年間300万人が登る高尾山!実は植物の宝庫!
高尾山は年間300万人が訪れる日本一登山客が多い山。東京の都心からおよそ1時間、標高わずか599mの小さな山ですが、約1600種類の植物や野生の動物たちが生息する豊かな自然が残るスポットなのです。
そして、高尾山はミシュランガイドで三ツ星を獲得した観光地。アクセスの良さ、自然の豊かさが評価されたとのこと。
高尾山にはケーブルカーやリフトがあるので、子どもや年配の方でも気軽に登れます。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の景色、四季折々で違う表情を見せてくれます。
東京とは思えない豊かな自然を感じてみては?
高尾山へのアクセスは?
京王線高尾山口駅が便利です。高尾山駅という駅もありますが、登山ルートの開始地点やケーブルカーがあるのは高尾山口駅なので間違えないようにご注意を。
ケーブルカー、リフトの乗車駅。高尾山口駅から徒歩3〜5分ほどでつきます。体力に不安がある方はこちらを利用して登るとのもおすすめです。
高尾山へ登山開始! ビギナー向けの1号路をチョイス
高尾山の山頂へはいくつかのルートがあります。
麓から歩いて登るコースが3つ、中腹からの迂回コースやループコースも含めると10コース以上があります。
今回は、高尾山の表参道である1号路から山頂を目指します。
全長3.8kmほどの1号路は舗装された道が続く一番人気のコースで、初心者でも安心。本格的な登山ブーツやウェアなども特に必要ありません。スニーカーや普段着でも十分です。今回行ったのは4月中旬。ランニングシューズに綿のカーゴパンツ、半袖Tシャツ、綿の長袖シャツという服装で向かいました。
1号路は1時間30分ほどで山頂まで行けるとコースマップに書かれています。いざスタートです。
個人的な感想としては、舗装されているとはいえ登り始めの勾配は思いのほか急なのでしんどかったです。「こんな坂がずっと続いたら嫌だな」と最初に心がちょっぴり折れそうになるものの、その行程も15分ほどです。最初を乗り越えれば、そこまでしんどくありません。
春先から夏にかけては新緑が高尾山全体にあふれていて、目に心地よいです。空気も澄んでいます。
744年開山 1300年続く薬王院
744年に聖武天皇の命により行基が開山したと言われる薬王院。真言宗智山派の関東三大本山のひとつです。高尾山の中腹にある大きな寺院で、大本堂、飯縄権現堂、奥の院、大本坊があります。境内には、天狗の像があり、高尾山の天狗信仰の様子がうかがえます。アイスクリームやおまんじゅう、お守りなども売られているので、ちょっとひと休みするのにちょうどいいスポットです。
登山ルートがたくさんあると先に書きましたが、浄心門の左手に進むと3号路に、右手に進むと4号路に入ることができます。また4号路に進んですぐ2号路に入ることも。
このようにいくつものルートを通って山頂に行けるのが高尾山の魅力のひとつ。ルートによって違う表情を見られるので、何度もリピートする登山客が多いのです。ただ、ルートによっては舗装されていない道もあるので、そのときはトレッキングシューズを履いているほうが安心かもしれません。
浄心門をすぎると参道は男坂と女坂の二手に分かれます。男坂は少し急な石階段になっています。ちなみに階段の数は人間の煩悩の数と同じ108段。1段登るごとに煩悩がひとつ消えていくという言い伝えが残っています。女坂のほうはゆるやかなスロープ状の坂道になっているので、足腰に不安がある場合は、女坂を選択しましょう。
参道には樹齢700年を超す巨大な杉の木が並びます。天狗の腰掛け杉と言われ、その昔、高尾山の守り神である天狗が杉に腰かけて参拝者を見守っていると伝えられています。
しばらく行くと山門、仁王門などがあり、本堂のほうに出ます。お参りを済ませましょう。
本堂の隣の階段から本社、奥の院と抜けて山頂にルートは続いていきます。
本社の装飾は見事です。朱塗りの建物に極彩色の龍が踊っています。
4月の中旬だと桜もまだ咲いていました。
登山開始1時間ほどで高尾山の山頂へ
薬王院をすぎると山頂までもうちょっと。ラストスパートです。
頂上につきました! 所用時間は1時間ほど。
山頂にはそば屋さんや売店があります。食事やお酒も楽しめますよ。
高尾山頂から富士山も見える!
