ところで、蟹蔵さんが開催しているマングローブツアーは?
「オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシの4種類が伊良部島にあります。マングローブツアーでは、ジャングルの中を歩いてこの4種類のマングローブを見ることができます」
「お客さんにはマングローブ林を歩いてもらって、伊良部島の自然を理解してもらって。仕掛けておいたカニ篭にかかっているガザミを獲って、養殖するんです」
養殖は、具体的にどんなことを?
養殖すると、どう変わります?
「日本に入ってくるマングローブガニのほとんどが東南アジア産。
マングローブガニは英語でマットクラブ。訳すと泥ガニ。
でも伊良部島は川がないし、クリーンな場所で獲れるから、マッドクラブではないんですよね。アミメノコギリガザミという青い種類が中心。臭みがなくて、大きくなるガザミなんです」
「伊良部島はサンゴ礁が隆起した島で、海がすごいキレイで、ガザミにもともと臭みがない。
海で獲ったガザミを養殖場で外海のキレイな海水に浸からせる。
その養殖方法はいいとこ取りで、さらに太るし臭みもない良いガザミへと育てられる。卵を抱えたガザミが獲れれば孵化させて、稚ガニを養分の豊富な海へと放流するんです」
なんでその方法を思いつきました?
「例えば病気と同じこと。病気になったときに、医者に全部を任せてしまう人と、何で病気になったんだろうかって調べる人がいる。
『根本的に食事が悪かった』『運動不足だ』『ストレスだ』とかって」
「自分の場合は、すごい専門知識は持ってなかったけど好きで毎日海に入って、現場でその環境とガザミの様子を毎日観察しているから、『こういうことがガザミにイイ影響を与えてるのでは』などと一生懸命考えたんです。
自然の濾過力って思った以上にすごくて、あれこれと生き物の力も借りると養殖場の海水がキレイになる」
つまりそうやってトライ&エラーを繰り返してきた
ちなみに、ガザミは凶暴ですか?
「ガザミはメスの方が危険。オスのツメはハッタリなんですよ(笑)。ツメをバンバンと音は鳴らすけど、それもハッタリ。確かに挟んだらオスの方が力は強いけど、オスは挟んでもすぐに離すんですよ。自分のツメを失いたくないから。ツメを失ったら生存競争に勝てないから」
「メスは挟んだら離さない。
それで自切りっていって、トカゲのシッポみたいにツメを体から外すんです。体から外れたツメはいつまでもしつこく、何時間でもグイグイと動いてるんですよ。
身軽になったメスは、そのあいだに走って逃げる。ツメを外して逃げることで自分の体と卵を守る。
次の脱皮でまたツメが生えてくるから大丈夫。メスはツメを外しやすし、攻撃的で挟みやすいから凶暴です」
お問い合わせ先
伊良部島産地蟹・マングローブ蟹養殖「蟹蔵」
沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1381-6
電話:0980-78-4737
メール:kanizouyoshitaka@yahoo.co.jp
宮古島ひとときさんぽツアー
蟹蔵と行く!マングローブガザミ漁ツアー 8,000円~(税込み、前々日までに要予約)
佐和田の浜 風(KAJI)サバニツアー 15,000円(税込み、前日までに要予約)
電話:0980-73-7311
メール:hitotoki@plannet4.co.jp