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キャンプで本当に使えるコーヒードリッパーは?ハリオ・コーノ・カリタ・メリタ徹底比較!

国内でとくにポピュラーな4メーカー

キャンプで飲むコーヒーは、普段自宅で飲むコーヒーよりも美味しく感じられるもの。

これからおとずれる本格的な冬キャンプシーズンにおいては、なおいっそうありがたい存在となります。

コーヒーを作る方法はいくつもありますが、そのなかでも味と手軽さのバランスが取れているのがペーパードリップ。キャンプでコーヒーを楽しむのに最適な抽出方法です。

そしてペーパードリップをするためには、専用のドリッパーが必要になります。数あるドリッパーのなかでもとくにポピュラーなのが、ハリオ・コーノ・カリタ・メリタの4メーカーの製品。

初めてドリッパーを購入するのであれば、比較的手に入りやすいこれらのメーカーの製品を選ぶのがいいでしょう。

ただ、キャンプで使用するのであれば、せっかくなのでよりキャンプに向いているものを選びたいところ。

そこでキャンプ用としておすすめしたいのが、コーノとメリタのドリッパーです。

もうすでにすべて持っている方であれば、自分の趣味にあうドリッパーを持っていくのが一番でしょう。

しかしこれからペーパードリップデビューを飾るキャンパーの方もいるはずです。

そういった方に向けて4メーカーのドリッパーそれぞれの特徴を解説し、コーノとメリタの2つがキャンプ用としておすすめな理由をお伝えします。

各社のコーヒードリッパーの特徴

ハリオ

ハリオの代表的なドリッパーといえばこの「V60 透過ドリッパー」。波打ったシルエットが特徴的です。

V60シリーズはドリッパーのほかにポットやコーヒーサーバーなどもラインナップしており、それらもドリッパー同様にウェーブデザインが用いられています。

同じシリーズでそろえる楽しみがあるコーヒー用品です。

コーヒーショップや量販店でも取り扱っていることが多く、ドリッパーのほか消耗品の専用ペーパーフィルターも手に入りやすいというメリットがあります。

V60のドリッパー内部にはスパイラル状のリブが設けられており、このリブがペーパーフィルターとドリッパーの間に適度な隙間を作る設計。底の穴が大きめであることも特徴です。

お湯を注いでから下に落ちるスピードがはやく、軽めでクリアな味わいのコーヒーを作りやすいのがV60の特性。

酸味があり華やかな味わいを持つ浅煎りのコーヒーと相性がよく、そういった味が好きな人には最適なドリッパーです。

ただし、狙った味に仕上げるにはお湯を注ぐ量のコントロールが求められます。

そのためある程度の慣れが必要である反面、ドリップの仕方で味を大きく変化させられる面白いドリッパーです。

コーノ

ハリオのV60ほど広く知られてはいないものの、根強い人気があるコーノの「名門フィルター」。このドリッパーを販売している「珈琲サイフォン株式会社」は、円錐型ドリッパーのパイオニア。

自社のドリッパーに対する並々ならぬこだわりと、ポップなカラーのドリッパーセットも販売するような遊び心を持ちあわせているメーカーです。

名門フィルターは樹脂製でありながらガラス製に見間違えるほど高級感があり、手に持つとずっしりとした重さを感じます。

上から下までリブが立っているハリオのV60と違い、ドリッパーの下の部分にのみ、ストンと真っ直ぐ落ちるリブが設けられているのが名門フィルターの特徴。

ドリッパー上部がペーパーフィルターにピッタリと密着し、お湯がゆっくりと落ちるように設計されています。

これによりコーヒー豆からしっかり成分が抽出され、濃厚でコク深いコーヒーができあがるというわけです。

通好みのドリッパーとして扱われることも多いですが、初心者に向いていないというわけではありません。ほかの樹脂製ドリッパーより少々高価ですが、それに見合った価値がある製品です。

カリタ

台形型ドリッパーのなかで、もっともよく知られているのがカリタの「コーヒードリッパー」。底にあけられた3つの穴がトレードマークです。

4つのなかでは見た目が少々チープな印象ですが、税込み330円と実際にかなりの低価格。ハリオと同じく取り扱っている店舗が多く、ドリッパーやフィルターを手に入れやすいのがいいところです。

カリタのコーヒードリッパーは注いだお湯を底に溜め、3つの穴から最適なスピードで下に落とす仕組みを採用しています。

注いだお湯がダイレクトに落ちていく円錐型ドリッパーとくらべて、お湯を少々雑に注いでも味に影響が出にくいのがいいところです。

かといって味のコントロールができないかというとそんなことはなく、コーヒー豆の種類や自分の好みにあわせた抽出が可能。

高品質なコーヒー豆を使用して最適な温度のお湯でドリップすれば、初心者でも専門店なみの美味しいコーヒーに仕上げられます。

メリタ

メリタのドリッパーはカリタのものと外観がよく似ています。しかしカリタが3つ穴であるのに対し、メリタは1つ穴。

カリタのドリッパーよりも時間をかけて、じっくりとコーヒーの成分を抽出するように作られています。

こちらのドリッパーは「アロマフィルター」という製品で、穴の位置が底よりも少し高い場所に設けられているのがユニークなところ。

抽出されたコーヒーが底に溜まり、一定以上のお湯を注いだところで下に落ちはじめる仕組みです。

そしてもっとも特徴的なのが抽出方法。ほかのドリッパーとは使い方がまったく異なります。

ハリオ・コーノ・カリタの3つのドリッパーで抽出するときには、最初に少量のお湯でコーヒー豆を蒸らし、そのあとは数回に分けて「の」の字を描くようにお湯を注ぐのが一般的。

