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cazualチームは宮崎県小林市で2週間のプチ移住生活をして、さまざまな取材活動を行なった。そんなプチ移住体験で出会った素敵な人や体験したアクティビティ、実際に住んでみてわかった小林市の暮らし心地をレポートしていく。この夏、不定期で記事をアップしていく予定だ。
小林市をさまざまな角度から掘り下げるシリーズ記事の記念すべき第1回に登場する移住者は、宮崎県小林市で地域おこし協力隊として活動する平山遼太郎さん(21歳)。
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本題に入る前に地域おこし協力隊とはどういう制度か、おさらいしよう。
「地域おこし協力隊とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組」(出典「総務省:地域おこし協力隊の概要」より)
平山さんが前職を辞めた理由は、決して仕事内容が嫌いだったわけではない。勤務地である都会での暮らしが肌に合わないと、東京からこの小林市へと移住。そして小林市の大自然を生かした事業で、新たな展開を模索しているところだ。
東京は自然が少なくて僕が住むところではないと思った
cazual編集部(以下、c) 平山さんは、いつから小林市で活動をはじめたんですか?
平山さん(以下、平) 2017年の7月から地域おこし協力隊として、移住してきてからです。
c 移住してくる以前は、何をしていましたか?
平 東京で消防士をやっていました。
c なぜ東京を離れようと?
平 もともと宮崎県出身なんですけど、高校を卒業して東京へ出て、実際に暮らしてみたら都会は肌に合わないと感じて。
c 東京で暮らしていたときは、どこに住んでいましたか?
平 杉並区の荻窪です。
c 荻窪なんて、大都会ですね! 荻窪は便利そうですが、どんなところが肌に合わなかったのですか?
平 なんでもそろってて、ちょっと遊びに行くにはいい場所だなあって思いますけど、自然がないので僕が住むところではないかなと。自然がないことで、精神的にもまいっちゃって。
c 東京で荻窪を選んだ経緯は?
平 自分から率先して荻窪を選んだのではなく、配属になったからです。
消防学校が渋谷にあったんですけど、そこで寮生活をしているときから、大都会での暮らしは自分には無理がある気がしていたんです。なので、配属希望地は奥多摩にしたんです。
誰もが希望するような配属先は人気があって、希望どおりには配属されないって話でした。でも奥多摩を志願する人は、なかなかいないんじゃないかって思ってたんですけどね。
c 奥多摩を志願したのは自然が多いから?
平 もちろんそうです。でも僕は荻窪に配属になって。奥多摩に配属になった人が「奥多摩かあ」って、ちょっと残念そうな声をあげてたので、交代してほしいほどでした(笑)。
c もし奥多摩に配属になってたら?
平 消防の仕事が嫌いだったわけではないので続けていたと思うし、そしたらまったく違った人生になっていたと思います。
小林市が将来ずっと暮らしていくべき場所だろうと直感
平山さんが移住した地は、小林市の北部に位置する須木地区だ。
ここは、霧島ジオサイトの1つである小野湖や、大自然を満喫しながら“くつろぐ、食べる、泊まる”といったレジャー施設が整った「すきむらんど」などを有するエリア。
「すきむらんど」では、茅葺き屋根の宿「かるかや」でタイムトリップしたような宿泊体験もでき、「世界の山小屋」、「東俣谷バンガロー」、「ままこ滝キャンプ場」と地域の自然をより身近に感じるアウトドア宿泊施設も整っている。
cazualチームは「かるかや」で1泊し、翌日は平山さんの案内でSUP(サップ)を体験した。SUPはStand Up Padlleboardの略で、近年話題のアウトドアアクティビティ。サーフィンのようにスタイリッシュなのに、浮力のあるボードなので場所を選べば初心者でも簡単に楽しめるのが人気の秘密だ。
c どうして生まれ故郷で働くのではなく、小林市へ?
