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スタイリッシュで永く愛される、アナルコカップスの魅力と使い方を解説!

種類豊富で武骨なアナルコカップス

日本のアパレルブランド「リサーチ(……. RESEARCH)」が手がけるアナルコカップス。通常のシェラカップとは違った丈夫な素材とこだわり抜いた加工方法、そして使えばわかる便利な形状は、知る人ぞ知るアイテムとなっている。

とあるショップで偶然見つけたアナルコカップスシリーズを一部買うことができたので、その魅力を発掘していく。

「メイド・イン・東京」というこだわりの逸品

右:「1/2pt (Mod.)」、左:「アナルコカップ」

アナルコカップスの原点であるモデル・アナルコカップは、バックパッカーの故チャール・A・ヒル氏が開発したロッキーカップを起源とする。このカップは、当時のシェラクラブ製カップ(現シェラカップ)のサイズに不満を感じてパイントサイズ(473ml)に設定して作ったものである。

1984年に商標登録が完了し、世界中に愛用者がいたものの、すでに生産は終了し、オリジナルのロッキーカップはヴィンテージ市場ではプレミアがつくほどになっている。

そんなロッキーカップを、現代の技術で蘇らせることをコンセプトにしたのが「リサーチ(……. RESEARCH)」のアナルコカップス。刻印しているアナルコマウンテニアズとは“無政府主義的山岳家”という意味で、どこにも属さず自分らしいスタイルで登山する人を表す。

右:「アナルコソロ」、左上:「アナルコボウル」、左下「アナルコプレート」

自分のスタイルを貫く人へ向けたアナルコカップスシリーズは、登山家からキャンパーまで多くの人を虜にし、現在ではロッキーカップデザインのアナルコカップのほか、2つのハンドル(以下、ツーハンドル)をつけたモデルやマグ型なども展開している。

さて、このアナルコカップスの魅力は、東京の町工場にて1点ずつハンドメイドで作られていること。ここでは「へら絞り」と呼ばれる金属加工で作られている。

芸術的な仕上がりの「へら絞り」加工

へら絞りとは、金属プレートを回転させ、へらという棒を押し当てて成形する手法であり、新幹線や宇宙ロケットの先端部品などで採用されている。完成後にバリ取り(縁についたデコボコを削ってキレイにする加工)をする必要はなく、表面の滑らかさを維持できるため無駄な加工や労力が省ける利点がある。

このへら絞りで、ツルッとしてすぼまったデザインを作り上げており、芸術的な美しささえ感じられる。もちろん、カップや器としても実用性も兼ね備えているからスゴいのである。

素材はステンレススチールを使用。キャンプ用品ならテーブルやジャグ、焚き火台などで使用されている素材で、耐久性を必要としている道具に使われることからアナルコカップスの丈夫さも言わずもがな。

ただし、空焼きや高熱調理をすると変形する可能性があるとのことで、場面によっては注意したほうがいいだろう。

それでは、そんなアナルコカップとツーハンドルモデルをそれぞれ見ていこう。

高さを生かした持ちやすいハンドルのアナルコカップ

アナルコカップの特徴は、このハンドル。シェラカップの高さは4cmに対し、こちらは6cm(1/2pt (Mod.)は5cm)とやや高めに設計しており、それを生かしてS字のような特異な形状になっている。

この形状により、人差し指と中指でハンドルを引っかけ、薬指と小指で支えられる。カップに料理や飲み物が入っていても、この配置のおかげで指が痛くなりにくくなっている。

ちなみに、アナルコカップの容量は473mlで、ハーフサイズの1/2pt (Mod.)は236mlとなっている。1パイントはビールでよく用いられる単位で、アナルコカップで用いられるパイントはアメリカ式。

たっぷり入れても安心して持てるツーハンドル

アナルコソロ、アナルコボウル、アナルコプレートの3モデルは、シェラカップと同じ形状のハンドルが両サイドについている。「2つもつける必要ある?」と思う人もいるかもしれないが、筆者はこれがすこぶる便利だと感じた。

