薪割りに大きく貢献するキンドリングクラッカー
焚き火にぴったりなシーズンであるこの時期、薪をたくさん用意する人もいるだろう。しかし、市販の薪は実際に使うサイズより大きいことが多いため、小さく割る必要がよくある。
昔ながらの手斧で割る人もいれば、バトニング(薪の上にナイフを置き、上から叩いて割る方法)をする人もいることだろう。
しかし、効率面で考えるとこのキンドリングクラッカーが一番ラクで安全という声もある。そこで、筆者は実際にこちらを購入し、どれだけラクなのか試してみた。
キンドリングクラッカーがなぜ誕生したのか
通称「キンクラ」の名称で親しまれているキンドリングクラッカーは、2013年に誕生したアイテム。ニュージーランド生まれのある少女が、薪割りでケガをする母を見て考案したのがきっかけ。
父が技術者ということもあり、一緒に試行錯誤して制作した結果、今では日本を含む世界12か国で使われていると同時に、多くの賞を受賞。特許も取得し、焚き付けを作る便利アイテムとして世界中で愛されている。
検証!初めて使う人でも簡単に薪割りができるのか
同製品は、薪を縦にして刃の上に置き、ハンマーで上から叩くとすぐに割れる仕組み。割れると、刃を挟んで左右に薪が落ちるため、足に当たる心配はない。
また、上部の丸いフレームは持ち運びのハンドルになるだけでなく、薪が割れた際に散らからないように支える役割がある。薪割りを安心・安全に使える工夫があちこちに見られるのだ!
ではさっそく、薪を置いて割ってもらいましょう!
試していただいたのは、昨年からキャンプを始めたばかりという男性で、焚き火は好きだが薪割り自体が初体験。
まずは刃の上に薪を縦に置き、ハンマーで薪を叩いていく、最初に軽く叩くとほとんどは刃が薪に食い込むので、そしたら薪から手を離す。
手を離して、少し力を入れて叩いていくと、わずか3回で薪がパーンっと割れた!
「ほとんど力をいれていないのに、一瞬で割れるなんて驚きました……」と利用者。この後、5本ほど割り続けたが、1分もしないうちに10本の焚き付けが誕生。
なお、今回ハンマーはスノーピークの製品を利用したが、片手タイプの専用ハンマーもあるので、こだわりたい人はそちらを使ってもいいだろう。
次も同じくキャンプ初心者で、キンクラを初めて使う女性の人に試してもらった。なお、チェアに座りながらでも薪割りができるので、足腰が悪い人は着座しながらやってもよし。
同じく薪をセットし、ハンマーで叩いてみると……。パコーンっと同じく割れた!
力の入れ具合が弱いと、何度か叩かないといけないことに気づいた女性は、その後コツを掴んで4〜5回叩いてすぐに薪を割れるようになった。
「薪割りは斧で割っている姿が印象に強くて大変そうでしたが、これなら女性でも安心して作業できますね。なにより楽しいです!」とコメント。
ちなみに、ストレス解消で割る人もいれば、子どもの遊び道具として薪割りを頼んでいる家族もおり、各々の用途や環境で使われているそうだ。ただし、子どもが扱う際はケガをしないように近くにいるようにしよう。
キンクラで気になること、注意したいこと
焚き付けを作るのに便利なキンクラ。しかし、たくさん使っていると刃に汚れがつき、蓄積すると薪が割れにくくなる可能性がある。使い終わったら、できるだけ汚れを拭き取るようにしよう。
また、鉄素材はサビやすい弱点があるため、雨天や水が当たりやすい場所での使用は避けるようにしよう。
キンクラを使いこなして焚き火を手軽に楽しもう
今回使用したのはレギュラーサイズで、これよりひと回り大きいキングというサイズも展開されている。
レギュラーは太さ約14cm以内、長さ25~50cmの薪に対応しているが、キングは太さ約18cm、長さ60cmほどまで網羅できるため、広葉樹や大きい薪を割る際に便利。キンクラを使いこなして、焚き火を楽しんでみてはいかがだろうか。
キンドリングクラッカーの製品紹介
サイズ(約):直径190(リング外径)×高さ310mm
重量(約):4.8kg
材質:ダクタイル鋳鉄
参考価格:14,850円(税込)
撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。
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