MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーを自家用車に取り付けたい!
いまや社会現象にまで発展している”あおり運転”。最近では、この悪質な運転を防止するためにドライブレコーダーを自家用車に付ける人が増えている。とりわけ、前方の録画だけでなく、後方も録画できる前後録画タイプが人気だ。
筆者はアウトドアに繰り出すために日常的にクルマ乗っているが、実はドラレコをまだ付けておらず、「一体どれがいいのだろうか……」とずっと悩んでいた。そんなときに、知人から「これはどう?」とおすすめされたのが、今回搭載したルームミラー型ドライブレコーダーというもの。
そこで、今回はこのレコーダーを実際DIYで取り付けてみた。
評判のいいMAXWIN(マックスウィン)のルームミラー型ドライブレコーダーを選択
ルームミラー型ドライブレコーダーとは、ドラレコの機能をもったバックモニター機材。バックミラーに装着して使い、後ろの様子をリアルタイムで写しながら前後の様子を録画してくれる。
一番の特徴は、実際に撮影している様子をバックミラーサイズの広角で見られること。目視できない左右の風景も確認でき、いま利用者が増えている人気のドラレコである。
MAXWIN(マックスウィン)のルームミラー型ドライブレコーダーをDIYで取り付けてみた
では実際に装着してみよう。「あれ、なぜお店に持っていかないの?」と疑問に感じる人もいると思うが、多くのお店はフロントとリアの両方に設置すると1万5000円近い工賃がかかる。さらに、商品持ち込みだと倍くらいの費用がかかってしまうので、かなり高額になる。そこでDIYでつけることにしたのだ。
とはいえ、筆者はクルマのシステムや設置方法は無知かつ無経験! そんなわけで、今回は設置経験のある人にやってもらうことにした。
付けていただいたのは、DIYが大好きというISAOさん。ふだんは大手電機メーカーに勤めながら、休日はクルマやキャンプ道具、さらには車庫の屋根まで作ってしまうDIYのベテラン!
まずは装着する道具をチェック。
上はドラレコ本体、右下はmicroSDカード、中央と左下はヒューズ電源からシガーソケットを新たに取り出すプラグロック電源ソケット、配線のためのギボシ端子、そして入っていたケース。本体以外は別で購入して用意した。
※クワ型端子や配線コネクタなど、配線部材はISAOさんの私物を使用
今回設置するドラレコは『MAXWIN(マックスウィン)』という中国メーカーの「9.88インチ 前後フルHDデジタルルームミラーモニター」。同ブランドは車載用液晶モニターや地上波デジタルチューナーなどを開発、製造しており、ここ最近はドラレコを精力的に販売している。
商品を購入すると本体のほかにリアカメラ、接続ケーブル、GPS受信機などが付いてくる。
では装着スタート! とその前に、今回はヒューズボックスから電源を引き出す。
まずはどのヒューズから電源を分岐して引き出すか確認。クルマの電源は、大きくACC電源(アクセサリー電源)とIG電源(イグニッション電源)の2種類がある。
前者はエンジンを入れる前に起動する電源で、後者はエンジンを入れてから起動する電源。
今回はオーディオと同じACC電源から引っ張る。このACC電源からドラレコ本体への配線と、後ろのリアカメラからドラレコへのケーブル配線が重要なポイントだ!
筆者のクルマはヒューズボックスが運転席の下にあったため、最初に運転席の下からカーナビ下のヒューズボックスの空間を通して、助手席の下へプラス電源の配線を伸ばしておく。ヒューズボックスに配線を装着する作業から始めても問題ないが、周辺に部品が散らかり、作業しづらくなることを考慮した。
配線を伸ばす際には、配線ガイドの尾にコードを絡ませておき、ガイドの先端を助手席に出して引っ張れば簡単に通すことができる。
次にヒューズボックスのACC電源から配線を引っ張る作業。ヒューズから取り出した電源ラインがあったため、そこから分岐して電源を取ることにした。
その際に使ったのが、この配線コネクター。配線を包む被覆を剥ぐ作業やハンダ付けする作業がなくなり、簡単に配線分岐ができる便利アイテムだ。
装着が完了したら、実際に電気が流れているかチェックする。その際に便利なのが、検電テスターという道具。
尾に付いているクリップをドアのヒンジにつけ、先端のテスターを配線に付ければすぐにチェックができる。赤いランプが付いたので、これで通電できていることが確認できた!
