オフロードバイクで行くキャンプが最高に楽しい!
バイクを利用したキャンプには、一度体験すると病みつきになってしまうほどの楽しさがあります。
車ほど荷物は乗らないし、支えていないと倒れてしまいます。もし移動中に雨が降ったら、びしょ濡れ確定です。
現時点でバイクに興味がない人がこれを見ると、ただの不便な乗り物というようにしか思わないかもしれません。
しかし、今日もバイクに乗りキャンプ場へ向かうライダーたちにとって、そのような苦労の数々がむしろキャンプを楽しむためのスパイスとなっているのです。
そして、数あるバイクの中でも「オフロードバイク」という種類のバイクは、キャンプの可能性を広げてくれる最高の相棒になること間違いなしです!
なぜバイクに乗るとキャンプが楽しくなるのか?
なぜオフロードバイクなのか?そういった話に興味がある方は、ぜひこの記事を読み進めてください。
過去に47都道府県を旅したことがあり、現在も暇を見つけてはバイクに乗ってあちこちに飛びまわっている私が、キャンプ好きであればオフロードバイクを買うべき理由をアツく解説します。
オフロードバイクは最強のキャンプ移動手段
大きくてデコボコのタイヤ、スラッとした細身の車体が特徴のオフロードバイクは、もともと「オフロード(舗装されていない道)」を走れるように設計されています。
そのため、キャンプをおこなう自然の中でこそ、その真価が発揮されます。
「オンロード」タイプのバイク(舗装路を走るためのバイク)では危険な砂利道も、雨でぬかるんだ山道も、オフロードバイクにとっては大した問題ではありません。
ジムニーやランドクルーザーでさえも通ることができない道も、オフロードバイクなら景色を楽しみながら鼻歌まじりでなんのそのです。
つまり、ほかの車やバイクと比べて、そもそも走れるシチュエーションやエリアの広さが段違いなのです。それがオフロードバイクがキャンプを楽しくしてくれる大きな理由です。
これまでは行けなかった場所も、オフロードバイクを手にしてからはあなたの行動範囲の中におさまります。オフロードバイクで、世界が広がるのです。
ほかのバイクでキャンプは楽しめないの?
ここまでオフロードバイクの魅力を紹介してきましたが、「じゃあほかのバイクではキャンプを楽しめないのか?」という疑問を感じた方もいるかと思います。
結論からいうと、そんなことはありません。
キャンプ場ではいろんなバイクを目にします。映画「ターミネーター」で主役が乗っているような大きなハーレー、レースに出場しているようなスポーツタイプのバイクなどなど。
オフロードバイクに限らず、バイクに乗っている人すべてがそれぞれのスタイルでキャンプを楽しんでいます。
車では味わえない風を切る感覚、ヒラヒラと駆け抜けるワインディング、むき出しのエンジンから伝わる鼓動。そして目に映る景色の鮮やかさは車の比ではありません。
それらはバイクの種類の垣根をこえた共通の魅力です。単なる移動の時間でさえも、最高に刺激的な経験として長く思い出に残ります。
上の写真は、実際に私が世界自然遺産の屋久島をバイクで一周した際に撮影したものです。写っているのはヤマハの「トリシティ125」。前輪を2つ装備しているのが特徴のバイクです。
まったくのノープランで船に乗り、屋久島へ向かうと、偶然バイクショップを発見。そこで以前から気になっていたこのバイクを借り、屋久島を出るまでともに過ごすこととなりました。
ついにこの島に足を踏み入れたという高揚感。そこにバイクが手に入ったといううれしさが加わり、どこまでも開放的な気持ちで島中を走り回りました。
山道を駆け上がった先で、何千年も生きてきたのであろう巨木に感嘆したこと。安全な寝床を探して夜遅くまで走り回ったこと。生命感にあふれる原生植物と無機質なマシンとの対比が、言いようもなく美しく感じたこと。
とても書き尽くすことができない数々のできごとを、今でも鮮明に覚えています。
おそらく一生忘れないであろう濃密な時間と体験は、バイクと一緒だからこそ、これほどまでに強く印象に残っているのだと確信しています。
オフロードバイクで行くキャンプの楽しさは「寄り道」にある!
