刺激的で自由な気まま旅、キャンプツーリング。バイク乗りならば一度は憧れたことがあるかと思います。しかしいざ始めようと思うと、道具選びや荷物の積み方などいろいろハードルが立ちはだかるもの……。
そこで今回はそのハードルを少しでも下げる、初心者向けのキャンプツーリングの基礎知識をご紹介します。
キャンプツーリングの魅力とハードル
キャンプツーリングは通常のキャンプと比べ、レジャーというより「大人の旅」という魅力があります。
キャンプ道具をバイクに積めば、あとは好きなだけ走り、好きなところにテントを張って夜を明かし、朝がきたらまた走り出す……とても自由でおもしろい旅です。
しかし、キャンプツーリングでは「バイクにつめるキャンプ道具をそろえる」「大荷物をうまく積載しなければならない」のこの2点がネックになることが多いです。
車ならば荷物が多くとも積み込めますが、バイクはできるだけ荷物を小さくし、しっかり固定し、うまく積まないとバランスが崩れて危険です。
もちろん最初は勝手がわからず悪戦苦闘することもあるでしょうが、そこから道具や積み方を工夫して自分のスタイルを作っていくのもキャンプツーリングの醍醐味のひとつ。
最近ではツーリングキャンプ向けの軽量で小型のテントや、コンパクトにまとめられるバッグなどもあり、欲張りすぎなければ、大きくなりがちなキャンプ道具をコンパクトに収めることも可能です。
「でも、やっぱり始めてみてダメだったら……」と不安な場合、初めはツーリングキャンプセットを借りて挑戦してみてはいかがでしょうか?
バイクレンタルのオプションでキャンプセットを借りられるサービスがあります。実際に体験して感覚をつかんでから、自分の道具をそろえるか悩むのもアリです。
必要な道具は何?
キャンプツーリングに必要な道具は通常のキャンプとそう変わりません。
・テント
・タープ
・寝袋
・マット
・ランタン
・テーブル
・イス
・ストーブ
・料理道具(クッカー)
・カトラリー
あとはレインウェアや荷物の固定道具など必要最低限のアイテムを加えていきましょう。
キャンプツーリングの極意はなんといっても「荷物の軽量化」「コンパクト化」。走りを楽しむためにも、スマートな積載を目指しましょう。
そのため同じ道具を選ぶ際も、コンパクトに収納できるものや軽い素材のほうを買うよう意識しましょう。リアシートなどに荷物を載せる場合は事前に寸法を測ってからショップに行くと、サイズのイメージがしやすくなります。
パッキングのコツは?
パッキングのコツは以下の2点。
・荷物を小分けにしてまとめ、荷物の隙間をテトリスのように埋めていく。
・洋服などかさばる物は圧縮袋を活用する。
バイクの振動で荷物がなかで遊ばないよう、隙間なくピッチリとしたパッキングを心掛けましょう。
基本中の基本ですが、荷物は重いものほど下に詰めること。そうすることで重心が下がり、運転時のふらつきが軽減されます。
道中で食糧の買い出しをする際は、そのぶんのスペース確保も忘れずに! 積載量にはある程度余裕を持たしておきましょう。
あなたはどう積む? 積載方法3種
道具がそろえば次は問題の積載です。積載方法には3つあります。
(1)リアシートに直接載せる方法
リアシートにバッグを直接乗せて固定する方法で、ほかの2種と違い初期費用がかなり安くすみます。
固定するときはロープとネット、必ず両方使いましょう。さらに、リアシートと荷物の間に滑り止めシートを挟んでおくと「走行中に荷物がずれてきて邪魔!」ということもなくなります。
荷物の重心がかたよらないよう、しっかり固定しましょうね。
(2)サイドにパニアケースやサイドバッグを付ける方法
バイクの両サイドに荷物を付ける方法です。ポイントとなるのは左右の重量を合わせること。バランスよくパッキングし、走行に支障が出ないよう気をつけましょう。
商品によってはサイドに荷物を付けることで車幅が変わるので、車の追い越しなどにはいつもより注意が必要になります。
スタイリッシュなものも多く、実用性だけでなくバイクアクセサリーとしても有能です。
(3)リアシートにキャリアやリアボックスを付ける方法
リアの積載スペースがほとんどないようなスポーツタイプのバイクには荷台(リアキャリア)を付けてスペースを確保しましょう。
リアキャリアに荷物を載せる場合も固定はしっかり! 荷締めベルトを使えば大きい荷物もしっかり固定できます。
またリアボックスだと荷物を積みっぱなしにできるうえに、頑丈、雨にも強い、鍵付きで防犯もバッチリとよいこと尽くしです。
とはいえ、そこまで容量は大きくないため、慣れてきて厳選した少ないキャンプ道具で行ける方にはおすすめです。
ほかに絶対に雨に濡らしたくないものや貴重品がある場合は設置の検討をしてみてください。
キャンプツーリングで注意しておきたい大事なこと
キャンプツーリングならではの注意事項があります。事前に対策できることはしっかりやって、当日慌てることがないようにしておきましょう。
バイクトラブルへの備え
山間のキャンプ場に行くと、近くにバイク店がない場合も珍しくありません。バイクが故障したときの必要最低限の修理道具、連絡先など事前に確認しておきましょう。
初心者はまず近場で1泊から始めてみたり、上級者と一緒に行ったり、経験を積んでから少しづつステップアップしていくことをオススメします。
天気
車と違い、バイクでの雨の中の走行は大変なうえに寒いです。天気予報をよくチェックし、雨に備えた服装などの準備をしておきましょう。
無理せず天気の変化に臨機応変に対応し、予定外の足止めも楽しむぐらいの心の余裕を持ちましょう。
バイク置き場
バイクは自分の目が届くところに停めておきたいものです。バイクを納められる前室付きのテントもあるので、チェックしてみてください。
駐輪場付きのキャンプ場などで、自身のテントから離れたところに停める場合は、きちんと鍵で盗難対策も忘れずに。
できるだけ近くに置いておきたいとはいえ、寝床にあまりに近い位置に停めるのも注意が必要です。強風でバイクが転倒したときに巻き添いをくってしまいます。また、急な雨によって足場がゆるくなって倒れてくることも考えられます。
キャンプツーリングのハードルは高そうに見えますが、大事なポイントさえ押さえていれば案外大丈夫なものです。
この機会に憧れの夢を実現するために、思い切ってキャンプツーリングの世界に飛び込んでみませんか?