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秋田県のUIJターン補助金・助成金まとめ「仕事がない」イメージはもう古い?

秋田には仕事がない?

地方への移住を考える際、「秋田 移住 仕事」といったキーワードが象徴するように、移住後の仕事への不安を抱く方も多いでしょう。

たしかに「秋田には仕事がない」と言われることもあります。しかし、実際には秋田県内の有効求人倍率は直近で約1.24倍※となっており、全国平均(1.26倍)とほぼ同水準です。

特に専門技術職では求人需要が高く、建築・土木分野の求人倍率は9.34倍にも達しています。

介護サービス職の求人倍率も2.68倍と高水準で、地域で人手不足が深刻な業種ではむしろ人材獲得に積極的です。

このように「秋田には仕事がない」というイメージは必ずしも事実ではなく、UIターン希望者向けの求人は豊富に存在します。

一方で、慣れ親しんだ都市圏から秋田へ移住するには、仕事以外にも住居の確保や引越し費用、生活環境への不安など課題もあります。

こうした不安を解消するため、秋田県および県内各市町村ではUIターン支援として様々な制度を整えています。

以下では、秋田県全体の支援策とともに、各市町村が用意している主なUターン補助金・支援制度について分野別に詳しく見ていきましょう。

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移住定住総合ポータルサイト“秋田暮らし”はじめの一歩

秋田県では、県ぐるみでUIターン希望者をサポートする体制が整っています。

まず情報収集の入口としておすすめなのが、秋田県が運営する移住定住総合ポータルサイト「“秋田暮らし”はじめの一歩」です。

このサイトでは県や市町村の支援制度、移住イベント、新着求人情報、相談窓口の案内など、UIターンに役立つ最新情報を一括してチェックできます。

UIターンを検討し始めた方は、まずこのポータルで情報収集して全体像を把握するとよいでしょう。

次に、秋田での就職支援については、秋田県と公益財団法人秋田県ふるさと定住機構(Aターン支援団体)が連携して情報提供や相談支援を行っています。

あきた就職ナビ

秋田県ふるさと定住機構が運営する「秋田就職ナビ」(正式名称: あきた就職ナビ)は、秋田で働きたいUIターン希望者向けの求人情報マッチングサイトです。

秋田 Uターン求人を探す際はこのサイトを活用することで、県内企業の最新求人をまとめて閲覧でき、一度Aターン登録をすればスマホやPCからワンクリックで応募まで可能です。

地元有力企業からUIターン歓迎の中小企業、公務員求人まで網羅されており、常時数百件規模の求人が掲載されています。

求人情報だけでなく、UIターン向け企業説明会やイベント情報、市町村からのお知らせなども掲載されており、UIターン希望者にとって欠かせない総合就職支援サイトとなっています。

あきた就職フェア

例えば毎年夏・冬に開催される「あきた就職フェア」では、東京(浜松町)や秋田市で複数回の企業面談会が実施され、毎回県内企業80社以上がブース出展します。

フェア会場では企業個別ブースによる説明のほか、業界研究ブース、各市町村の移住相談コーナー、職業適性診断コーナー、各種相談コーナー、企業PRタイムなども設けられ、UIターン希望者が一度に多くの情報を得られる場となっています。

UIターンフェアには学生から社会人まで幅広い層が参加しており、相談窓口も充実しているので、「地元に戻りたいがどんな企業があるか分からない」という悩みを解消する絶好の機会です。

あきた就職活動支援センター

秋田市にある「あきた就職活動支援センター」は、就職活動中の方から在職中の方までの就職を総合的にサポートする就職支援センターです。

ここは中学生・高校生から若年層、さらには中高年齢者まで就職活動をナビゲートする公共施設で、専任の就職支援コンサルタントによる職業相談や各種セミナーを通じて、Uターン就職に関する様々な悩み相談に対応しています。

首都圏にも相談拠点があり、東京・京橋に開設された秋田県あきた暮らし・交流拠点センター(愛称:アキタコアベース)では、東京駅近くの便利な立地でUIターン希望者が気軽に立ち寄り情報収集や相談ができるワンストップ窓口となっています。