平 消防の仕事を辞めて、新たに職を探してたときに小林市の地域おこし協力隊募集が目に止まったんです。
市の計画に、“ウォーターフロント推進事業”という小野湖の環境を活用したプロジェクトがあるんです。カヤックスクールやSUPといった体験型の観光や、フィッシング大会の開催とか、バンジージャンプや温泉といった小野湖周辺全部を遊べる場所にしていくという内容です。
その一環にボートやカヌーの公式戦大会や強化合宿の誘致があります。市はボート競技場の整備を小野湖で進めていて、自分が応募した地域おこし協力隊の募集要項では、ウォータースポーツの経験がある移住者を求めてたんです。
c 移住に対する悩みはなかったですか?
平 自分は高校時代にボート競技の経験があるうえに、この須木地区の自然環境もすごく好き。だから、ここへの移住はばっちりハマった。たぶん自分が働くべき場所というか、消防職を辞めたタイミングもタイミングだったので、ここが将来ずっと暮らしていくべき場所なんだろうなって感じたんです。
c 高校時代のボート競技の成績は?
平 成績っていう成績になるかわからないですけど、宮崎県大会では優勝しました。宮崎県は競技人口が少ないので、優勝しやすいっていうのはもちろんあったんですけどね。インターハイにも出場してます。国体の宮崎県の選抜にも。
c いまは市の中心部に住んで、この小野湖まで通っているのですか?
平 小野湖のすぐ近くに住んでます。今回採用された地域おこし協力隊の条件に、須木地区に住むという条件があったんです。
c 住みはじめる前に、須木地区に来たことはあったんですか?
平 地域おこし協力隊の面接のときがはじめてです。
c 須木地区に暮らしはじめての感想は?
平 ここの自然が大好き、特に水がキレイで、しかもおいしい。
c ウォーターフロント推進事業をやっていて、水はキレイで、しかもおいしいっていうのはいいことですね。
平 水がおいしいからなのか、須木地区で収穫できるお米が特においしいです。実家にお米を送ってあげたら、「もう須木のお米じゃなきゃだめ」っていうくらい、人気です。
でも須木地区は冬場が寒くてしょうがなかった(笑)。いままでの人生、暖房器具を使わずに生きてきんです。暮らし始めは夏だったからわからなかったけど、冬に近づくにつれ、段々と寒さが厳しくなってきて。
寝るときは敷布団と掛け布団だけで眠るんですけど、部屋の空気が冷たいから、「朝まで生きてられるかな?」って、毎日思うくらい寒かった。このまま須木地区で暮らすなら絶対に暖房器具が必要って思ったので、すぐにストーブを買いに行きましたよ(笑)。
豊かな自然を生かした起業を検討中 湖だけでなく山のプログラムも取り入れたい
市が進めるウォーターフロント推進事業では、小野湖の水環境を活かし、リゾートレクリエーションを中心とした観光地づくりを目指している。小野湖ではすでに小林市初となる高校総体ボート競技会が開催され、今後は宮崎県全体のボート競技力向上の起爆剤となることも期待される。
美しくも悲しい民話が語り継がれる「須木の滝」(須木の滝は別名”ままこ滝”とも呼ばれている。ままこ滝の伝説についてはこちら)、冬でも葉を落とさない照葉樹林の緑は深く、宿泊施設や温泉などの施設がすでに十分整った須木地区。
平山さんは小林市須木地区の豊かな自然を活かし、起業を考えている。
c 小林市といったらフランス語に似た方言としてYouTube動画(二度見必至の動画はコチラ)がバズりましたが、同じ宮崎県民ですので、方言に苦労することはなかったですか?
平 いいえ、年配の方々がしゃべる言葉は難しいですね。でもいい人たちばかりなので、何か言われたとしても悪いことではないだろうなあと思って、笑顔で聞き流してしまうこともあります(笑)。
c ところで地域おこし協力隊は3年間という期限(編注:地域おこし協力隊の活動期間は概ね1年以上3年以下とされている)がありますが、その後のプランは?