この3モデルは、器としてだけでなく簡易的な調理道具としても使える。このサイズで調理するなら肉料理やスープ類となるが、どうしてもある程度の重量が出てしまうため、片手で持つのは難しい。

2つのハンドルがあれば、スープ類でも安心して持つことができ、重くなっても両手なら平気で持ち上げられる。

ハンドルの形状はシェラカップと同じL字形状を採用しており、フライパンのような棒形状と比べてしっかりと握りやすく、フラフラと揺れにくい。

ソロ、ボウル、プレートの使い方の例

定番のアナルコカップはシェラカップ同様の使い方ができると想像に難くないので、ここではソロ、ボウル、プレートの使い方を紹介しよう。

まずはソロ。大きさは3つの中で一番小さいが高さは中間に位置する。使ってみたところ、スープ類や煮込み料理がいいと感じた。ポトフやミネストローネなど、ソロで食べるならピッタリだった。

次にボウル。サイズは3つの中では中間サイズで高さが一番高い。スープ類や煮込み料理は2〜3人分を入れることができ、ソロキャンプで使うならラーメンがピッタリな印象だった。

容量で見るとソロでもラーメンは作れるが、麺を茹でるときに吹きこぼれが発生。調理から食べるところまでトータルで見ればボウルを使うのがいいだろう。最近のビッグサイズにも対応できる。

最後にプレート。サイズは3つの中でもっとも大きい一方で高さは一番低い。そのため、汁物より肉や魚といったメイン料理をのせるのに便利と感じた。また、底が広いためフライパンとしても使えるし、器としてもおしゃれに盛り付けられる。

重量と持ち手の良し悪しは個人差があるかも

ここまでアナルコカップスの特徴や魅力を紹介してきた。個人的には便利なアイテムでさっそくキャンプ道具の一軍になったが、もちろん個人差がある。

たとえばハンドル。ツーハンドルのものは両手で持つなら簡単だが、汁物を最後まで飲もうとするとどうしても片手で持つことになり、握力に自信がない人だと長く持てないかもしれない。

また、丈夫な素材がゆえに重量もあり、たとえばユニフレームのアルミシェラカップは90gなのに対してアナルコカップは160gと倍近くになっている。軽さ重視の登山ではやや不便に感じることもあるだろう。

あとは、価格もカップとしては高い部類に入るので、筆者もまとめて買うか非常に迷ったことも書き添えておきたい。

長く使いたい人はアナルコカップスが絶対におすすめ

アナルコカップスのメリットとデメリットと紹介したが、筆者としてはデメリットよりメリットのほうが多いと思ったので、すでに現場でガンガン使っている。何より、抜きん出たデザインが何よりの好みでもある。

職人が仕上げているため、数量が少ないうえに販売しているところも限られるため、見つけたらすぐに購入することをおすすめしたい。

>>【関連記事】47都道府県のご当地グルメ・B級グルメをシェラカップで作ってみた! ミニマムクッキング全国制覇!

商品概要 アナルコカップ

価格:6,380円
サイズ:直径12×底面9.5×深さ6cm
重量:160g
容量:473ml

1/2pt (Mod.)

価格:5,940円
サイズ:直径9.7×底面7.5×高さ5cm
重量:100g
容量:236ml

ソロ

価格:9,350円
サイズ:直径15×底面11.5×深さ5cm
重量:221g
容量:600ml

ボウル

価格:9,350円
サイズ:直径18×底面15×深さ6cm
重量:300g
容量:1.2L

プレート

価格:9,900円
サイズ:直径20×底面16.5×深さ4cm
重量:320g
容量:1L

公式オンラインサイトはこちら

【文/撮影】小川迪裕
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
『ロウホウ』代表。雑誌やWEBメディアの編集、ライティングを行うほか、企業やブランドのコンテンツディレクションも請け負う。得意ジャンルはキャンプ、ファッション、ガジェットで、気になったものがあれば懐具合を見ずに購入してすぐにレビューする。

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