次に配線を上へ引っ張り、フロントのドラレコを取り付ける作業に移る。
と、突然ガバッと大きな音を立てながら、助手席側Aピラーのカバーを大胆に外した! これには筆者も驚いたが、中を見るとすでに数本の配線が入っており、ナビのバックモニターやウインカーといった後ろの電子機器の線が使われていたことを知った。クルマは奥が深そうだ……。
上に向かってケーブルを伸ばしたらミラーの裏へ伸ばす。
その際、クルマのフレームと内張りの隙間に配線を挟み込むように入れる。引き回すケーブルはリアカメラ、GPS、電源の3本。
フロントのドラレコ本体に、それぞれのコードを差し込みながらミラーに付けていく。
取り付けは付属のゴムバンドで純正ミラーに固定するだけ。フロントカメラも伸ばして設置で完成だ!
ただ、リアカメラを設置しないと使えないので、とりあえずフロントはこれにてストップ。
GPS受信機や両面テープを貼るのに便利なもの
カー用品に限らず、両面テープを貼る際にはその箇所を脱脂しておく必要がある。なぜなら、貼る部分に油汚れやゴミがたまっているとテープの粘着力が落ち、外れることがある。そこで便利なのが、パーツクリーナーという洗浄液。今回はホームセンターで販売されていた安いものを使用した。
布などにその洗浄液を染み込ませ、貼る箇所を拭くだけ。これで簡単に汚れが落ちる。今回はGPSアンテナとリアカメラの設置の際に使った。
これでGPSアンテナの取り付けは完了し、第一段階はこれで終了。次に後方のリアカメラの設置へ進む。
本体の次にリアカメラを設置
運転席からカーナビの下の空間を通り、助手席へ配線を引っ張ってきた。ここで、ヒューズ電源からのケーブルに接続して、シガーソケットを取り付けてドラレコの電源ケーブルを本体まで引き回す。
※今回使用するドラレコの電源はシガーソケットタイプなので、純正で付いてくるシガーソケットから直接電源をとる場合は、ヒューズボックスから新たにシガーソケットを取り出す工程は不要。
いよいよリアカメラの配線へ! ケーブルは1BOXでも十分な長さがあるため、このクルマではケーブル長が余る。余りの部分をリアゲート付近で処理するのはスペースがないため、後ろのカメラから前へ順にカメラケーブルを配線していく。
リアハッチの周辺に付いているウェザーストリップ(ゴムパッキン)を外す。ウェザーストリップは密閉性を向上させるだけでなく、雨の侵入を防いだり、フレームと内張りを接合させたりなど重要な役割があるそうだ。
リアカメラの配線を天井に差し込み、そこから内張りやカバーの隙間に入れながらドアの上とケースの隙間に沿って、フロントへカメラケーブルを伸ばしていく。
あらかじめドアの周辺を覆うウェザーストリップを外しておくとやりやすい。
そしてカメラケーブルをフロントへ伸ばし終えたら、ウェザーストリップを元の状態に戻して固定する。
リアカメラを設置する際に重要なのは、リアカメラを貼り付ける場所。カメラを見ればわかるが、設置は横向きにするため、リアカメラを局面のあるリアガラスのど真ん中に貼ると、カメラが水平にならないため、モニターではずれて見えてしまう。
パーツクリーナーがあると、油汚れやゴミを洗浄し、テープがしっかり張れるようになる。ホームセンターなどで安く販売しているそうなので、テープを貼る作業をする人はぜひ用意しておこう。使い方は簡単で、布などに染み込ませて貼る箇所を拭き取るだけだ。
リアカメラを設置するポイントは、コードをややゆるめに設置しておくこと。リアドアを開け閉めする際、コードがピンと張った状態ではバックカメラに負担がかかり、取れてしまう危険があるそうだ。ゆるめにコードを設置したら、ケーブルクリップなどの配線留め金具で固定しておく。
前編でフロントのドラレコを設置していたが、リアカメラを設置し終えたので、電源を入れて起動するかチェック。すると……。
無事に起動!リアカメラの映像が写ったが、角度を調整していないのでまだ上に向いたまま。
MAXWIN(マックスウィン)のルームミラー型ドライブレコーダーの配線をしまい込む
無事にドラレコが使えることがわかったので、最後は露出しているコードや配線を収納する。まずはリアカメラのコードをしまうところから。配線ガイドを使い、尾にリアカメラのコードを絡ませ、先端をフレームに沿って下へ伸ばしていく。
MAXWINの魅力は、リアカメラのアングルをタッチパネルで調整できるところ。リアの画角は水平で約101度となっており、広範囲に写る。
では、カメラに写る物体が実際にどのくらいの距離にあるのか調べてみた。こちらはリアカメラを一番下に向けた状態。ISAOさんにクルマの後ろで立ってもらった。
クルマとISAOさんの距離はざっくり4メートルほど。東京海上日動のホームページによると、40km/hで走行している場合、空走距離と制動距離を合わせた停止距離は約22メートルとなっており、一般道ではこれくらいの車間をとる必要があるとされる(参考ページ:https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/guide/drive/201402.html)。
つまり、ISAOさんからクルマまでの距離4メートルは十分な間隔であり、これ以上近い後方車両は危険であるとわかる。ドラレコとしての機能も果たせそうだ。
MAXWIN(マックスウィン)のルームミラー型ドライブレコーダーはDIYで設置することができた!
