日本の中心に位置する注目の移住地・愛知県
日本のほぼ中央に位置し、工業が盛んな都市部と豊かな自然に恵まれた地域を併せ持つ愛知県。
県庁所在地の名古屋市は東京・大阪の中間にあり、東海道新幹線で東京まで約1時間40分、京都・大阪方面へ約50分とアクセス良好な「交通の要衝」です。
さらに、中部国際空港(セントレア)から国内外へ直行できる利便性も備えています。
気候は地域によって差があり、渥美半島(田原市)や知多半島(美浜町)など南部沿岸は黒潮の影響で比較的温暖ですが、北東部の山間地域(豊田市奥地や豊根村など)では冷涼で四季の寒暖差が大きい傾向があります。
こうした地理的特徴により、「海の近くでのんびり田舎暮らしをしたい」「名古屋圏の都市近郊で利便性を享受したい」といった多様な移住ニーズに応えられるのが愛知県の魅力です。
愛知県移住のメリット
愛知県移住のメリットとして、まず「働き口の多さ」が挙げられます。
愛知県はトヨタ自動車のお膝元として製造業が発達し、製造品出荷額が41年連続全国1位を誇るなど日本有数の産業集積地です。
自動車産業関連の企業はもちろん、情報通信や医療分野まで幅広い業種の求人が豊富にあり、Uターン・Iターン希望者にも就職先を見つけやすい土壌があります。
また、東京など大都市圏に比べ生活コストが抑えられる点も見逃せません。
例えば愛知県内の家賃相場は、名古屋市中心部でも東京23区より割安で、郊外都市ではさらに安価です。
持ち家志向の方にとっても、郊外エリアなら比較的広い土地や住居を手頃な価格で取得できる点がメリットでしょう。
さらに、子育て支援も充実しており、多くの市町村で18歳までの医療費助成や手厚い児童手当が実施されています。
実際、岡崎市では中学生まで医療費無料、高校生も入院費無料といった制度があり「子育て世帯に優しい街」として評価されています。
このように仕事探しのしやすさや生活コストの安さ、行政サービスの充実が愛知県移住の大きな魅力です。
愛知県移住のデメリット
一方で愛知県移住のデメリットや注意点も押さえておきましょう。
まず交通面では、名古屋市内や主要都市圏以外は公共交通機関が必ずしも便利とは言えず、車移動が前提になる地域が多いです。
特に田原市や豊田市山間部などでは日常生活にマイカーが不可欠であり、ガソリン代や車両維持費がかさむ点は都市部との違いと言えます。
また、「車社会」であるがゆえに交通渋滞が発生しやすい地域もあります(名古屋市近郊や三河地域の主要道路など)。
さらに、名古屋市以外の地域では大型商業施設や専門医療機関が限られるため、買い物や娯楽面で物足りなさを感じるケースもあるでしょう。
また移住の“失敗”としてよく聞かれるのが、「思っていた環境と違った」というミスマッチです。これを防ぐには後述する移住体験ツアーやお試し住宅の活用がおすすめです。
愛知県内でも豊田市や豊根村、田原市などで一定期間のお試し移住住宅を用意しており、仮住まいしながら現地の暮らしを体験できます。
実際に住んでみることで気候や地域コミュニティの雰囲気を肌で感じられるため、移住の失敗や後悔を防ぐ効果的な手段です。
愛知県が実施している移住支援金・補助金制度
愛知県では、東京圏からのUIJターン移住者に向けた支援制度を積極的に展開しています。
ここでは令和7年度(2025年度)に募集・実施が確認できる代表的な支援金・補助金制度をピックアップし、その「概要/申請期限/支援内容(支援金額)/要件」をまとめます。
いずれも国と愛知県、市町村が連携して実施している制度で、利用にあたっては各市町村の担当窓口への申請が必要です。最新情報や詳細な条件は必ず公式サイトや自治体窓口でご確認ください。
愛知県移住支援金(UIJターン就業・起業移住支援金)
東京23区に在住または通勤していた方が愛知県内の対象市町村に移住し、定められた要件で就業または起業等を行った場合に支給される支援金制度です。
国の地方創生施策に基づき、地域の中小企業等の人手不足解消と東京圏への一極集中是正を目的として創設されました。
愛知県と移住先市町村が共同で給付し、転入先の市町村役場に申請します。
申請期限
