させることができます。
ルアー用フックはダイソーで売られていたもののなかで、小さめものを選びました。
これらの道具はすべて100均で購入可能です。
”100均”DIY開始! UVレジンを使ったルアーの作り方
1.針金を加工してルアーのアイを製作
まずは、針金を曲げてアイを作るところからはじめました。針金を適当な長さ(20cmほど)にカットして、先端を2cmほど折り返します。
折り返した場所をペンチではさみながらつまようじを差し込み、クルクルとねじります。すると小さなリングが完成。これがルアーのアイになります。
反対側にもうひとつアイを作る必要があるのですが、その前に針金をシリコンの型に当てて全体の長さを確認。ちょうどルアーのしっぽの部分にアイができる位置で折り返します。
最初と同じように、折り返した場所につまようじを差し込んでねじります。そして針金に強度を持たせるために、そのまま全体をねじりました。
ふたたび針金をシリコンの型に当て、ルアーの頭としっぽの先端にアイがくるように形を調整。これでアイの製作は完了です。
2.シリコンの型にレジンを流し込む
アイが完成したら、UVレジンをシリコン型に流し込む作業です。UVレジンは硬化すると体積が減るので、「すりきり」ではなく、表面張力で少し盛り上がるところまで流し込みました。
UVレジンを流し込んだら先ほどアイを作った針金を置きます。このとき、アイがルアーの頭としっぽに来るようにしっかり位置を決めなければなりません。
このままだと針金がUVレジンのなかに沈んでしまうので、アイを押さえながらブラックライトを照射。
数十秒ほど照射して針金が沈まなくなったら、そのまま太陽光に当てて放置します。
ここではもっともシンプルな無色透明なUVレジンを使用していますが、実際に作ってみるときは、自分が好きな色のUVレジンを使用しましょう。
異なる色のUVレジンを混ぜてみたり、ラメを混ぜ込んだりすることで、オリジナリティーあふれる自作ルアーができあがります。
3.シリコン型からルアーを取り出す
シリコン型に流し込んだUVレジンをたまに触ってみて、固まっているかを確認。しっかり固まっていたので、シリコン型から取り出しました。
UVライトを照射し続けると数分で硬化しますが、太陽光の場合は硬化するまで30分ほどかかる場合があるようです。
硬化する前にシリコン型から取り出してしまわないよう、注意しなくてはなりません。
硬化前に一度取り出してしまうと、ふたたびシリコン型に戻してもきれいに成形されなくなってしまいます。
4.ルアーの反対側を成形する
ここまでの段階では、ルアーの半分しか成形できていません。そのため、ルアーを取り出した型にもう1度UVレジンを流し込み、残りの反対側を作る必要があります。
シリコン型にUVレジンを流し込んだら、先ほど型から取り出したルアーを上にかぶせるようにして置きます。そしてこの状態で放置。
置いた場所がずれているとそのまま成形されてしまうので、位置をしっかり確認しながら置くのが重要です。
そして硬化したらシリコン型から取り出し、全体の形を確認。大きくズレていれば修正が難しいですが、少しのずれやバリはあとから修正できます。
まだ表面がベタついているようであれば、そのまま太陽光に当ててベタつかなくなるまで放置します。完全に固まったらルアー本体は完成です。
ルアーに目をつけるかどうかはお好みで。今回は油性マジックで簡単に目を描きました。
さらに仕上げとして、ラッカースプレーやエポキシ樹脂などでコーティングすると耐久性が向上します。
ただし、油性マジックで描いた上からラッカースプレーを吹きかけると目がにじむので、黒いシールなどで目を作ってあげましょう。
5.フックを取り付けて完成
最後に、ルアーのしっぽ側のアイにフックを取り付ければ完成です。
浴槽でためしに泳がせてみたら、暴れたりすることなく真っ直ぐに泳いでくれました。
ちゃんと泳ぐかどうかがいちばん心配だったので、ここでやっとひと安心。これなら海でもまともに使用できるでしょう。
ダイソーの自作レジンルアーはメバルなどの小さな魚を釣るときにおすすめ
1個目のルアーを作ったときは手探り状態だったので、かなり時間がかかってしまいました。
しかし、やり方を覚えてからは1個当たり5分ほど(硬化時間を除く)で作れるようになったので、もっと効率をよくすればかなり早いペースで量産できるでしょう。
そして、完成したときのサイズは幅2cm×長さ3cmほどと小さめなので、メバルやアジを釣るためのルアーとしてちょうどいいはずです。
ルアー1個当たり100円のUVレジン1本を消費するので、シリコン型などの最初にそろえるべき道具を除くと、製作のコストはほぼ100円。
とても安く製作できることに加え、自分の好きな色に仕上げられるので、ちょっとした趣味にできます。
実際に釣りで使用しながら改良を重ねていくと、市販されているどのルアーよりも釣れる秘密兵器が完成するかもしれません。
写真・文/斎藤純平
【Profile/斎藤純平】
キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。