冬キャンプの中でも一度は挑戦してみたい「雪中キャンプ」。雪中ならではの楽しさがある反面、しっかり準備をしていないと危険な目に遭うことも。
そこで今回は雪中キャンプの楽しみ方だけでなく、安心安全なキャンプを成功させるポイントも合わせてご紹介します。
冬ならでは、雪中キャンプの魅力
冬のキャンプは寒くて大変と思う方も多いかもしれませんが、防寒対策さえすれば充分に楽しめます。
冬のキャンプは緑に囲まれた夏とは対照的に、雪の白さに囲まれた静かな空間が趣深く、焚火の赤や温かい食事がよく映えます。周りが暗いことはもちろん、空気が澄んでいるため、夜の天体観測にはもってこい。星を見るには最高のシーズンです。
人が少ないのでキャンプ場が混み合うこともなく、のびのびとスペースを使えます。
加えて虫が少ないのも魅力の1つ。蚊やハチの心配をしなくて済むぶん、思いっきりアウトドアを堪能できますね。
そしてなにより、雪中キャンプの醍醐味はソリ滑り、雪合戦、かまくら作りなど雪中ならではのアクティビティ!
ふだん、なかなかできない遊びは、キャンプのワクワクをより盛り上げてくれます。
雪中キャンプを成功させるコツ
ふだんのキャンプと違い、雪中では簡単な作業も念入りな準備が必要になってきます。トラブル回避のためにも、しっかりコツを押さえておきましょう。
・地ならしをする
ふかふかの雪の上にそのままテントを張ると床が凸凹になってしまうため、最初の地ならしは必須です。
テントを張る場所を決めたら、スコップやスノーシューなどで地面が平らになるように雪を固めていきましょう。
・ペグの打ち込み
通常のペグは雪の中では役に立ちません。
雪を除いて従来どおり地面にペグが打てればいいですが、雪が深く地面に打てない場合はロープでペグを十字に固定し、それを雪の中に埋めて踏み固めて固定しましょう。
・テントに防水加工をする
テントに雪が積もりにくくなるよう、防水スプレーをかけるのも効果的。
そのとき、ファスナーにもかけておくのを忘れずに! ファスナーが凍ってテントから出られなくなるのを防ぎます。念のため、解氷スプレーもあればより安心です。
・万全な防寒対策
雪中キャンプ成功の最大のコツはなんと言っても防寒対策!
服装も、薄手かつ保温性の高い肌着+蒸れ防止かつ保温効果のあるフリース+保温の薄手のダウン+風&雨&雪を防ぐ仕上げのアウターぐらいは備えておきましょう。
夜の冷え込みにはテント内に断熱性の高いマットを敷いて、地面からの冷えを防ぎましょう。
寒い冬キャンプに欠かせないストーブはさまざまな種類があります。どれもメリット&デメリットがあるので、自分のキャンプスタイルに合ったストーブを選びましょう。
場合によっては寒さで上手く点火できない場合もあるため、冬キャンプに向いているストーブなのか事前にしっかり確認しておきましょうね。そして、一酸化炭素中毒をさけるために、チェッカーも必需品。こまめに換気するようにしてください。
雪に打ち勝つ!大活躍のアイテム
できれば持っていきたい、雪中で大活躍する便利アイテムを上手に使って快適に過ごしましょう!
・ティピーテント
ティピーテントはとんがり帽子のような円錐型のテントです。雪が積もりにくい形なので、雪降ろしの手間が少なく、テント倒壊の可能性も低くなります。ドーム型のように雪が積もってしまう形状のテントは、雪の重みでつぶれる可能性があるので避けましょう。
ティピーテントは、かわいいいうえに設営も簡単で、人気のあるテントの1つです。
・雪用のペグ
先ほど紹介したように、雪中で通常のペグを使うとなるとひと手間が必要となります。もっと簡単にしっかりテントを立てたい方は雪用のペグを用意すると良いでしょう。
・スノーシューイング
雪原や森をハイキングする際にあると便利なスノーシューイング。簡単に装着でき、雪の上でも沈まず歩けるのでとても便利です。
・寝袋(シェラフ)カバー
テント内が温かく、かつ外が寒いと結露が発生します。その際、シェラフが濡れないようにカバーをつけておきましょう。いくら温かいシュラフを準備しても濡れてしまっては意味がありません。結露対策は忘れずに!
・テントシューズ
テント内では靴下2枚履き+テントシューズで足先を寒さからしっかりガード! 特に末端冷え性さんには必須の装備です。
・保温ボトル
ストーブで暖をとっている間に沸かしておいたお湯を入れておけるので便利です。夜に入れておけば、朝起きてすぐ温かい飲み物が飲めるのでほっこりできますよ。
雪中キャンプの注意点
雪中ならではのトラブル、それも命に関わるものも多いので、しっかり注意しておきましょう。
・雪道の走行
キャンプを始める前から注意は必要です。雪中キャンプを楽しめるキャンプ場の多くは山間部にあり、そこまでの道は凍結しているうえに急斜面な場合があります。
滑って車が制御不能にならないよう、タイヤにチェーンをはめ、ゆっくり走行を心掛けましょう。
・一酸化炭素中毒
基本テントの中は火気厳禁ですが、なかには火器類が使えるテントもあります。そんなときに気をつけたいのが一酸化炭素中毒。
空気の出入りが少ない狭いテント内では起こりやすく大変危険です。テント内ではストーブの代わりに湯たんぽで暖をとったり、どうしてもテント内でストーブを使いたい場合は一酸化炭素感知警報機などを併用して予防に努めましょう。
・水の確保
雪が積もるほど寒いということは、水道が凍っている可能性も高いです。
雪を溶かして飲むという方法もありますが、念のため飲料水の持参やキャンプ場にライフラインの確認をしておきましょう。
・雪道の散策
雪原や森の中をハイキングする際は足元によく注意しましょう。池や川、崖などが雪によって分かりにくくなっている可能性があります。
雪の中での水没や滑落は命取りになります。トレッキングポールなどで歩く先を確かめながら慎重に進み、不測の事故を防ぎましょう。