原則として令和7年度中に転入した移住者が対象となり、各市町村ごとに申請受付期間が設定されています。
申請期限は自治体により異なりますが、例として岡崎市では2025年9月30日まで、豊橋市では2025年12月26日まで(予算上限に達し次第終了)といった締切が設定されています。
移住先の市町村HPで最新の期限を必ず確認しましょう。
支援金
単身世帯で60万円、2人以上の世帯で100万円 が支給されます。
さらに令和5年度以降、18歳未満の子どもを帯同して移住した場合は子ども1人につき上限100万円の加算があります。
要件
支援金を受け取るには主に以下の条件を全て満たす必要があります。
移住直前の10年間で通算5年以上、かつ直近1年以上を東京23区内に居住または東京圏※から23区へ通勤していたこと。
※東京圏=埼玉・千葉・東京・神奈川(条件不利地域を除く)。
令和7年度時点で愛知県が定める移住支援金対象市町村(名古屋市、豊橋市、岡崎市、豊田市など県内ほぼ全域が対象)に転入し、5年以上定住する意思があること。
就業要件
移住支援金対象求人に就職していること、または愛知県の起業支援事業による起業認定を受けていること、あるいはテレワーク等で地域に居住していること。
具体的には、都道府県が運営するマッチングサイト(愛知県では「あいちUIJターン支援センター」の求人検索など)に掲載された求人に応募・就業し、週20時間以上の無期雇用契約で勤務していること等が求められます。
起業の場合は、愛知県のスタートアップ創業支援事業に採択されることが条件です。
その他
暴力団関係者でないこと、日本国籍または一定の在留資格を有すること、過去に同種の移住支援金を受給していないことなど。
※愛知県移住支援金の詳細な要件や対象求人の検索については、愛知県UIJターン支援センターの公式ページや各市町村の移住支援金案内ページで必ず確認してください。支援金は一度きりの給付であり、受給後に一定期間内で転出した場合は全額もしくは半額返還となる場合があります。
地方就職学生支援事業(地方就職支援金)
東京圏の大学に通う学生が、卒業後に愛知県内へUIJターン就職することを促進するための支援制度です。
東京23区に本部がある大学(または大学院)に在学中の学生で、卒業後に愛知県内企業へ就職し、指定された市町村へ移住する場合に、就職活動に要する交通費や移住時の引っ越し費用の一部が支給されます。
国の「地方創生移住支援事業」の拡充策として新たに創設された制度で、愛知県と参加市町村が共同実施しています。
申請期限
基本的に卒業・就職後1年以内の申請となります。
各参加市町村で締切が定められており、例えば豊橋市では「今年度の申請期限は令和7年12月26日」と案内されています(※2025年卒業者向け、予算に達し次第終了)。
このように自治体ごとに年度内の締切日が設定されていますので、進学元や就職先が決まった段階で早めに転入予定先の市町村に問い合わせ、期限内に申請を行いましょう。
支援金
就職活動および移住にかかる費用に対し、以下の金額が一人1回限り支給されます。
就職活動の交通費補助
上限12,000円(東京圏⇔愛知県の往復交通費1回分の1/2以内)。
例えば東京~名古屋間の新幹線往復約2.4万円の半額相当が目安です。
移住(引越し)費用補助
上限81,500円(実際に要した最低限の引越し費用の実費、1回分)。
敷金礼金や引越し業者代等、転居に直接かかった費用が対象で、領収書を基に算定されます。
要件
対象となるのは以下の条件を満たす学生・就職者です。
東京圏在住の学生:卒業(修了)年度において、東京23区内に本部キャンパスを持つ大学または大学院に4年以上在学し(卒業見込み含む)、在学中から東京圏内に継続居住していること。
愛知県内就職:大学等卒業後1年以内に、勤務地が愛知県内にある企業に正規就職すること。公務員や一部大企業は除外、週20時間以上の無期雇用契約であることなど細かい条件があります。
指定市町村に移住:就職に伴い参加市町村(県と事前協定を結んだ市町村)に転入する意思があること。
愛知県では名古屋市、豊橋市、一宮市、田原市、長久手市、美浜町など15市町が参加(令和7年度時点)。