高い費用を支払ってお店で設置してもらうのもいいが、DIYで楽しみながらドラレコを設置するのもまたいいだろう。ドラレコのレビューは、また後日に詳しく紹介する予定だ。
MAXWIN(マックスウィン)のルームミラー型ドライブレコーダー
前編と後編に分けて、MAXWIN(マックスウィン)というメーカーの「9.88インチ 前後フルHDデジタルルームミラーモニター」をDIYで筆者の自家用車に設置する行程を紹介した。
ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)の機能も持つこちらは、実際に使ってどうだったのか。日中と夜のそれぞれを試し、合わせて気になったことなどをレポートする。
※撮影時は駐車場もしくは赤信号の停止中に行っており、運転中の撮影はしておりません。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーの録画設定方法は?
まずは、録画媒体のmicroSDカードを本体に挿入する。上部に挿入口があるので、使う前に事前に入れておこう。
microSDカードが使えるように、最初にフォーマットしておく必要がある。本体はタッチパネルタイプで操作は簡単。カードを入れてフォーマットするボタンがあらわれるので、押せば1分もしないうちに完了する。フォーマットしたカードには、パソコンでチェックできる専用アプリが自動的に入るようになっている。
所感だが、当初は32GBのカードを使ったところ、わずか2日で容量がいっぱいになってしまった。さらには削除ができない特殊なものだったため、レビュー後に128GBのものを改めて購入した。また、フルHD録画に対応するため、カードはClass 10という高速タイプをチョイスした。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーはバックミラー&ドラレコを兼ねている
では実際に使ってみよう。ドラレコといえば、前方か後方、もしくはその両方をビデオカメラのように撮影してくれる機材。となると、撮影のみなので録画した内容はパソコンに取り込んで見るしかなかった。
しかし、設置したマックスウィンのドラレコは、録画とバックミラーの両方の機能が組み合わさったところが新しい。
カメラはバックミラーに装着した本体と、リアドアに設置したリアカメラの2つ。リアカメラはドアのガラスに設置し、外側ではなく内側にあるので、雨が降ってもぬれずに済む。
本体とリアともに200万画素のカメラを採用しており、ある程度の鮮明度は確認できる。また1920×1080pixelのフルHD録画を実現し、比較的スムーズな録画もできるのが特徴だ。夜はじゃっかん流れが鈍く感じるが、見るぶんには問題ない程度。
クルマのライトの明るさによるが、暗い場所でもナンバープレートが確認でき、夜の高速でもある程度目視できるのであおり運転対策は問題なさそうだ。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーは解像度・音量・輝度などをタッチパネルで簡単操作可能
次に、マックスウィンのドラレコの機能について紹介しよう。方位表示はメイン画面の左下に出るもので、GPSと連動してほぼ正確かつ瞬時に表示される。こちらのメリットは、スマホの地図アプリの経路案内が理解しやすくなること。
アプリの案内は、「東に進みます」と方位で案内されることがほとんどで、運転している人にとっては「東って前後左右どっちだよ!」とわからなくなることがあるだろう。ドラレコを見れば、それがどっちの方向を示しているか理解できるのだ!