平 まだはっきりとしていないんですけど、今後は同じく小林市で地域おこし協力隊をやっている方とNPO法人を起業する予定なんです。そこで小林市の自然を活かしたアウトドアアクティビティを取り入れた事業を立ち上げられたらと考えています。
c アクティビティというと、小野湖での水面利用だけですか?
平 ウォーターアクティビティだけではなく、山のプログラムも取り入れたいと考えています。だから山の知識のある人を探しています。
c たしかに、カヤックやSUPを使って小野湖で遊ぶのも楽しいですけど、須木地区は自然豊かなので、それだけじゃもったいないですもんね。絶景が眺められるトレッキングルートとかを開発すれば話題となりそうだし、須木地区は広大なのでMTBを使って行動範囲を広げればいろいろまわれそうです。そういったアウトドアアクティビティを複合的に組み合わせれば、どこにもない須木地区だけのプログラムが確立できそうですね。
ところで、山の知識がある人というのは移住者の中で探しているのですか?
平 移住者に限らず、いっしょにやっていこうって言ってくれる人がいれば、そこは問わないです。
c 現在はいろいろな事業展開を考え、それに向かって準備しているところだと思いますが、とりあえずいまのところ小野湖でウォーターアクティビティにチャレンジしたいと思ったときは、どうすればいいですか?
平 まずはすきむらんどのほうに問い合わせをしていただければ、SUPとかカヤックとかをご案内できると思います。1時間ぐらいあれば小野湖をめぐる体験ができます。
天気のいい日のウォーターアクティビティは最高に気持ちがいいです。でも雨が降ってるときは風も吹いてない状態が多いので、SUPとしては漕ぎやすいというメリットもあります。雨は雨で、湖面から立ち上る靄(もや)が幻想的でキレイですし。
ウォーターアクティビティの体験だけでなく、須木地区へ泊まりで来るなら茅葺き宿の「かるかや」さんのようなぜいたくな宿もあるし、バンガローやキャンプ場もあるので料金を安く抑えることもできますよ。これからの季節はバーベキューをやるのもいいですね。
九州山地の恵みを受け、豊富な水資源を持つ宮崎県小林市だが、これまでアウトドア資産としてあまり活用されてこなかった。平山さんは、須木地区の自然環境に魅せられ、そのポテンシャルを信じて小林市だからできる新しいソトアソビを作り出すべく奮闘中だ。
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プロフィール
平山遼太郎(ひらやま りょうたろう)さん
1998年、宮崎県生まれ。2017年7月から地域おこし協力隊として宮崎県小林市で活動中。
東京消防庁職員として杉並区に配属になる。その後、地方での暮らしに憧れて離職。ボート競技でインターハイ出場という経験を活かし、市が進めるウォーターフロント推進事業に協力。
施設インフォメーション
■「すきむらんど」
住所:宮崎県小林市須木下田412番地6
TEL:0984-48-2480
定休日:毎月第2、4木曜日
ホームページ:
http://www.sukimuland.jp
■茅葺き屋根の宿「かるかや」
住所:宮崎県小林市須木下田412番地6
TEL:0984-48-2480
チェックイン:15:00〜18:00 チェックアウト:10:00
客室:4
ホームページ:
http://www.sukimuland.jp/tomaru/tomaru-karukaya.html
■「かじかの湯」
住所:宮崎県小林市須木下田356-1
TEL:0984-25-9500
営業時間:平日10:00~21:30 / 土日祝8:30~21:00
定休日:第2、第4木曜日
ホームページ:
http://www.sukimuland.jp/kutsurogu/kutsurogu.html
photo:ULALA
text:アマキン
【PROFILE/アマキン】
本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。
構成:所 隼登
(本記事は宮崎県小林市と協働製作したスポンサードコンテンツです)