いっぽうのメリタはというと、最初にコーヒー豆を少量のお湯で蒸らすところは同じですが、蒸らしが終わったところで残りのお湯を一気に注ぎます。

あとは1つだけ設けられた穴が抽出の時間をコントロールしてくれるので、お湯が落ち切るのを待つだけです。

難しい技術も必要なく、コーヒー豆の量・お湯の量・お湯の温度が同じであれば、毎回同じ味のコーヒーを再現できます。コーヒーをよりカジュアルに楽しめる優れものです。

こだわりの道具でじっくりと抽出するならコーノ

今回のテーマである「キャンプにはどのドリッパーがいいか」についてですが、コーヒーの味に強いこだわりを持ち、慎重にドリップする行為自体を楽しみたいというのであればコーノのドリッパーがおすすめです。

ときに点滴のようにタラタラと、あるいは糸のようにツーッと慎重にお湯を注ぐことが求められるコーノ式ドリップ。

気持ちを込めてじっくりと抽出した濃厚なコーヒーには、愛着すら覚えます。

同じ円錐型のハリオではなく、コーノをおすすめしたい理由はコーヒー豆との相性。

多くの日本人が酸味が少ない深煎りのコーヒーを好むといわれており、コーノのドリッパーはまさしくそういった性質を持つコーヒー豆と相性がいいのです。

ただし、コーノのドリッパーの性能を引き出すには、お湯を細く一定の速度で注げる細口のポットが必要となります。

そのため、「美味しいコーヒーを飲むためなら荷物が増えてもかまわない」という人向きといえるでしょう。

ドリッパーもポットもカップもこだわりの道具でそろえれば、コーヒーの時間がより優雅なものになることは間違いありません。

効率や合理性を無視してでも使いたい道具を使うのが、キャンプに限らずコーヒーの時間を楽しむためには大切であったりするのです。

シェラカップなどでお手軽に作りたいならメリタ

1つ穴が特徴のメリタ。コーノのドリッパーとは対称的で、抽出が非常に簡単であることがキャンプ用としておすすめする理由です。

また、1〜2杯用のものだと重量が約97gのコーノ製ドリッパーとくらべ、メリタ製ドリッパーは約51gとかなり軽量。サイズもメリタのほうがコンパクトです。

そしてもっとも大きな理由が、細口のポットを用意する必要がないこと。荷物をあまり増やさずに済むのは大きなメリットです。

一気にお湯を注ぐメリタのドリッパーであれば、ドリップ用のポットで抽出しても、シェラカップのような湯量の調整が難しい道具で抽出しても、味にほとんど違いが出ません。

日帰りの登山や釣りなどのアウトドアにおいても、手軽にコーヒーを楽しむのにはメリタ製ドリッパーのほうが断然都合がいいのです。

かならずしも、「腰をすえてじっくりと抽出する=コーヒーへのこだわり」ではありません。

できるだけ手軽にコーヒーを楽しめるように工夫したり、味の追求はほどほどにして、どこで飲むのかを重要視するのもまたコーヒーへのこだわりといっていいのではないでしょうか。

結局はすべて試してみてほしい!

とことんコーヒーの味にこだわる方向けにコーノのドリッパー、より手軽にコーヒーを楽しみたい向けにメリタのドリッパーをおすすめしました。

しかしハリオ・コーノ・カリタ・メリタの4つともそれぞれが異なった個性を持っているので、できればすべてを試してみてほしいところです。

陶器製や純銅製の製品でなければ、それほど大きな出費にもなりません。

結局は人それぞれとなってしまうので、いろいろと使ってみて自分にあうものを見つけるのがやはり理想的で、きっとそのほうが楽しいと感じることでしょう。

自分好みの味が出せるドリッパーを選び、扱いやすくてデザインも気に入ったポットを手に入れ、そして良いコーヒー豆を売っている店を探し出す。

ここまでくれば、すっかりあなたもコーヒーフリークの仲間入り。自然のなかで、こだわりに満ちたコーヒーの時間を満喫しましょう。

ハリオ V60 透過ドリッパー 詳細

サイズ:幅115×奥行100×高さ82mm
重量:約77g
素材:AS樹脂
価格:440円(税込)

コーノ 名門ドリッパー 詳細

サイズ:幅120×奥行き103×高さ80mm
重量:約97g
素材:アクリル樹脂
価格:935円(税込)

カリタ コーヒードリッパー 詳細

サイズ:幅113×奥行き92×高さ63mm
重量:約40g
素材:AS樹脂
価格:330円(税込)

メリタ アロマフィルター 詳細

サイズ:幅110×奥行き95×高さ72mm
重量:約51g
素材:AS樹脂
価格:517円(税込)

写真・文/斎藤純平

【Profile/斎藤純平】

キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。


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