参加自治体以外に転入する場合、本支援金の対象外となります。
定住意思:移住先の市町村に少なくとも5年以上継続居住する意向を持つこと。
在学中申請可:卒業前に交通費補助のみ申請することも可能(内定企業が決まっている場合)。この場合、卒業後に実際に就職・転入する意思確認が求められます。
その他
移住支援金との重複受給は不可(移住支援金を受け取った場合、本支援の移転費は対象外)。暴力団排除や納税義務の履行など基本的な条件は他の制度と同様です。
※本支援金は愛知県全域を対象とした制度ですが、申請窓口は移住先(転入先)市町村の役場です。
自治体により「○○市地方就職学生支援補助金」等と名称が異なる場合がありますが、仕組みは共通です。不明点は県就業促進課または各市町村担当課に問い合わせるとよいでしょう。
愛知県のお試し移住支援・体験ツアー
愛知県では、理想の暮らし方に合わせたお試し移住支援・体験ツアーを実施しています。
あいちの山里&離島「移住体験ツアー」―あいちの山里編(1泊2日)
主催:愛知県(市町村課)による「あいちの山里・離島移住促進強化事業」の一環。山里地域の暮らしを体感する1泊2日の公式ツアー。
日程・場所:2025年2月15日(土)~16日(日)/奥三河(新城市・設楽町・東栄町)。集合・解散は県案内どおり(詳細は募集要項参照)。
内容の例:里山の仕事・暮らし見学、地域交流、ローカルフード、空き家・移住相談等(行程は年度版の募集要項に準拠)。
費用:宿泊・朝夕食・保険を含む参加費9,000円程度(昼食や集合地までの往復交通費は自己負担)
申込方法:県の募集ページにある要領に従い申込(メール等)。定員・締切は募集要項で告知。
あいちの山里&離島「移住体験ツアー」―あいちの離島編(1泊2日)
主催:愛知県(市町村課)。島の暮らしに関心がある方向けの公式離島体験ツアー。
日程・場所:2025年1月25日(土)~26日(日)/佐久島(西尾市)。集合・解散はJR名古屋駅(告知どおり)。
内容の例:島内周遊、しごと・住まい相談、交流、地場食体験等(行程は募集要項に準拠)。
費用:参加費9,000円(1泊・夕朝食・保険・島内移動等を含む)。集合地までの往復交通費と一部昼食は自己負担。
申込方法:募集ページ記載のメール送付(氏名・年齢・住所ほか必要事項)。定員10名/締切設定あり。
がまごおり海辺のくらし体験ツアー(蒲郡市/日帰り)
主催:蒲郡市(移住定住促進)。海辺の生活を1日で体験する市公式の日帰りツアー。
日程・場所:2025年8月24日(日)/蒲郡市内。集合はJR蒲郡駅構内「ナビテラス」。
内容の例:海辺の暮らし・子育て環境の見学、地元案内、住まい相談、地域交流など(公式行程に準拠)。
費用:参加費無料(ただし、市内集合場所までの交通費と昼食代1,200円は自己負担)。定員8名(先着)/申込締切:2025年8月22日(金)。
ふるさとネット
申込方法:市公式サイトの募集ページ(または県東三河移住ポータルのイベント欄)から。
最新の募集状況・空き枠・行程は、県公式/市公式の募集ページで必ずご確認ください(開催回・内容が更新される場合があります)。
豊田市里山暮らし体験館 すげの里
都市と農山村の交流や中山間地域への定住を進めることを目的とした里山での体験やふれあいの場。農業体験や宿泊体験を随時受け入れています。
所在地:豊田市新盛町中洞67
電話番号:0565-69-1622
開庁・開館日時:午前9時~午後5時
休庁・休館日時:毎週水曜日(祝日は開館 その場合木曜日が休館)、年末年始
宿泊使用料:1,500円/人※上記料金に別途寝具クリーニング代(500円)がかかります。
愛知県の移住相談窓口とおもな移住イベント情報
支援制度のほか、情報収集や相談先の確保も移住成功の重要なポイントです。
愛知県では県および市町村、民間団体が連携し、移住希望者向けの相談窓口やイベントを多数用意しています。
愛知県移住・定住ポータルサイト(愛知の住みやすさ発信サイト)
愛知県が運営する、移住・定住の総合情報サイトです。
県内の暮らしや仕事、住まい、子育て環境、医療・教育機関などカテゴリ別に情報を発信しており、移住先選びの参考になります。