あきた就職活動支援センターでは移住相談員が常駐し、首都圏在住者に向けた移住・就職相談や各種交流イベントを実施しています。

Aターン企業面接交通費助成

公益財団法人秋田県ふるさと定住機構では「Aターン企業面接交通費助成金」を設けており、事前にAターン登録したUIターン希望者が秋田県内企業の採用面接に要した往復交通費等を助成しています。

秋田までの新幹線代や飛行機代、高速バス代などが対象となり、自己負担を減らせるため首都圏からのUターン転職活動者にとって大きな助けとなるでしょう。

特に東京から秋田市内の企業面接に行く場合、新幹線往復分の費用補助が受けられれば経済的負担がかなり軽減されます。

アキタインターンシップ

秋田での就職を検討している学生向けには、県や市町村、地元企業によるインターンシップ受入れも活発です。

「アキタインターンシップ」という県内企業のインターン情報提供や参加支援制度もあり、夏休み等を利用して地元企業で就業体験を積むことで、UIターン就職のミスマッチ防止に役立てています。

就活時に一度地元企業を経験しておくと、卒業後のUターン就職もスムーズになるため、秋田県として積極的に奨励しています。

秋田暮らし応援事業

秋田での新生活を始めるにあたり、大きな課題となるのが住まい探しと引越し費用ですが、秋田県および各自治体が多様な支援策を用意しています。

秋田県独自の施策として令和7年度に新設された「秋田暮らし応援事業」は、事前に秋田県の移住定住登録を行ったうえで、2025年3月~2026年2月末までに秋田県内へ移住した方を対象に、1世帯あたり10万円の移住支援金を支給するものです。

UIターン時の引越し準備や新生活の立ち上げに幅広く使えるお祝い金のような位置づけで、申請は1世帯1回限りですが予算の範囲で交付されます。

移住前に登録が必要ですが、登録しておくと他にも様々なサポート情報提供を受けられるメリットもあります。

若者移住促進事業補助金

秋田県内の各市町村でも、それぞれ独自に住宅取得や賃貸に関する補助金を用意しています。

例えば秋田市では「若者移住促進事業補助金」という制度があり、県外から秋田市へ移住する単身世帯または夫婦世帯(いずれも40歳未満)を対象に、住宅の新築工事費・購入費または賃貸住宅の初期費用、さらに引越し費用の一部を補助しています。

補助額は移住者本人および同居する家族1人につき上限15万円で、夫婦2人世帯なら最大30万円を支給。この補助により、住宅取得時の頭金やアパート入居時の敷金礼金、引越し業者への費用などに充当でき、経済的負担を軽減できます。

また、各地方自治体でもUIターン者向けの住宅支援を行っています。自治体の住宅支援例は以下のとおりです。

由利本荘市定住促進奨励金

定住促進奨励金として、市内に住宅を新築・購入する移住者に補助金を交付しています。

なお、秋田県の移住支援金や由利本荘市移住支援金との重複受給はできません。

また、東京圏からの移住者には別途移住支援金(後述)を支給し、地元企業の面接参加のための交通費補助も用意しています。

鹿角市ふるさとライフ移住しごと支援補助金

東京圏からUIターンし、市内の対象求人に就職した場合にふるさとライフ移住しごと支援補助金として、単身60万円、世帯100万円(18歳未満の子ども1人につき追加100万円)を支給します。

住宅支援金ではありませんが、移住・就業の総合支援として高額な補助を受けられる点が魅力です。

にかほ市定住奨励金・若者・子育て移住世帯家賃補助金

にかほ市は、移住・Uターンを考える際に必要となる生活情報や、お仕事情報、各種支援制度を紹介する「にかほーむ」を運営しています。

また、移住者支援住宅の提供や家賃補助制度があり、市内の空き家バンク物件に入居するUIターン世帯に対し家賃の一定割合を補助。

さらに移住希望者向けにお試し移住体験住宅を整備し、短期間格安で秋田での暮らしを体験できる機会を提供します。

上小阿仁村住宅リフォーム事業

空き家を改修して定住する場合、改修工事費の一部を補助(工事費の20%・最大40万円など)する制度を用意。

古民家等を安く取得できても改修費が負担というUIターン者にとって、金銭面で心強い支援となっています。

このように各市町村ごとに住宅支援策は多岐にわたります。

空き家バンク(市町村が地元の空き家情報を登録・公開する仕組み)を活用して格安物件を紹介する自治体も多く、成約時にリフォーム費補助や家賃助成を行う例も見られます。

UIターン先の自治体名と「移住 住宅 補助金」などのキーワードで調べると、それぞれの詳しい支援内容が確認できます。興味のある地域があればぜひ積極的に情報収集してみてください。

