秋といえば紅葉狩り……と聞いても、あまり興味を持てない方もいらっしゃるかもしれません。「天高く馬肥ゆる秋」ということわざもある通り、秋には旬を迎える食材も多いですし、ただ綺麗なだけの紅葉よりも食べて楽しむ秋が好きだという方も少なくありません。
ですが、紅葉も場所によってその表情をがらりと変える魅力的な秋の顔なんです。
自然の中で見る紅葉、寺社仏閣との対比を楽しむ紅葉などなど、見る場所や隣り合うものによってその美しさを何通りにも変化させる秋の紅葉。毎年紅葉狩りに出掛けるという方も、今まではあまり意識して見てこなかったという方も、今年の秋は紅葉の見頃を狙ってお出掛けしてみませんか？ 広島県内のおすすめ紅葉スポットをご紹介します！
宮島の穴場スポット 大聖院
広島県で有名な観光地といえばやっぱり宮島ですよね。島に住んでいる人の人口は1,700人ほどなのに、宮島を訪れる観光客の数はなんと年間400万人もいるのだそう。それほど人気の観光地なんですね。
宮島といえば、その景観の美しさと希少さが最も大きな魅力です。宮城県の松島、京都の天橋立と並んで日本三景に数えられる宮島は、春夏秋冬、一年を通して美しい光景を見せてくれます。
その中でも、特に島全体が鮮やかな色合いに染まるのが秋の紅葉シーズンです。モミジやカエデの木がたくさん植えられた数々の紅葉スポットは、見る人の心を惹きつけてやみません。
ですが、観光客がとにかく多いのが宮島です。有名な紅葉スポットはツアーの道程にも組み込まれていることも多いせいか、シーズン中は朝早くから混み合うほど。そこで、まずはツアーを利用している人はあまり訪れない紅葉スポットをご紹介します。
それは、宮島桟橋から徒歩でおよそ20分ほどの場所にある「大聖院」というお寺です。弥山への登山ルートの入り口近くに建っているのですぐにわかるはず。道に迷ったらそれを目安にしてみてくださいね。
大聖院は真言宗のお寺で、あの空海が開基したと伝えられています。それが806年のことだそうなので、1000年以上も前から宮島にある歴史あるお寺なのです。
大聖院に着いて仁王門をくぐると、すぐに紅葉が目に入ります。境内へ向かう階段も、境内に入ってからも、周囲には赤く色づいた紅葉がたくさん！ 頭上はもちろん、落ちた葉が敷き詰められている地面も真っ赤。どこを見ても鮮やかな色彩が目を楽しませてくれます。
宮島の中でも高いところにあるお寺なので、大子堂前からは町を見下ろし、瀬戸内海まで見通すこともできます。真っ赤な紅葉とお寺の屋根、そして瀬戸内海とそこに浮かぶ島々をひと目で楽しめるのは大聖院ならでは！
石段を登るのはちょっと大変ですが、その苦労に必ず報いてくれる景色です。さらに摩尼殿の2階にも自由に上がることができ、そこからはもっと広く・遠くが見渡せます。
きれいな木々を額縁に、厳島神社や五重塔を眺める贅沢を味わってみてください。
見頃はまさに今で、11月中旬から11月下旬ごろ。
INFO
広島県廿日市市宮島町210
【アクセス】宮島桟橋から徒歩20分
大聖院の情報はこちら＞＞https://galilei.ne.jp/daisyoin/
広島の王道紅葉スポットといえばココ！ 厳島神社・紅葉谷公園
宮島といえばなんといっても厳島神社が有名です。有名だからこそ観光客も多いのですが、そこでくじけていては美しい紅葉を目で見て、肌で体感することはできません！
厳島神社近くの紅葉スポットにも、ぜひ足を伸ばしてみましょう。
厳島神社の近くには、約700本もの紅葉する木々が植えられている公園があります。
約700本の紅葉があります。その名も「紅葉谷公園」というこちらの公園では、約560本もあるというイロハカエデや約100本のオオモミジなどが赤や黄色、山吹色に色づく様を見ることができます。紅葉シーズンになると公園全体が鮮やかに染め上げられることに。まさに圧巻、といった光景です。
たくさんの木々が生い茂る道を歩いてみると、多数の落ち葉がふんわりと地面を覆いつくしているのもまた楽しいもの。遠くから眺めるのではなく、近くで見て、体全体で感じられる紅葉といえばやはりこの紅葉谷公園の紅葉といえます。
見頃はまさに今で、11月中旬から11月下旬ごろ。
INFO
広島県廿日市市宮島町紅葉谷公園
【電車】JR宮島口駅から徒歩5分または広島電鉄宮島線広電宮島口駅から徒歩1分、宮島口桟橋から船で約10分「宮島桟橋」下船後、徒歩20分
【車】広島岩国道路廿日市ICまたは大野ICから国道2号経由約10分で宮島口桟橋、そこから船で約10分「宮島桟橋」下船後、徒歩20分
宮島・紅葉谷公園の情報はこちら＞＞http://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_momiji.html
広島の山・里・海の絶景を再現！ 三景園
広島県を代表する観光地が宮島であるのは間違いありませんが、ほかにも見るべき場所はたくさんあります。紅葉スポットに絞ってご紹介すると、もうひとつのおすすめは三原市にある三景園です。三景園とは、広島空港開港を記念して1993年に造られた築山池泉回遊式庭園です。
なぜ三景園という名前がつけられたのかというと、広島県に特有の3種類の風景を表現して造られた庭園だからです。中国山地の南面に位置していて起伏のある山々にいくつもの渓谷、そして豊かな森林を有していること、そして谷間には里山の暮らしがあり、海岸部には瀬戸内海の景勝地があること。これら3つの風景を日本庭園ならではの手法を用いて表現したため、三景園という名前がつけられました。
紅葉を見られる場所としておすすめなのは、自然林を生かして造られた山と渓流を表現しているゾーン、そして里山の風景をイメージした紅葉谷などです。特に紅葉谷はその名前の通りの美しさで、シーズン中は橋や道が赤や黄色の葉っぱで覆い尽くされてしまうほど。見頃になる時期はもみじまつりも開催されるので、足を運んでみてくださいね。
見頃はまさに今で、11月中旬から11月下旬ごろ。
INFO
広島県三原市本郷町善入寺64-24
【電車・バス】JR白市駅から空港行きバス乗車、およそ15分
【車】山陽自動車河内IC・本郷ICからそれぞれおよそ5分
三景園の情報はこちら＞＞http://www.chuo-shinrin-koen.or.jp/sankei/sankei.html
広島県には、寺院や神社の長い歴史を感じられる紅葉の風景、広島という土地柄に由来した風景を楽しめる庭園など、見どころのある紅葉スポットがたくさんあります。
紅葉はとても美しいですが、見頃も短いものです。今年の秋はタイミングを逃さず、気になる紅葉スポットを訪ねてみませんか？
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