市町村ごとの支援情報や特徴もマップから閲覧可能で、愛知県への移住を考えたなら最初に訪れたいサイトです。
あいちUIJターン支援センター
愛知県が名古屋駅前と東京・新宿に設置する移住就職支援拠点です。
UIJターン希望者に対する求人情報提供、キャリアカウンセリング、企業紹介などワンストップサービスを提供しています。
東京センター(新宿)と名古屋センターでそれぞれ月~土曜10:00~19:00に個別相談を受け付けており、電話やオンラインでの相談も可能です。
また、センターの公式サイトでは移住支援金対象求人の検索や企業動画の閲覧、UIJターン先輩インタビューなど役立つコンテンツが掲載されています。
東京支部
東京都新宿区西新宿7-1-12 クロスオフィス新宿5階
連絡先 TEL 03-3360-6297
E-mail info@uij-aichi.jp
交通 JR「新宿駅」西口より徒歩5分
都営大江戸線「新宿西口駅」より徒歩1分
西武新宿駅「西武新宿駅」より徒歩5分
運営時間 月曜日~土曜日 10時~19時
※祝日・年末年始を除く
名古屋支部
愛知県名古屋市中区錦3-15-15 CTV錦ビル6階
株式会社イープラネット内
連絡先 TEL 052-308-4859 FAX 052-307-6487
E-mail info@uij-aichi.jp
交通 地下鉄「栄」駅 セントラルパーク方面 10A出口 徒歩2分
運営時間 月曜日〜土曜日 10:00〜19:00
※祝日・年末年始を除く
愛知県の移住フェア・セミナー情報
いい街発見!地方の暮らしフェア2025(中日新聞社 主催)
日時・場所:2025年10月11日(土) 11:00~17:00、会場:中日ビル6階(ホール&カファレンス)
出展規模・対象:地方各地の自治体・団体が出展。入場無料。
地方移住・定住・地域交流をテーマに、参加自治体と来場者の「ふれあい」を通じた情報発信。出展自治体による特色紹介や相談窓口を設置します。
移住・転職・地域暮らしに関するミニセミナーやトークセッションを実施し、無料で充実した移住情報が得られるでしょう。
対象者/費用:入場無料。地方暮らしに関心のある人すべてを対象。
申込/注意点:事前登録不要(当日参加可能)。スケジュールやセミナー登壇者は事前発表される。自治体ブースで個別相談ができる。
愛知県移住の情報発信サイト・SNS
この投稿をInstagramで見る
移住情報サイト「田舎暮らし情報館」内の愛知県ページでは、愛知県交流居住センターや空き家バンク情報へのリンクがまとめられており、地域の不動産情報や体験イベント情報への入口として役立ちます。
SNSでは「今日も岡崎」(岡崎市公式Instagram)や「しんしろライフ」(新城市公式Instagram)を筆頭に、各自治体が独自に情報発信しているのでチェックしてみましょう。
愛知県で人気の移住先6選と暮らしの特徴
最後に、愛知県へのUIJターン希望者に人気の主要6地域をご紹介します。
都市近郊から田園地域までバラエティに富んだエリアをピックアップしました。
それぞれの暮らしやすさの特徴や支援制度の傾向をまとめたので、移住地選びの参考にしてください。
愛知県で人気の移住先:岡崎市(おかざきし)
愛知県第3の都市である岡崎市は、名古屋市の東約35kmに位置する中核市。
「徳川家康生誕の地」として有名で、街の中心には岡崎城を擁する岡崎公園があり、歴史と文化が色濃く息づいています。
人口約38万人ながら、市街地は程よい規模で自然も身近に感じられる“ほどよい地方都市”です。
名鉄本線・JR東海道本線が通り名古屋まで電車で最短30分台と交通アクセスは良好。
最近ではYouTuber「東海オンエア」の地元としても、注目を集めています。
一方で郊外に出れば田園風景や里山の緑が広がり、特に市北部の額田地域はキャンプ場や渓谷(くらがり渓谷)などアウトドアスポットも豊富です。
岡崎市の移住支援
都会すぎず田舎すぎない程良い環境から、「子育てしやすい街」として人気が高く、実際に待機児童ゼロや中学生まで医療費無料化を実現するなど行政サービスも充実しています。