秋田移住支援金(東京圏からのUターン助成金)

秋田県へのUIターン支援策の中でも特に金額面で大きな後押しとなるのが、国の地方創生施策の一環である「移住支援金」制度です。

東京圏から地方への移住者に対して生活基盤の安定を図るための資金が支給されます。

支給額: 移住支援金の支給額は単身世帯で60万円、2人以上の世帯で100万円が基本となります。

さらに令和5年度から拡充され、18歳未満の子どもを帯同して移住する場合は子ども1人につき100万円が加算されます。

例えば夫婦と子ども2人で東京圏から秋田県内に移住し対象要件を満たした場合、支援金として最大300万円(100万円+子供2人分200万円)を受け取ることが可能です。

これだけまとまった資金が得られれば、引越し費用や当面の生活費、住宅取得費用の一部に充てることができ、大きな後押しとなるでしょう。

対象要件: 支援金を受け取るには一定の条件があります。主な要件は「東京23区在住者、または東京圏に居住し23区へ通勤していた者」が秋田県内へ移住すること、加えて移住後に就業または起業することです。

就業については、秋田県が運営するマッチングサイトに掲載された移住支援金対象求人に応募・採用されることや、地方創生起業支援事業により起業すること、あるいは移住先で以前からの仕事をテレワークで継続するケースなどが認められます。

要件の詳細や申請手続きは各市町村で若干異なるため、利用したい方は移住前に転入予定先の市町村窓口に直接問い合わせて確認しておくことが大切です。

秋田県奨学金返還助成制

地方にUIターン就職を考える若者世代にとって、奨学金の返済は経済的負担の一つです。

秋田県および市町村では、県内就職者向けに奨学金返還を一部肩代わりする「秋田県奨学金返還助成制度」を実施しています。

秋田で働くと、最大60万円の奨学金返還を助成するこの制度は、大学・短大・専門学校・高校等を卒業後、新卒で秋田県内企業に就職した方(一定の既卒就職者を含む)に対し、奨学金返還額の年2/3(上限13万3千円/年)を最長3年間補助する仕組みです。

3年間で最大約40万円程度の支援となりますが、さらに手厚いのが未来創生分と呼ばれる枠です。

これは県が指定する航空機・自動車・医療機器・情報・新エネルギーの「特定5業種」に属する企業に就職した理工系人材などを対象に、奨学金返還額の全額(10/10)を年20万円を上限として支援するものです。

この場合、最大で年間20万円×3年間=60万円が支給され、奨学金の大部分をカバーできるため、大都市から高度技術者を呼び戻す誘因にもなっています。

あきた企業連携型奨学金返還助成制度

令和6年度から新たに創設された制度として、「あきた企業連携型奨学金返還助成制度」があります。

こちらは県と奨学金返還支援に賛同する県内企業等が連携し、より長期間にわたって返還支援を行う仕組みです。

具体的には、秋田県内の対象企業に正規雇用された新卒者等に対し、最大120万円(年額上限20万円×6年間)を支援するもので、6年間秋田に定着して働くことを促す狙いがあります。

支援金は県と企業が所定の割合で負担し合う形で拠出され、卒業後すぐに秋田で就職した若者の奨学金返済を会社ぐるみで支える制度です。

対象となる企業への就職や定住要件などハードルはありますが、その分支援額も非常に大きく、Uターン就職者には魅力的なインセンティブとなっています。

市町村の奨学金返還支援

秋田県内の一部自治体でも、独自に奨学金返還補助を行っています。例えば由利本荘市では市内定住を促進するため、対象者に対し奨学金返還額の一部を助成する制度を設けています。

他にも大仙市や北秋田市など若者定住に力を入れる自治体では、秋田県の奨学金返還助成制度に上乗せする形で、市独自に年数万円を一定期間助成する制度があります。

自分がUIターンしたい市町村にこうした制度があるかどうかは、その自治体の移住支援サイトやパンフレットで確認できます。奨学金の負担軽減は将来設計に大きく影響しますので、該当する方はぜひ活用を検討してみてください。

