キャンプ料理の常識を覆す調理ギア
キャンプに中華? と思う人もいるかもしれないが、実は相性がいいとよく聞く。しかし、中華鍋と聞くと重くて大きい業務用を思い浮かべてしまう。正直持っていくには面倒だ。
そんななか、ユニフレームから2020年限定で発売された中華鍋があると聞き、実際に購入! サイズ感と使ってきた感想を紹介する。
キャンプに中華料理が合う理由
中華料理について軽く紹介すると、調理法は56もあると言われ、なかでも代表的なものは焅(カオ)、爆(バオ)、燻(シュン)の3つ。
カオはいわゆる直火料理、バオは炒め物、そしてシュンは薫製料理。キャンプ料理にもよく登場するため、想像に難しくない人も多いだろう。
特にバオ(炒め物)は「火力」と「スピード」が重要で、飲食店では注文を受けてから10分で提供できるように作るのが基本だそうだ。その際に便利なのが鉄製の中華鍋。
鍋中央に油がたまる設計になっており、炒めたり揚げたりと幅広い料理に使える。
また、熱伝導に優れているため、野菜に含まれる水分や栄養素が外に出ないうちに火を通すことができる。シャキッとした新鮮な状態で食べられるのが魅力。
キャンプであれば、焚き火の炎で豪快に炒めることができるうえ、家と比べてスペースを広く使えるので、前後に振っても邪魔するものが少ない。
火の調整は難しいが、強ければ強いほど中華料理は向いているとされることから、キャンプなら効率的に中華料理を作ることができるのだ!
アウトドアブランドが作った中華鍋をチェック
では、そんなキャンプと好相性な中華料理が作れる道具として、ユニフレームが提案した「キャンプ中華鍋 17cm」を見てみよう。
本体は鉄に透明シリコーン樹脂を塗装した本格使用。この樹脂のおかげで空焼きやシーズニングをすることなく、すぐに調理できる。
サイズは全長約29cm(取っ手部分含む)、本体(鍋部分)直径約18.5cm。全長で見るとiPhone SEの2倍ほどの大きさ。2倍といっても、業務用の中華鍋の本体直径は平均27〜33cmなので、それと比べたら小さい。
ハンドルの長さは約10.5cm。素材はステンレス鋼で、本体とは異なったものを使用している。
業務用の中華鍋は、同じ1枚の鉄を打って本体・ハンドルを一気に仕上げることが多いが、それを採用しなかったのはなぜだろうか。
メーカーによると、理由はハンドルに熱ができるだけ伝わりにくいようにするため。炎の強さによってはすぐに熱が伝わることがあるが、1枚の鉄で仕上げずに別素材をつけることで熱伝導が低くなるそうだ。
ただ、使用するときには熱くなることが想定されるため、やけど防止のためにグローブやナプキンを用意しておこう。
深さは6cmで、油が底に集まる設計は他の鍋と変わらず。
ハンドルの中央に1点だけ穴が空いている。
これは2mmのネジが入るようになっており、ホームセンターなどで購入し、キャンプ場などで拾った枝をこの中に突っ込んでネジで固定すれば、ハンドルを延長して使うことが可能!
ハンドルは少し短いため、ガスコンロなどで使うぶんにはナプキンやグローブで対応できるが、焚き火の炎が強すぎると手に当たりやけどする可能性がある。
そのため、枝をプラスし延長することで遠くから鍋を振れるようにしている。まさにキャンプ向けのアイテムといえるだろう!
実際に中華料理に挑戦!
商品を紹介したところで、では実際に使った感じはいかがなものか、実際に試してみた。料理は中華料理のド定番・チャーハン!
家ではふだん、バッラリーニのローマというグラニチウムコーティングを施した平たいフライパンを使用しているが、それと比べると鍋振りがスムーズで、返しもラクにできた!
中華料理は下ごしらえに時間がかかるということで、食材のカットは少し時間がかかったが、中華鍋での調理が始まったらものの10分で完成。肉のうま味が白米に染み込み、個人的にはとてもおいしく仕上がったと思う。
メーカーのサイトにはソロサイズと記載されていたので、一人前の材料で作ってみたが、まさに一人分がジャスト。二人分を作っていたら返すのが厳しかったかもしれない。
今後は実際のキャンプでも使ってみたい
今回は手始めに家で使用してみたが、タイミングをみて次はキャンプで使ってみたいと思う。
個人的には、中華料理はキャンプでもアリだと思っているので、この商品がキャンプ料理に新たな風を吹き入れてくれることを願っている。中華料理好きは、ぜひ一度使ってみてはいかがだろうか。
ユニフレーム「キャンプ中華鍋 17cm」商品紹介
サイズ(約):直径18.5×6cm(全長29cm)
重量(約):570g
メーカーHPの紹介ページはこちら
【文/撮影】小川迪裕
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。