UIJターン向けには、愛知県移住支援金(岡崎市UIJターン移住費補助金)のほか、新規就農者への支援や空き家バンク制度も整備されています。
歴史ある城下町の情緒と現代的な暮らしやすさが両立した岡崎市は、「活気のあるまちに住みたい」「名古屋通勤圏で落ち着いた街に住みたい」というUターン・Iターン希望者にとって魅力的な候補地でしょう。
愛知県で人気の移住先:飛島村(とびしまむら)
名古屋市に隣接する飛島村は、愛知県西部・伊勢湾岸に位置する人口約4,800人の小さな村です。
村の北部は昔ながらののどかな農村地帯、南部は名古屋港に面した大規模な臨海工業地帯となっており、「田園風景」と「先端工業地帯」という2つの顔を持つユニークな自治体。
工業地帯には大手企業の工場や物流拠点が集積しているおかげで財政力が非常に高く、「日本一裕福な自治体」とも称されています。
交通面では鉄道駅が無いため車移動が必須ですが、名古屋市中心部へは車で30~40分と十分通勤圏内です。
飛島村の移住支援
潤沢な財源を背景に住民サービスも充実しており、例えば子育て関連では高校生まで医療費無料、第3子以降の保育料無償化、出産祝い金の支給など手厚い支援があります(※村独自施策)。
また、村内には温泉施設もあり、住民は低廉な料金で利用可能といった福利厚生も魅力です。
一方、住宅地は限られており、移住希望者向け空き家は希少です。
農地転用や開発規制の関係で新規に住める物件が少なく、「飛島村に移住したくても住む場所が見つからない」という声も。
村役場では東京圏からの移住者に対し移住支援金(単身60万円・世帯100万円+子ども加算)を支給しており、産業振興課が移住相談窓口を担当しています。
「豊かな財政を誇る安心の村で、のびのび子育てしながら暮らしたい」という方には、飛島村は魅力的な移住先と言えるでしょう。
愛知県で人気の移住先:田原市(たはらし)
渥美半島の大部分を占める田原市は、三河湾と太平洋に囲まれた風光明媚な農業都市です。
黒潮の影響で冬も温暖な気候を活かし、電照菊やキャベツ、メロンなど農産物生産が盛んで「農業産出額全国トップクラス」を誇ります。
市域の南端・伊良湖岬からは対岸の伊勢志摩方面へのフェリー航路があり、海岸線はサーフィンやマリンスポーツの名所としても知られます。
豊かな自然環境は田原市の最大の魅力で、太平洋沿いには全長50kmに及ぶロングビーチが広がり、夏はマリンリゾート、秋冬は花畑と四季折々の景観が楽しめます。
また、市中央部には道の駅や温泉施設も整備されており、観光客にも人気です。
生活面では、中心市街地の渥美線三河田原駅周辺にスーパーや医療機関がまとまっており、日常の買い物や子育て環境も整っています。
半面、公共交通はローカル線とバスのみで本数も少ないため、車移動が前提の生活になります。
名古屋市までは距離があり通勤圏とは言い難いものの、隣の豊橋市へは電車で約40分とアクセス可能です。
田原市の移住支援
UIターン支援策としては、愛知県移住支援金(田原市も対象)や、新規就農者向け補助、空き家改修補助金などを用意。
さらに、お試し移住支援補助金で、市外在住者が市内宿泊施設に連泊する際に宿泊費・交通費を一部助成するユニークな制度も実施中です。
「温暖な海辺でスローライフを送りたい」というIターン希望者には田原市はうってつけの移住先でしょう。
愛知県で人気の移住先:美浜町(みはまちょう)
知多半島南部に位置する美浜町は、伊勢湾と三河湾の両方に面した風光明媚な港町。
人口約22,000人の小さな町ですが、海と山の豊かな自然に恵まれ、漁業と農業が基幹産業となっています。
町内には有名な観光施設「南知多ビーチランド&おもちゃ王国」があり、家族連れで賑わうエリアです。
また、伊勢湾側の海岸線には野間埼灯台や海水浴場、恋の水神社などフォトジェニックなスポットが点在し、週末レジャーにも事欠きません。
暮らしの面では、名鉄知多新線が縦断しており名古屋市中心部へ電車で約50~60分と意外と都市圏アクセスが良いのが強みです。
半田市や知多市など半島内の主要都市へも、車で30分圏内で通勤通学できます。
豊かな海の恵みを享受しながらも車さえあれば便利な環境から、「名古屋に通える田舎」として近年注目度が上がっています。