山頂の展望スペースから山々を見渡します。
登り始めは晴れていたのですが、山頂についたときには曇り空。眺めはいまひとつでしたが、登山の達成感に浸り、しばし休息をとっていました。すると、少し晴れ間がでてきて雲が流れていきます。
やっぱり富士山が見えるとテンション上がります。山頂にいた登山客の方々もいっせいにカメラで撮影していました。
晴れていたらくっきり見えて、さぞきれいなことでしょう。
山頂までの所要時間、気温や服装は?
1号路はルートガイドには1時間30分ほどで登れると書いてありましたが、僕の場合は、1時間ほどで着きました。登山を日常的にしているわけではないので、成人一般男性であればこの程度で登れます。女性の方も登っていましたが、そんなに変わらないと思います。
登ったのは4月中旬で、平地の予想最高気温は20度程度でした。僕の服装は、綿のカーゴパンツ、半袖のTシャツ、長袖のシャツです。靴はランニングシューズでした。登って行くとけっこう汗をかき、途中、暑くなったのでTシャツで歩くときもありました。ですが、木陰に入ったり、曇ってきたりするとひんやりすることもあり、シャツを脱ぎ着して暑さ調節を行いました。春から夏であれば、Tシャツと羽織るものがあれば大丈夫だと思います。替えのTシャツやタオルも必要ですね。
1号路は大部分が舗装されていますので、靴もトレッキングシューズや登山靴ではなくても大丈夫です。コンパースのオールスターで登っている女性を見ましたが普通に登れていましたし、スニーカーでOKです。
帽子やサングラスもあるといいですね。あとは水など飲み物も忘れずに持参してください。
また、3号路や4号路など、途中で迂回して山頂を目指すルートに行く場合は、舗装されていない山道を通ることもあるので、トレッキングシューズなど少し気を使ったほうがいいかもしれません。
ゴールデンウィークや紅葉の時期はかなり混雑
ゴールデンウィークや紅葉のときはとても混雑します。高尾山口駅が朝の通勤ラッシュばりに人であふれるそうです。駅からケーブルカーの乗り場までの道も人でいっぱいになってなかなか進まないこともあります。
その時期はケーブルカーを使う人が多く、30分から、ひどいときは60分待ちということもあるようです。
麓から登る人も通常よりはだいぶ多く、みんなで遠足で登って行くような感じです。ケーブルカーから合流する中腹より上では、かなりの人口密度になります。道幅が狭いところだったり、山頂付近になると、初詣の参道のようにぞろぞろと集団で進んでいくような行列になることも。
山頂ではベンチだけではく、地面にレジャーシートを敷いて休憩をとる人もたくさんいます。昼どきは、レジャーシートを敷くスペースを確保できないことも十分考えられます。
早めに行くようにしたり、時間に余裕を持って計画を立ててください。
1号路は一番人気のルートなので、6号路は比較的空いています。とはいえ、こちらは沢沿いに登って行くルートで、高尾山のルートのなかでは上級者向け。トレッキングシューズなどを履いていくことをおすすめします。
1号路の穴場展望スポット金比羅台に寄り道
1号路を登り始めて15分くらいすると、ルートの脇にそれて金比羅台へと上る道があります。本ルートからはずれるため、あまり人が行かないようです。というわけで展望台を独り占め。
さすがに混雑時期はこんなふうにはいかないでしょうが、喧騒を離れて小休止するにはいいスポットだと思います。
みんなが登る理由がわかった! 高尾山は身近で遊べる山
都心から1時間で行ける手軽さ。何度行っても楽しめる、複数のルート。1600種近くある植物の多様性。1時間から1時間30分ほどで山頂まで行ける手頃なアクティビティ。いざとなったら、リフトやケーブルカーを使える便利さ。
本格的な登山には程遠いですが、サクッと登山気分を味わうスポットとしては、高尾山は非常にバランスが良く手軽な山と言えます。ちょっと自然のなかに行きたいなというときにさっと行けるのが個人的にはすごくありがたいですね。今度は別なルートで登ってみようと思います。
text:george
【PROFILE/george】
茨城県東海村出身の34歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。7年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条。