どのバイクに乗っても、キャンプは最高に楽しくなります。ですが、やはりキャンプにおいてはオフロードバイクの便利さが突出しています。すぐれた走破性に加えて、機動力の高さはほかのバイクでは太刀打ちできません。
オフロードバイクは、自衛隊や警察の車両としても採用されていることから、その実力は証明されていると言えるでしょう。
そしてその機動力の高さがどのようなシチュエーションで発揮されるのかというと、「寄り道」です。
キャンプへ行く途中に渓流でイワナ釣りをする、おいしいコーヒーを作るために湧き水を探す、森の中にひっそりとたたずむ神社に入ってみるなど、単にキャンプ場に行って帰るだけでなく、たくさんの遊びができるようになります。
自然を愛する人が持つ冒険心や好奇心を満たしてくれる。それがオフロードバイクの素晴らしさなのです。
オフロードバイクは初心者が乗る最初の一台としてもおすすめ
これからバイクの免許を取ろうとしている方や、すでに免許を持っていてどのバイクにするか迷っている方もいることでしょう。
そういった方々にお伝えしたいのが、オフロードバイクが最初の一台におすすめだということです。その理由は以下の3つになります。
・初心者でも扱いやすい
・転倒してもダメージが少ない
・テクニックが上達しやすい
オフロードバイクはほかのバイクと比べて、圧倒的に軽く作られています。この軽さが扱いやすさに直結し、力に自信がない方やまだ不慣れな初心者の方でも簡単に取り回しができます。
また、バイクに乗っているといつかは転倒させてしまうでしょう。ガソリンタンクがへこんだりピカピカのボディが傷だらけになったりと、多くのライダーにとって悲しい瞬間です。
ですが、荒れた道を走ることを想定しているオフロードバイクは、そもそも転倒する前提で作られています。転んでも故障することが少なく、起こすのも簡単です。そしてなにより、精神的ダメージも小さくすみます。
「オフロードバイクに乗ると運転が上手になる」というのもよく言われている話です。
荒れた道を転ばずに走るために常に路面の状況を読み取り、アクセルとブレーキを上手に使い、全身を使って重心を移動させる。そういったスキルが自然と身についていくからです。
荒れた道ではそもそもスピードを出すことはできないので、仮に転んだとしても大ケガを負うリスクは少ないです。
楽しみながら早いスピードで成長できるのがオフロードバイクです。これから上達していきたいライダーにとって、これほど適任なバイクはないでしょう。
キャンプに行くならどのオフロードバイクがいい?
ここまで読んでくれた方々は、もうすでにオフロードバイクが魅力的に見えてきているはずです。そしてこう思っている方もいることでしょう。
「オフロードバイクが楽しいのはもうわかった。最初の一台に向いていることもわかった。じゃあどのオフロードバイクがいいの?」と。
正直なところオフロードバイクの選択肢の数は、ほかのバイクと比べて豊富とは言えません。
2020年2月現在、国内メーカーが新車で販売しているオフロードバイクの代表的な車種として、ホンダの「CRF250L」、カワサキの「KLX230」、ヤマハの「セロー250」「トリッカー」があります。
国内メーカーの新車が欲しい方はこれらの中から選ぶことになるでしょう。
中古だとホンダの「XR250」、カワサキの「KLX250」、スズキの「ジェベル250XC」などがおすすめです。値段も手頃なので買いやすく、性能面でも不満はでないでしょう。
しかし、2020年、あるバイクの販売が決定されたことをきっかけに、多くのライダーたちが歓喜にわいています。
そのバイクとは、「ホンダ CT125」。
かつて販売されていた人気車種「ホンダ CT110 ハンターカブ」のデザインを踏襲しながら現代風にブラッシュアップしたバイクです。
おしゃれな雰囲気を持ちながらも高いオフロード性能を感じさせるスタイルは、現在もっとも注目すべきバイクとして数多くの雑誌やWEBメディアで大々的に紹介されています。
すでに大ヒットが約束された「ホンダ CT125」に関しての情報は、この記事の後編として別の記事でお伝えします。
キャンプが好きな方、バイクが好きな方、バイクでキャンプを楽しみたい方はそちらの記事もお楽しみください。オフロードバイクでキャンプの世界を広げましょう!
撮影・文/斎藤純平
【Profile/斎藤純平】
キャンプ、バイクツーリング、スキューバダイビングを趣味とするアウトドアライター。加えてこれから狩猟を始めようかと画策中。何をするのにも基本的にすべて一人で、キャンプもツーリングも思い立ったら即出発。読み手にとって本当に役に立つ情報を発信します。
※この記事は2020年の記事を再編集して再掲したものです。