美浜町の移住支援
UIJターン向けには愛知県移住支援金の対象地域で、単身60万円・世帯100万円(※美浜町は子ども加算30万円)を用意。
さらに空き家バンクを通じて物件探しから改修費補助まで支援したり、移住者向け地域交流イベントを開催するなど受け入れ態勢も整っています。
海好き・釣り好きな方や、ゆったり子育てしたいファミリー層にとって、美浜町は「海の見える穏やかな暮らし」を実現できる魅力的な選択肢です。
愛知県で人気の移住先:豊橋市(とよはしし)
愛知県東部の中心都市・豊橋市は、人口約37万人を擁する県内第二の都市です(政令市を除けば最大規模)。
東三河地域の行政・経済の拠点であり、商業施設や医療機関、大学など都市インフラが一通り揃っています。
市内を走る路面電車(市電)や全国有数の貨物取扱量を誇る三河港、農畜産物の一大集積市場など、産業都市としての顔も持ち合わせます。
交通面ではJRと名鉄が乗り入れる豊橋駅から名古屋へ約50~60分、新幹線こそ停車しないものの浜松方面や東京方面へも在来線・新幹線利用でアクセス可能です。
豊橋市の暮らしは都市の利便性と自然の近さが調和している点が魅力です。
市街地から車で少し走れば穂の国豊かな田園地帯や三河湾岸の景勝地(表浜海岸)に行けるため、郊外に住んで週末はファミリーでアウトドアというライフスタイルも実現できます。
豊橋市の移住支援
行政は「選ばれるまち豊橋」を掲げUIJターン受け入れに積極的で、愛知県移住支援金のほか地方就職支援金もいち早く導入し、東京圏学生の交通費・移転費支援を行っています。
空き家バンクには一戸建てからマンションまで豊富な物件情報が登録され、移住者が希望の住まいを見つけやすい環境です。
また、2023年度の住みたい田舎ランキング(大きな市部門)で上位入賞するなど、地方移住先として全国的にも評価が高まっています。
「地方都市で便利さを享受しつつ、程よく自然も感じたい」という方には豊橋市は最適な候補地と言えるでしょう。
愛知県で人気の移住先:豊田市(とよたし)
豊田市は言わずと知れたトヨタ自動車の企業城下町であり、県内最大級の面積と人口約42万人を抱える地方都市です。
名古屋市の東約30kmに位置し、自動車産業を中心に製造業が集積する日本有数の工業都市として発展してきました。
一方、2005年の周辺町村編入で市域が飛躍的に広がり、面積の7割以上が森林という顔も持ちます。
つまり、市街地中心部は高層ビルや大型商業施設が建ち並ぶ洗練された都市空間でありながら、北部・東部は山里やダム湖、美しい渓谷が点在する自然豊かなエリアなのです。
特に紅葉の名所・香嵐渓(足助地区)や世界農業遺産に認定された棚田風景「豊田の里山」などは都心から日帰り観光客も訪れるほどで、「都会と田舎が一つの市に同居」するユニークさがあります。
生活インフラ面では、名鉄豊田線・愛知環状鉄道で名古屋市や岡崎市方面へ電車通勤可能(名古屋へ約50分)で、東名高速・新東名など高速道路網も整備され車移動も便利です。
トヨタ関連企業の影響で若い世代や転勤者も多く、洗練された住宅地やショッピングモール、医療施設が充実しているため住みやすいでしょう。
豊田市の移住支援
自治体は企業と連携しUIJターン人材の確保・定着に熱心で、移住支援金(豊田市UIJターン定住応援補助金)の支給や、創業者へのオフィス賃料補助、移住者向け就農支援プログラムなど多彩な制度を用意しています。
また、市公式サイトには「田舎暮らしinとよた」という特設ページを設け、豊田市山村部への移住情報やイベントを積極発信中です。
「将来的に豊田本社で働きたいUターン組」から「自然豊かな里山で第二の人生を送りたいIターン組」まで幅広いニーズに応えてくれる地域、それが豊田市です。
以上、愛知県の移住支援策と地域情報について幅広く解説しました。
都市部の利便性と地方の穏やかさを兼ね備え、多彩な支援制度が整う愛知県は、20代の若者から子育て世代、シニア世代まで誰もが自分らしい暮らしを実現できるポテンシャルを持っています。
ぜひ本記事の情報や紹介サイトを活用しながら、理想の移住プランを具体化してみてください。