録画解像度は1296Pと1080Pの2種類が選べ、前者のほうが鮮明に見える。鮮明になれば、ナンバープレートもしっかり見られるので、1296Pを選ぶのが無難だろう。ループ録画は、定期的にmicroSDカードに書き換える時間を示し、1分間から3分間まで細かく設定できる。
Gセンサーは、クルマに強い衝撃がきた際に反応するもので、高・低・オフの3段階に設定できる。高に設定すると、少しの衝撃で「ビビッ!」と激しい音がなり、低に設定すると、事故レベルのかなり強い衝撃の際に音がなる。
このセンサーが反応すると、録画のファイルがロックされ、上書きされずに証拠として残しておくことができるため、事故時の大事な証明となる。
音量は、本体から流れる音や案内音声の量。大・小・オフの3段階あり、筆者としては小くらいが耳障りにならずちょうど良かった。
輝度調節は、画面の明るさを調整するもので、快晴時などの明るいときには輝度は低めに、夜などの暗いときには高めに設定すると見やすくなる。この調整を自動か手動で選べる。そして言語設定もでき、日本語、中国語、英語の3カ国語を選択できる。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーはタッチパネルで操作できる
冒頭でカードの設定はタッチパネルで操作できると紹介したが、そのほかの操作もタッチパネルでできるのは便利。
ホーム画面を一度タッチすると、写真のような操作パネルが現れる。録画をロックしたり、後方から前方に表示を変更したり、再生を巻き戻したりと、ホーム画面でいろんな操作が可能。
操作ボタンのいちばん左は走行モードというもの。これを押すと、日時と方位、速度、そして車線が表示される。この車線は逸脱した際に赤く表示され、音声アラートで危険を知らせてくれる。居眠り運転防止に役立つ機能なのだ!
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーはスライドで画角を上下に変えられる
マックスウィンの機能はそれだけではない、ホーム画面を上下にスライドすると、画角が変わるのも特徴だ。
フロントとバックで画角は異なり、フロントは水平118度、垂直69度、対角148度で、バックは水平101度、垂直54度、対角121度となっている。フロントのほうがより広範囲を写せる。
トラックのような大型車を見る際は上向きに、クルマが近距離にいる際は下向きにすることで、写したい物体を見られるのは便利だろう。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーを使ってみて気になったことは?
個人的にはマックスウィンのドラレコを搭載して良かったが、気になったこともいくつかある。4点あり、1点目は本体上部のコードが内張りに突っかかり、左右に振れないこと(ちょっと致命的!?)。
左右に振れないため、設置すると真正面を向くことになる。本体のカメラを使用する際、真正面を向かないとフロントが左右バランスよく写せないため、結果的には問題はなかったが、搭載するクルマによってはこのような事態に陥ることがあるため、バックミラー周辺は空間に余裕があるか事前に確認しておこう。
ちなみに、筆者のクルマは日産・エクストレイル(2006年製)だが、同じドラレコを使用する知人の日産・キャラバンは、バックミラー周辺がすっきりしていた!
2点目は、リアに荷物をたくさん載せると、後方から光が当たった際にモニター表面に荷物が映り込み、後ろの様子が見られなくなること。
筆者は仕事でもプライベートでもキャンプをしており、荷物をたくさん詰め込むことが多いため、写真のように液晶全体に荷物が映り込むとやや不便に感じる。
3つ目は、後部座席の様子が見られないこと。これはリアカメラを設置している段階で仕方ないことだが、たとえば後部座席に子どもが座っていて、何をしているか把握しておきたい人はかなり不便だろう。ドラレコには、一応ミラーモードの用意はあるが、後部座席がちゃんと見られるかといえば正直厳しい……。
4点目は、人によって気にならない人もいるかもしれないが、付属のドラレコ搭載シールの劣化が早いこと。
こちらは知人のシールだが、表面にコーティングなどは付いていないため、絵柄だけしかほぼ見られない。ただ、Amazonなどで高品質なシールが販売されているので、そちらを使うのがいいだろう。
以上の気になる点を考慮して、マックスウィンのドラレコを購入したほうが良さそうだ。
MAXWIN(マックスウィン)ルームミラー型ドライブレコーダーは、一長一短だが便利であることには変わりなし!
便利なところと気になるところを両方あげさせてもらったが、結果的には搭載して良かった! というのが本音。
録画している様子をライブで見られるのはとても安心。なおかつ、最新のクルマに搭載される車線逸脱センサーやGセンサーといった機能が盛り込まれているのは、安全走行を心がけたい筆者にとってはありがたい。こちらのレビューが検討材料の一つになると幸いだ。
MAXWIN「9.88インチ 前後フルHDデジタルルームミラーモニター」製品情報
価格:オープン価格(楽天購入価格:税込1万7,980円)
モニター:9.88インチIPS液晶
録画解像度:フロント、リアともに1920×1080
動画ファイル形式:MOV
メモリカード:microSDカード(最大128GB Class10必須)※別売り
電源:DC12V専用
製品の詳しい情報はこちら
撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。
※この記事は2020年の記事を再編集して再掲したものです。