どこに移住する?秋田県の個性豊かな市町村

秋田県は、豊かな自然と歴史、文化が息づく地域であり、各市町村が独自の魅力を持っています。以下に、秋田県内の各市の特徴を解説します。

秋田市

秋田市は、秋田県の県庁所在地であり、人口約31万人を有する中核市です。

市内には秋田新幹線や秋田空港があり、交通の利便性が高いです。

また、東北三大祭りの一つである「秋田竿燈まつり」が開催されるなど、伝統文化も豊かです。

自然環境にも恵まれており、出羽山地や日本海に面した風光明媚な景観が広がっています。

大館市

大館市は、秋田県北部に位置し、青森県と接しています。

市内を流れる米代川や周囲の山々に囲まれた自然豊かな地域です。「忠犬ハチ公」の故郷としても知られ、観光資源として活用されています。また、特別豪雪地帯に指定されており、冬季の積雪が多いのが特徴です。

横手市

横手市は、秋田県南部の横手盆地に位置し、農業が盛んな地域です。

特に水稲や果樹栽培が盛んで、りんごやぶどう、さくらんぼなどが生産されています。

また、日本有数の豪雪地帯であり、冬には「横手のかまくら」が有名な雪まつりが開催されます。

能代市

能代市は、秋田県北西部に位置し、日本海に面した港町です。

かつては木材産業で栄え、現在もその名残が見られます。

また、バスケットボールが盛んな地域としても知られ、スポーツ文化が根付いています。

湯沢市

湯沢市は、秋田県南部に位置し、温泉地として知られています。市内には多くの温泉施設があり、観光客に人気です。また、伝統工芸品である「川連漆器」の産地としても有名です。

大仙市

大仙市は、秋田県中央部に位置し、農業が主要産業です。

特に稲作が盛んで、「大曲の花火」として知られる全国花火競技大会が開催されることで有名です。

由利本荘市

自然豊かな由利本荘市は、秋田県南西部に位置し、日本海に面した地域です。

漁業や農業が盛んで、特に本荘うどんや由利牛などの特産品があります。

潟上市

潟上市は、秋田市の北隣に位置し、秋田空港や秋田港へのアクセスが良好です。

農業が主要産業で、特に米や野菜の生産が盛んです。

市内にある「ブルーメッセあきた」では、新鮮で丈夫な草花をはじめ、産直野菜コーナーや県産のお土産品、潟上市の特産品などを取り揃えています。

にかほ市

にかほ市は、秋田県南西部に位置し、鳥海山の麓に広がる自然豊かな地域です。

漁業や農業が盛んで、特にハタハタや岩ガキなどの海産物が特産品です。

鹿角市

鹿角市は、秋田県北東部に位置し、青森県と岩手県に接しています。

温泉地として知られ、十和田湖や八幡平などの観光地へのアクセスが良好です。

北秋田市

北秋田市は、秋田県北部に位置し、森林資源が豊富な地域です。

マタギ文化が残る地域としても知られ、自然と共生する暮らしが魅力です。

仙北市

仙北市は、秋田県東部に位置し、田沢湖や角館などの観光地があります。

角館は「みちのくの小京都」とも称され、武家屋敷が立ち並ぶ風情ある街並みが特徴です。

秋田へのUIターンは今がチャンス

秋田県へのUIターン促進のため、ここまで紹介したように就職・転職支援から住宅支援、引越し補助、奨学金返済支援まで多角的なサポート制度が用意されています。

県全体の手厚いバックアップに加え、各市町村も創意工夫を凝らした支援策で移住者を歓迎しています。

UIターン希望者にとって重要なのは、これら制度を「知らないまま損しない」ことです。制度によっては申請時期や事前登録が必要なものもありますので、興味を持った支援があれば早めに情報収集し準備しておきましょう。

秋田県移住定住総合窓口や各市町村のUターン就職支援センター等に問い合わせれば、丁寧に教えてもらえます。

故郷秋田での新しいキャリアと暮らしを思い描きながら、ぜひ行政のUIターン支援策を最大限に活用してみてください。

充実した支援制度のもと、あなたの秋田での第二のスタートが実り多いものとなることを応援しています。


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