子どもはテントが大好き!
キャンパーである大人はもちろん、子どもは無条件にテントが好きなようです。
我が家の子どもはキャンプに行くと、ペグを打ちたいと言ってはハンマーを欲しがり、テントが建てば真っ先に飛び込んでいきます。
子どもをひきつけてやまないテント。もしそれが自分の手で建てられたのなら、喜びもひとしおではないでしょうか。
もちろん、子どもだけで設営する、というのは言うほど簡単ではありません。でも実は、そんな希望を叶えてくれるテントが存在するのです。
それが今回ご紹介する小型の「ワンポールテント」です。
「ワンポールテント」とは?
ワンポールテントはもともと、アメリカの先住民族が住居に使っていたティピーテントをヒントに作られたものです。
モノポールテントとも呼ばれ、1つのポールだけで建てられる構造なので、慣れれば非常に短時間で設営・撤収が可能という特徴があります。
その設営のしやすさやコンパクトさ、シルエットの美しさなどから、多くのキャンパーに愛されているワンポールテント。
インナーを外した状態でも、サンシェードや風よけとして使用することができます。
自立しないので、設営場所を選ぶなどの注意点もありますが、使い慣れると大変に便利なテントといえるでしょう。
各メーカーから目を引く美しいデザインのテントが発売されています。
小型でも確かな品質。テンマクのパンダ TC
今回、子ども設営チャレンジに使うワンポールテントは、「tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)」(以下、テンマク)の「パンダ TC」というテントです(写真奥は、スノーピークのアメニティドームS)。
テンマクのワンポールテントといえば、「サーカス TC」を思い浮かべる方が多いでしょうか。パンダ TCも、同じポリエステル×コットンの混紡生地を使用した、TC素材で作られています。
サーカス TCをコンパクトにしたような製品が、パンダ TCだと思っていただければいいでしょう。
2020年にはユーザーの声を反映してリニューアルされ、基本構造はそのままに、スカートがつくようになりました。
ソロキャンプ向けの小さいテントですが、設営の簡単さから、デイキャンプの休憩所として使うにも適しています。
ワンポールテントを実際に設営してみよう
パンダ TCにはインナーテントも付属していますが、今回の設営チャレンジでは使いません。フライシートのみの設営で、ペグ打ちも最低限にとどめます。
ワンポールテントの仕組みを学習しながら、子どもが「自分で建てた」達成感を味わわせてあげることを目的とします。
子どもの年齢にもよりますが、自分で建てる、と言っても大人の補助は必要です。
アドバイザーとしてとなりで見守るのはもちろん、ペグやハンマーの扱いなどに関しては、手本を見せる、手を貸すなどして、無理のないようにしましょう。
また、設営チャレンジをするときは、安全性や作業のしやすさを考慮して、風の強い日を避けるようにします。
【設営チャレンジ】
①設営に必要なものがそろっているか確認します。
フライシート1枚、ポール1本。ペグは6本使用します。風が出てきたときのために、写真右下の張り綱と、余分のペグも持参していますが、設営チャレンジでは使用しません。
②無理なくペグが打てる地面を選んで、フライシートを広げます。どこを入口にするか、向きを決めて配置しましょう。
③フライシートの4隅についているテープを伸ばし、まずは1箇所ペグを打っていきます。
鍛造ペグは重いけれど頑丈で貫通力が高い、アルミペグは軽いけれど曲がりやすいなど、ペグ種類ミニ講座をはさんでもいいですね。
④となりの角に移動して、2本目のペグを打ちます。フライシートの4隅が90度になるように、残りの2箇所にもペグを打っていきます。
⑤ポールを連結し、組み立てます。銀色の金属キャップが上。黒いほうが下になります。
⑥ポールをテント内に入れるため、ファスナーを開けて、テントの中に入ります。
⑦フライシートの内部、中心にある黒いキャップ部分にポールの先端(銀色)をあてます。
⑧ポールを立ててテントを持ち上げます。うまく建たないときは無理に押したり引っ張ったりせずに、一度ペグの位置などを確認・調整しましょう。
⑨テントの真ん中になるように、ポールの位置を調整します。身長135cmの息子は、余裕で立てるテント高ですね。
⑩ 「やった! 建ったよ!」と声が聞こえてくれば完成間近。
屋根のベンチレーションを開いてマジックテープでとめ、伸ばしていた4隅のテープをしぼって、シートにテンションをかけましょう。
4隅だけでもいいのですが、余裕があれば、側面2箇所にあるテープもペグダウンしておきましょう。
建てはじめてから15分。設営完了です!
子どもがチャレンジできるアウトドアライフを
本格的な大型テントは無理にしても、ひとつひとつ丁寧に教えてあげれば、子どもでも設営できるテントはあります。
興味を持って「そうだったんだ!」「分かった!」と作業している姿は、生き生きとしていてうれしくなりませんか。
ワンポールテントの設営に限らず、ちょっとした「できた!」が子どもの自信と成長につながります。
野外に出ると、子どもはいつも以上に活発に興味の対象を探します。
「これは難しいからできないだろう」「まだ早い」
そう思うようなことでも、子どもがやりたいと言ってきたら、どんどんチャレンジさせてあげるといいでしょう。挑戦することにムダはありません。
もちろん大人は側で危険がないか見守り、「子どもが出来るように手伝う」ことを、忘れずにいてください。
子どもたちには、アウトドアの遊びを通して、様々なことを吸収していって欲しいですね。
<tent-Mark DESIGNS パンダ TCの基本仕様>
【素材】
・フライシート
コットン混紡生地(TC)ポリエステル65%
コットン35%(撥水加工)
・インナーウォール
ポリエステルメッシュ
・インナーボトム
ポリエステルタフタ68D(PUコーティング)
・ポール
アルミ(22mm径)
【耐水圧】
・インナーボトム 1,500mm
【収納サイズ】
(約)490×250×160(高)mm
【組立サイズ】
・フライシート (約)2,700×2,700×1,700(高)mm
・インナーテント(約)2,500×1,150×1,550(高)mm
【重量】
総重量 (約)5,44kg(ポール/ペグ/張り綱/収納ケース含む)
本体 (約)3.55kg(フライ/インナー)
収納袋 (約)260g
【付属品】
・ポール×1本
・ペグ×12本
・張り綱×4本
・収納袋
※2020年6月にパンダ TC+にリニューアルされ、TC素材のスカートがつくようになりました。
【PROFILE/天嶺 葵】
アウトドア系フリーライターで、3児の母。海にも山にも出没するママキャンパー。子どもを中心に楽しめる、ファミリーライクなアウトドアライフを提案します。料理、DIYが得意。”ないもの、欲しいものはお金をかけずに作る!”がモットー。