神々が宿る町 美保関
島根県松江市、日本海に面した小さな港町の美保関。この場所にある「美保神社」は、えびすさまの総本山です。出雲御三社のひとつでもあり、神々が宿る町ともいわれています。江戸時代には宿場町として栄えたとのこと。
筆者は以前、番組の取材で美保関を訪れたことがあります。わずか1泊の滞在時間でしたが、凝縮された町の魅力に圧巻されました。観光スポットとしても人気な美保関。今回は町の魅力を筆者目線でたっぷりご紹介していきたいと思います。
町の魅力その1:レトロな街並みが別世界の「青石畳通り」
美保関の代表的な観光名所といえば「青石畳通り」です。「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれた有名なスポットです。
青石の正体は、海岸から運び込まれたという凝灰岩(ぎょうかいがん)という天然石。水に濡れると青く変化することからそう呼ばれるようになりました。この通りには、文化財に指定されている老舗割烹旅館「美保館」や、創業100年を超える老舗醤油蔵も軒を連ねます。
美保館は現在も営業中で、実際に宿泊も可能です。醤油蔵も現役で稼働し、醤油の製造や保存に使われています。古き良き古民家の雰囲気を満喫できる、貴重な空間です。
町の魅力その2:面白いほど釣れる!美保湾の釣り
鳥取県と島根県の両県にまたがる海湾で、釣りのスポットとしても知られているのが「美保湾」です。
ここではアジが多く釣れるとのこと。実際、筆者も取材期間中に美保関漁港での釣りを体験、アジを釣り上げました。キャッチ&リリースが推奨されており、釣りあげて観察したあとは、海に返してあげなければなりません。
釣りが可能なエリアも決められていますから、事前リサーチの上で楽しみましょう。渡船瀬渡しのサービスを行っている宿もあるので、本格的な海釣りも楽しめます。
静かで穏やか、しかも山々に囲まれた風景は、どこか幻想的でもあります。
美保湾では魚が豊富に釣れることから、美保関のメイン料理はもちろん、海鮮。筆者が泊まった旅館では、大きな生牡蠣が出されました。希望によっては火を通せますが、その時は生でそのままいただきました。
ぷっくりとした大ぶりの牡蠣を一口でほおばるという贅沢さ。噛みしめるほどにクリーミーで、味わいはまさに絶品。食べ終えてもしばらく余韻に浸れるほど、濃厚なうま味でした。
町の魅力その3:イカ干しのある風景
海鮮に次ぐ美保関の大きな魅力は、「風景」であると筆者は感じます。町を歩けばあちらこちらに「イカ干しのある風景」が。日よけ帽子をかぶって首元に手拭いを巻いた女性たちが、手際よく釣り上げたばかりのイカを干していくのです。
聞けば、イカ焼きも美保関の名物のひとつであるとのことでした。ちなみに、イカ干しの風景は漁港にとどまらず、美保神社の前でも見かけましたよ。
現地での生活が垣間見れるイカ干しの風景は、とても印象に残っている光景の一つです。
古民家再生も進行中
風情のある町並みが美しい美保関では、古民家を改修して現代の生活スタイルに合うようリノベーションしようというプロジェクトが進められています。地域の人たちが活用できる場として、古民家を「再生」させようというものです。
こうしたプロジェクトによって伝統家屋の保存が進めば、それはそのまま、町の景観の保存にもつながります。美しい街並みを後世に残していくためにも、応援したいプロジェクトです。
自然豊かでレトロな風景が魅力 落ち着いた生活を送りたい方におすすめ
美保関滞在では、とにかく美しい町並みが印象的でした。
山の緑と海の青、さんさんと降り注ぐ太陽が美しく、解放感を覚えるエリアでもあります。また、宿場町として栄えた名残を今も残す光景は、他の地域ではなかなか見られません。
まずはぜひ、観光で足を運んでみていただきたいです。
このままのんびり暮らしたいな、と感じたら、移住先の候補地としてリサーチを始められても良いかもしれません。
写真提供/アイキャッチ.2.5枚目:松江観光協会 1.3.4枚目:鈴木香里
文/鈴木香里
【PROFILE/鈴木香里】
元テレビディレクター。現在は地方創生系、観光系の記事を中心に執筆するライターです。地域の魅力を発掘し、お伝えする記事を発信していきたいです。
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