“D＆S列車”とは？
いきなりですが、”D＆S列車”という言葉を聞いたことがありますか？
D＆Sは、特別な「Design（デザイン）」と、運行する地域にもとづく「 Story（ストーリー）」を略した言葉で、デザインと物語のある列車を意味します。
そんなD＆S列車には、車内のインテリアをゴージャスな空間にしたり、車内に列車が走る地域の名産品を置いて食事を楽しんでもらったりと、乗ることそのものがイベントになるような工夫が詰まっています。
例えば、1989年3月に運行がスタートし、博多〜由布院間を走る元祖D＆S列車「ゆふいんの森」は、予約が取りにくいD＆S列車として知られています。
木の温もりがあふれるモダンなインテリアや、美しい車窓を見渡せるよう大きな窓を採用したり、ミシュランの名店監修の駅弁を味わえたりと、非日常を味わうことのできる贅沢な列車として、今なお多くのメディアにも取り上げられています。
2020年秋、新たなD＆S列車が登場！
そしてこのたび、JR九州が2020年秋に約3年半ぶりとなる新たなD＆S列車を運行すると発表し、注目を集めています。
1992年デビューの特急「つばめ」を皮切りに、現在も特急「かもめ」「にちりん」など、九州各地で活躍している787系電車がD＆S列車として生まれ変わった「36ぷらす3」。ちょっと不思議な名前ですが、どんな意味が込められているのでしょうか？
「36」は九州が世界で36番目に大きい島という意味。「ぷらす３」は「お客さま、地域の皆さま、私たち」でひとつになって、39（サンキュー！）＝「感謝」の輪を広げていくという想いが込められているとのこと。
また「36ぷらす3」では、5つのルートに九州を楽しむ35のエピソードを詰め込んでおり、乗車した人自身に”36番目のエピソード”を語っていただきたい…そんな想いもあるんだそう。
「36ぷらす3」のコンセプト
「36ぷらす3」のコンセプトはズバリ「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった”走る九州”といえる列車」。
運行ルートを九州7県とし、5日間かけて1周するという長期間の道程。列車の全ルートを合わせると、走行距離は1198キロにも及びます。
これは、一方向に縁を描くように環状運転する電車としては、寝台電車を除いてなんと世界一の長さです。
「36ぷらす3」は、この円を「輪」に見立て世界一大きい「感謝」の輪を描き、九州を元気にするため走り続けようとしています。
かつて人気を博した”ビュッフェ”も復活するとのことなので、そのほかの各種サービスにも期待大。
2020年秋にデビューする「36ぷらす3」に乗って、まだ知らない九州の楽しさを発見してみてください。
運行ルートをチェック！
沖縄県を除く九州7県を巡る運行ルート。
・各日単位で乗車が可能。
・日中の時間帯に運行し、宿泊設備はなし。
・乗降は、門司港駅を除く各駅を予定。
・上記ルートで年間45週程度の運転を予定。
787系電車（6両編成） 全席グリーン、定員100名程度予定。
ダイヤ、運転日、販売方法、サービス概要のほか、車内サービスや、車両構成の詳細は現在未定となっています。
海に山、さまざまに変わる自然景観を楽しんだり、その土地土地で名産品に舌鼓を打ったり、九州の新しい魅力を発見できる鉄道旅になること間違いなしです！
停車する駅の近くにキャンプ場があったら、テント持参で鉄道旅もできて最高なんですけどね。来年の運行に合わせて、ちょっと調べてみたいと思います。
新しい鉄道旅が楽しめる予感たっぷりの「36ぷらす3」、運行がいまから待ち遠しいですね！
お問い合わせ
九州旅客鉄道株式会社
http://www.jrkyushu.co.jp
文／中山 圭
【Profile / 中山 圭】
東京都立川市出身。広告代理店、出版社2社での広告営業を経て2019年に独立。趣味はルアー釣り、カメラ、音楽（ベース）。学生時代に始めたバス釣りで、2年もの間釣れなかったことから、ルアー釣りにのめり込むことに。ここ数年はバラした70cm以上のGTを追い求めて、南の島遠征を繰り返している。将来の夢は風景写真で入賞を果たすこと。モットーは、“釣果と景色は足で稼ぐべし”。
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