スーツを着て仕事をしながらのキャンプ、みなさん想像つきますか? 実は今、働き方改革のひとつとして「キャンピングオフィス」が話題になっています。
キャンピングオフィスとはいったい何なのか、どのようなメリットがあるのか、新しいワークスタイルの魅力についてご紹介します。
キャンピングオフィスって何? どんな効果があるの?
キャンピングオフィスとはビルの屋上、公園、自然の中など、アウトドア空間を働く場所とする仕事環境のことを指します。働き方改革により残業時間や有給休暇など働く環境が見直されている今、シンプルに働く場所を変えてみようというムーブメントです。
日本ではテクノロジーが進歩し続けている反面、コミュニケーションの質や環境問題に対する意識はあまり改善されていません。
そこで、人間関係や仕事への向き合い方を見直すきっかけ作りのためにも、空や緑に囲まれて風を感じながら行う会議や研修に注目する会社が増えてきているというわけなのです。
実際に通販、ホテル、教育などさまざまな業界の会社ですでに導入が進んでいます。
また、さまざまな仕事がAIやロボットに取って代わられるであろう未来で、人間に求められる仕事は「0から1を生み出す」ことと考えられます。そのためには先入観や固定観念にとらわれない、意外な視点や新しい発見が必要です。
キャンピングオフィスでは従来のオフィスにはない開放感やワクワク感が最大の特徴です。自由な発想が生まれやすいうえ、みんなが意見しやすくなる効果も期待されています。
自然と人と仕事を見つめ直す、ワクワクがあふれる新しい働き方をかなえてくれるのが、キャンピングオフィスというわけなのです。
キャンピングオフィスの取り入れ方
キャンピングオフィスの取り入れ方は大きく分けて3つあります。
1)会社の一部にキャンプ用品を取り入れたエリアを作る
テントやキャンプチェアなどのアウトドアインテリアを設置したり、人工芝を敷いたり、職場の一角に仕事ができるアウトドア空間を作るというもの。
打ち合わせをするもよし、ひとりで集中してパソコンに向かうもよし、リラックスして仕事に取り組めます。
キャンプ用品は通常の家具より軽く設計されているため、持ち運びも収納もラクで場所の移動や模様がえが容易です。
特に自然と後傾姿勢になるローチェアを取り入れれば、無意識に前かがみになりがちなデスクワークでも視野が広がり周囲に意識が向きやすくなります。
「でも長時間作業しようと思うと、ふつうのイスを使うより疲れるんじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、そもそも長時間座りっぱなしでやる作業を見直す必要があるという考えもあり、業務フロー改善の余地が生まれます。
2)会社の屋上や公園などにキャンプ用品を取り入れたスペースを設営する
いきなり職場内にアウトドア空間を作るのも、キャンプ場まで行って仕事するのも気が引けるという職場向けの取り入れ方です。
目的や人数に合わせたキャンプ用品をレンタルしてスペースを作り出すので期間が限定されており、社員の反応を見てからその後の導入を検討できるメリットのあるお試しキャンピングオフィスです。
また、イベントや展示会の場でも活用できるため、他社との差別化やマンネリ打開にも役立ちます。
3)キャンプ場で研修やワークショップを行う
実際にキャンプ場などアウトドアフィールドにオフィス機能を持ち込むスタイルです。
自然の中でテントの設営、料理、焚火、そして会議や仕事を行う、社員同士の関係が深まるレクリエーション性の高いスタイルと言えます。
非日常のなかで時間、空間、考えを共有することでお互いへの理解が深まり、チームの絆が強くなると考えられています。
また開放的な場所が心理的にも影響し、ふだんとは違うアイデアやポジティブな意見、新しいアイデアが生まれる効果も期待されています。
キャンピングオフィスのメリット
まだまだ社会に浸透していませんが、キャンピングオフィスには知られざるメリットがたくさん隠れています。
・集中力が上がる
ふだんと違う環境、それも非日常ながらも整った環境は気分転換の効果ややる気を上げる効果が期待できます。
つまらなくなりがちなルーティン作業も、キャンプ特有のワクワク空間でこなすことができればマンネリ打破につながるかもしれません。
・リラックスできる
閉鎖的で空気の入れ替えが少ない建物内より、緑に囲まれ開放感にあふれた仕事場のほうが精神的にリラックスできます。それにより、いつもと違う発想が生まれるでしょう。
・コミュニケーションの活性化
場所が変われば物事の見方や感じ方にも変化が生まれます。堅苦しい雰囲気がないぶん、会議でも話しやすさが生まれます。開放的な気分で物事をポジティブに考えられる効果も期待できます。
そしてなにより、同僚のふだん見られない姿や想いを知ることができるチャンスであり、親睦を深めるきっかけになります。
・創造性が上がる
職場の自由度が上がると、ふだん知らず知らずに押し込まれていた新しい発想や意見が出てくるものです。
それを発信しやすい場でもあるので、アイデアをみんなで育てて形にすることが可能になり、生産性も上がります。
・ハードルが低い
先ほども紹介したように、「まずは人口芝とイスを使って小スペースで」や「道具を全部レンタルして期間限定で」など導入のしやすさも広がっている要因のひとつです。
実際に使ってみた感想などを聞き取ることで、社員の仕事の取り組み方への考えもヒアリングできます。社員も会社も成長できる可能性が詰まっているのがキャンピングオフィスの大きなメリットなのです。
まとめ
いつもの仕事場が「楽しく仕事ができるアウトドア空間」になれば、仕事の生産性や創造性、社員の関係性の質を上げることができます。
社員と会社への新しい投資でもあるキャンピングオフィス、あなたの職場に現れる日も近いかもしれません。